&TEAM の数字が示す、9人が辿りついた現在
TikTokフォロワー数とSpotify月間リスナー数の両方でTOP3に入っている&TEAM

彼らの成長の裏には絶え間ない努力と地道な道のりがありました。
今回は&TEAMという9人のグループの軌跡を辿ってみたいと思います。
デビューから現在までの軌跡
&TEAMの始まりは、HYBE LABELS JAPANのグローバルデビュープロジェクト。2022年7月から放送されたオーディション番組『&AUDITION - The Howling -』を経て、EJ、FUMA、K、NICHOLAS、YUMA、JO、HARUA、TAKI、MAKIの9名がメンバーに選ばれました。
日本人7名、台湾人1名、韓国人1名という多国籍構成で、全員が日本語と韓国語を話せるグローバルグループの誕生です。
そして2022年12月7日、デビューEP『First Howling : ME』でデビュー。
しかし、デビューしたからといって、すぐにすべてが順風満帆だったわけではありません。HYBE系列のグループとしてのデビューは話題を呼びましたが、日本国内ではまだ「BTSの弟分」というラベルで語られることが多く、彼らがどんなグループなのかを世間に届けるには時間が必要でした。
ここで彼らが選んだのは、「Japan to Global」というスタンス。
HYBE系列のグループでありながら、まず日本という拠点を大切にし、そこから世界へ広げていく。その思いは楽曲にも表れています。
2024年、彼らは1年をかけて壮大なコンセプトワークを完成させました。『五月雨(Samidare)』『青嵐(Aoarashi)』『十五夜(Jyuugoya)』『雪明かり(Yukiakari)』。ファンの間で「四季シリーズ」と呼ばれる、日本の季節の情景を綴った楽曲群のリリースです。
日本の四季を1年かけて4作のシングル・アルバムで表現する。よくよく考えるとこれは、相当な意思表明だと思います。そこに、&TEAMが「Japan to Global」を本気で歩いていることが現れているのではないでしょうか。
そして2025年。この年が、&TEAMにとって大きな転換点となります。
5月から初のアジアツアーを開幕し、10月にはアジアツアーのアンコール公演をさいたまスーパーアリーナで開催。海外だけでなく国内のファンダムの強さも改めて示しました。

その勢いのまま、10月28日にはKR 1st Mini Album『Back to Life』で韓国デビュー。発売初日に総出荷枚数110万枚を突破し、日本のアーティスト史上初の「日韓ダブルミリオン」を達成。日本人中心のグループが韓国市場でこの数字を叩き出したことは、業界でも話題になりました。
12月30日、日本レコード大賞で「特別国際音楽賞」を受賞。
そして12月31日、紅白歌合戦の舞台で『FIREWORK』を披露。
3年かけて積み上げてきたものが、2025年に一気に開花した1年でした。そこには最年長でパフォーマンスリーダーのKの存在が大きかったように思います。
■ Kという存在
元々は陸上選手だったK。2020年、EJ、NICHOLAS、TAKIも参加した『I-LAND』に参加。しかし、最終話あと一歩のところでデビューメンバー入りを逃しました。
それでも、Kへの世界中のファンの熱は冷めなかった。彼の誕生日にはアイドル練習生「単独」で初のニューヨーク・タイムズスクエアの大型電光掲示板広告を出すという出来事が起きました。
その後&TEAMとしてデビューしてから『オールスター感謝祭』のマラソンに初出場し、優勝。そして2025年9月、TBS『東京2025世界陸上』の応援サポーターに選ばれ、陸上経験を活かしたコメントで存在感を見せました。
これによりさらにお茶の間の認知度を上げたのではないでしょうか。
また楽曲制作にも関わり、数多くの振付を担当いています。
ステージの上だけでなく、ステージの外でも、楽曲の裏側でも。彼は&TEAMの名前を背負って動き続けている一人です。
&popというジャンル
LUNÉ(&TEAMのファンネーム)の間では、&TEAMの音楽を「&pop」と呼ぶ人がいます。

K-popでもなく、J-popでもない。でも、K-popでもあり、J-popでもある。HYBE系列のYX LABELS(旧HYBE LABELS JAPAN)に所属し、韓国デビューを経て、日本語と韓国語の両方で歌う9人のグループは、既存のジャンルのどちらにも完全には属さず、しかし両方の血を引いている。
「&pop」という呼称が自然に生まれてきたのは、彼らが本当にどちらでもあり、ジャンルにとらわれない独自の魅力があるからなのかもしれません。
&TEAMのうまい戦略
そんな彼らのデータを見ると初めから高水準だったわけではありません。
2023年~2024年の間はSpotify月間リスナー数は40~50万人付近で、今のTOP10にも入るか入らないかぐらいの位置にいました。
風向きが変わったのは2025年に入ってからです。
前回の記事にも触れましたが、直近数ヶ月のデータからでも&TEAMのうまい戦略が見えてきました。
それは、彼らの動き方には ファンに向けた話題と、大衆に向けた話題が、交互に来ている ということです。

並べてみると、ライブツアーやリリース(LUNÉに向けた話題)と、世界陸上、紅白、レコ大(全国区の大衆に届く話題)が、交互に来ているのが分かります。
ファンを深く沼らせる時期と、新しい層に名前を届ける時期。この2つを交互に重ねることで、ファンの熱量を保ちながら、新規リスナーを呼び込むサイクルが生まれています。
そしてこのリズムは、2026年に入ってからも続いている。
数字で言えば、紅白後の1月から2月にかけて月間リスナー数は150万前後の踊り場に入っていました。それまでの右肩上がりが少し落ち着いた時期です。けれど、3月14日に春バラード「桜色Yell」を先行リリース。3月後半からまた数字が動き出し、4月21日には3rd EP『We on Fire』をリリース。気づけば196万人。
下がる前に次の手を打つ。話題が落ち着く前に、次のサイクルを始める。
これは、たまたまではないと思います。グループ自身の動き方、レーベル側の戦略、メンバー個々の活動を含めて、多方面から仕掛けが続いている。だからこそ、TikTokとSpotifyの両方でTOP3という、35組で唯一の場所に立てているのではないでしょうか。
またもう一つのうまい戦略は、&TEAMの海外戦略です。
そのことについては、以前他のグループとの比較も含めて分析記事を書いています。海外戦略はHYBE系列だからこそできる部分ももちろんありますが、それだけでなく、他の事務所でも十分可能な戦略もあります。
興味のある方はこちらもどうぞ。
まだ「決定打」のないグループの現在地
ただ、ここで一つ正直に書いておきたいことがあります。
M!LKには「イイじゃん」「爆裂愛してる」「好きすぎて滅!」があり、BE:FIRSTには「夢中」がある。誰もがすぐに「これが代表曲」と思い浮かべる楽曲があります。
一方、&TEAMにはまだ、その意味での「決定打」と呼べる一曲がない。
これは弱点かもしれませんが、私には伸びしろのようにも見えます。9人のグループはまだ進化の途中で、彼らの最高到達点はこれから先にあるのではないでしょうか。
現時点で彼らの現在地を最もよく示しているのは、第76回NHK紅白歌合戦で披露された『FIREWORK』かもしれません。
最近では、バラエティ番組でモノマネされてSNSでも話題になっていたようです。お茶の間の認知が、楽曲そのものにも広がりつつある。これも、&TEAMが「決定打を持たないけれど、確実に届いている」グループであることの証なのかもしれません。
彼らが証明していること
私がリサーチしている35組のうち、2026年5月、TikTokとSpotifyの両方でTOP3に入っているのは&TEAMただ1組。
この事実が示しているのは、彼らが「目で楽しむグループ」と「耳で聴かれるグループ」の両方を成立させているということです。前回の記事で書いた、TikTokは「グループそのものへの関心」を、Spotifyは「楽曲そのものへの愛」を映している、という見立てに照らすなら、&TEAMはこの両方を兼ね備えているということになります。
これは、簡単なことではありません。
ジャンルレスであること。日本と韓国を行き来する活動形態を持つこと。9人それぞれが個性を持ちながらも一つのチームとして揃うこと。3年かけて積み上げてきた基盤の上に、グローバル展開という選択肢を実装したこと。そして、ファンと大衆の両方に向けて交互に話題を作り続けていること。
「&pop」という新しい呼称が生まれるほど、彼らの音楽は既存の枠組みに収まらないものになっています。そしてその両義性こそが、TikTokとSpotifyの両方でTOP3に入るという、35組で唯一の場所に彼らを立たせているのではないでしょうか。
これからの&TEAM
3年積み上げてきた基盤の上に、2025年という飛躍の年を重ねた&TEAM。 彼らはまだ「決定打」と呼べる一曲を持っていません。それでも、TikTokとSpotifyの両方でTOP3に入る場所に立っています。
それは伸びしろを抱えたまま、ここまで来たということ。
これから先、彼らがどんな決定打を放ち、どこまで届いていくのか。 ジャンルレスな&popというあり方が、世界の中でどう位置を変えていくのか。 LUNÉと一緒に、これからも見守っていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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