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100人いても、毎回ゼロから考えていたら強くならない

いつもありがとうございます。さくたろうです。

前回まで、AIやシステム導入、そして組織をどう動かすかについて書いてきました。

今日は、少し視点を変えて、**「強い組織とは何か」**について考えてみたいと思います。

会社の中では、組織の大きさがそのまま力の大きさのように見えることがあります。

100人いる部門。

10人しかいない部門。

数字だけを見れば、100人の方が強そうです。

売上も大きい。

案件数も多い。

対応できる範囲も広い。

でも、私は時々思います。

100人いても、毎回ゼロから考えていたら、本当に強い組織と言えるのだろうか。

逆に、10人しかいなくても、

経験を蓄積し、

考え方を型にし、

次の仕事に再利用できる組織なら、

人数以上の価値を出せることがあります。

今日は、そんな話です。



人数が増えることと、組織能力が増えることは別

例えば、ある案件が始まるたびに、

「今回はどう進めますか?」

から始まる組織があったとします。

担当者が自分の経験を頼りに進める。

うまくいけば、その人の経験になる。

失敗すれば、その人の反省になる。

そして次の案件では、

別の担当者がまた、

「今回はどう進めますか?」

から始める。

100人いれば、100人分の経験はたまっているかもしれません。

でも、その経験が個人の中にしか存在しないなら、

組織としては、毎回ほぼゼロからスタートしている

のとあまり変わりません。

これは人数の問題ではありません。

経験が組織に残っているかどうかの問題です。


「経験者がいる」は、組織能力とは少し違う

よく、

「うちには経験者がたくさんいます」

という話を聞きます。

もちろん、経験者がいることは強みです。

でも、

その人が休んだら進まない。

異動したら分からなくなる。

退職したらノウハウも一緒になくなる。

となると、

それは組織能力というより、

個人能力を組織が借りている状態

に近いのかもしれません。

強い組織は、

「あの人ならできる」

だけではなく、

「この組織なら、一定水準以上でできる」

状態になっている。

ここには大きな違いがあります。


属人的な経験は、人数を増やしても増幅しない

例えば、10人の組織が20人になったとします。

単純に考えれば、対応力は2倍になりそうです。

でも、

仕事の進め方が属人的なままだと、

新人は経験者の横について覚える。

経験者によって教え方が違う。

成果物の品質も違う。

判断基準も違う。

案件ごとに使う資料も違う。

結果として、

人数は増えたのに、

レビュー工数が増える。

マネジメント負荷が増える。

品質のばらつきが増える。

トラブルも増える。

ということが起こります。

つまり、

人数を増やしたからといって、そのまま組織能力が増えるわけではない。

場合によっては、

組織が大きくなるほど、

「誰が何を知っているのか分からない」

という状態になることさえあります。


強い組織は、経験を「再利用できる形」に変えている

では、人数以上の価値を出す組織は何が違うのか。

私は、

経験をそのままにしないこと

だと思っています。

例えば、一つのプロジェクトが終わったとします。

そこで得たものを、

「今回はこういう経験をしました」

で終わらせない。

なぜうまくいったのか。

どこで失敗したのか。

どんな順番で考えればいいのか。

何を最初に確認すべきなのか。

どんな質問をすれば課題が見えるのか。

どこで判断を間違えやすいのか。

これを、

  • チェックリスト

  • テンプレート

  • 判断基準

  • フレームワーク

  • 提案資料

  • サンプル成果物

  • ナレッジ

  • 教育コンテンツ

に変えていく。

そうすると、

一人の経験が、

次の10人の仕事を速くすることができます。

私は、これが組織知なのだと思っています。


「資料を残す」だけでは、組織知にはならない

ただし、

ファイルサーバーに資料を保存すればいい、

という話でもありません。

「ナレッジを残しましょう」

と言って、

SharePointやTeamsに大量の資料を置く。

でも、

誰も見つけられない。

何が正しいのか分からない。

古い資料なのか新しい資料なのか分からない。

結局、

「詳しい人に聞いた方が早い」

となる。

これもよくあります。

だから重要なのは、

資料を残すことではなく、再利用できる状態にすること

です。

例えば、

「業務改革案件なら、まずこの5つを確認する」

「経営課題から業務課題に落とすときは、この観点で見る」

「提案時には、最低限この論点を押さえる」

「このケースなら、この成果物を使う」

というように、

次の人が使える形まで整理する。

ここまでやって初めて、

知識が個人から組織に移っていきます。


10人でも、価値密度の高い組織は作れる

少人数の組織には、当然限界があります。

10人では、100人分の案件を同時にこなすことはできません。

でも、

一人ひとりが何を考え、どこまで価値を出せるか

という意味では、人数だけでは決まりません。

例えば、

「システムを入れたい」

という相談に対して、

そのまま製品の話をする組織もあれば、

「そもそも何を経営課題として解きたいのか」

から考える組織もある。

そこから、

経営課題。

業務課題。

To-Be業務。

必要な仕組み。

最後にシステム。

までつなげられるなら、

一つの案件で出せる価値はかなり変わります。

つまり、

人数ではなく、一人あたりがどこまで上流から考えられるか。

これも組織の強さを決める要素だと思っています。


ただ、10人が強ければそれでいいわけではない

ここで注意したいのは、

「だから少人数の方がいい」

という話ではありません。

100人でも強い組織はあります。

10人でも、属人的で毎回ゼロから考えているなら弱い。

重要なのは人数ではなく、

組織として学習できているかどうか

です。

むしろ本当に目指したいのは、

10人の優秀な人が頑張り続けることではありません。

それでは、結局その10人に依存します。

本当に価値があるのは、

10人で作った知恵を、100人が使えるようにすること。

だと思っています。


強い10人を作ることより、10人の知を100人に広げること

あるチームが新しい方法論を作った。

提案の型を作った。

業務分析の観点を作った。

成果物を標準化した。

そこで終わると、

そのチームだけが強くなります。

でも、

その考え方を教育する。

テンプレート化する。

レビュー基準にする。

AIからも参照できるようにする。

案件で使って改善する。

別の部門でも使えるようにする。

そうすると、

10人が作った知識が、

50人、100人へ広がっていく。

ここまでできると、

組織の強さは人数に比例するのではなく、

知識が再利用される回数によって増幅していく

ようになります。

これは、単なる人員拡大とはかなり違います。


毎回ゼロから考える組織は、同じ失敗も繰り返す

組織知がないことの問題は、

効率だけではありません。

同じ失敗を繰り返すことです。

以前の案件で炎上した。

原因も分かった。

でも、その経験が個人の中で終わる。

すると半年後、

別のチームが同じところで炎上する。

また振り返る。

また原因が分かる。

でも残らない。

これでは、

組織として経験を積んでいるようで、

実はほとんど学習していません。

私は、

強い組織とは、成功を再現できる組織であると同時に、同じ失敗を繰り返さない組織

でもあると思っています。


組織の強さは「人数」ではなく「再現性」で決まる

100人いる。

売上も大きい。

案件も多い。

それ自体は大きな力です。

でも、

毎回ゼロから考える。

経験が人に閉じている。

成果物が再利用されない。

判断基準が人によって違う。

同じ失敗を何度も繰り返す。

そんな状態なら、

人数ほどの組織能力は持てていないのかもしれません。

逆に、

10人しかいなくても、

経験を型にする。

知識を共有する。

次の案件で再利用する。

改善を積み重ねる。

経営課題から業務、システムまで一貫して考える。

そういう組織なら、

人数以上の価値を出すことがあります。


だから、

10人が100人に勝つことが目的ではありません。

本当に目指したいのは、

10人で作った知を、100人が使える状態にすること。

私は、それが「組織化」なのだと思っています。

人数を増やす前に、

今の経験がちゃんと組織に残っているか。

次の人が使える形になっているか。

昨日より今日、

今日より明日、

組織として少しでも賢くなっているか。

強い組織かどうかを見るとき、

私は人数よりも、

「毎回ゼロから考えていないか」

を見た方がいいのではないかと思っています。

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