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連載 第16回 行ったつもりでWORLD息子よ、『星の王子さま』の世界が現実に。マダガスカルの「巨木の並木道」が魅せる、異世界のような大絶景

息子よ、

「星の王子さま」を読んだ時、不思議な形をした木が妙に印象に残らなかったか?

まるで悪魔が木を引き抜いて、逆さまに地面へ突き刺したような姿。あれが「バオバブ」だ。

現実にそんな木が本当に存在する。そして、その幻想的な世界は、アフリカ東岸に浮かぶ島国・マダガスカルにあるんだ。

『星の王子さま』の世界は実在した

バオバブは、マダガスカルの言葉で「森の母」と呼ばれる神聖な木だ。

太い幹の上に、まるで根っこが空へ向かって伸びているような枝を広げる姿から、「逆さの木(アップサイドダウンツリー)」とも呼ばれている。

初めて写真を見た時は、「CGじゃないのか?」と思ったほど衝撃だった。

だが、これは紛れもなく本物の風景なんだ。

マダカスカルはギターの材でも有名だ。

逆さの木には理由がある

もちろん、この姿は奇をてらったものではない。

乾季が長く続く厳しい環境を生き抜くため、巨大な幹はスポンジのように大量の水を蓄える天然の貯水タンクになっている。

しかも樹齢は数百年、中には千年以上ともいわれる巨木も存在する。

さらに果実は栄養価が高く、樹皮はロープや薬にも利用される。

つまりバオバブは、美しいだけではない。

何世代にもわたって人々の命を支えてきた、「命の木」でもあるんだ。

人生で一度は見たい絶景

そのバオバブが一直線に並ぶ場所が、マダガスカル西部の「バオバブ街道」だ。

赤い大地の一本道に、高さ30メートルにも及ぶ巨木が並ぶ光景は、まるで別の惑星に迷い込んだような気分になる。

そして夕暮れ。

オレンジ色に染まる空を背景に、巨大なバオバブが黒いシルエットとなって浮かび上がる。

その美しさは写真では伝わらない。

きっとその場に立った人だけが味わえる、地球という星の壮大さなんだろう。

愛し合うバオバブ

街道から少し離れた場所には、「愛し合うバオバブ」と呼ばれる2本の木がある。

互いを抱きしめるように幹が絡み合いながら成長した姿は、とても自然が生み出したとは思えない。

現地には、

「来世でも結ばれたいと願った恋人が、この木になった」

というロマンチックな伝説まで残されている。

旅人たちがわざわざ足を運ぶ理由もよく分かる。

最後に

息子よ、

世界には、まだ人間の想像力が現実に追いついていない場所がある。

マダガスカルのバオバブ街道は、その代表格だ。

『星の王子さま』で心を躍らせた少年が、そのまま大人になって訪れたら、きっと同じ言葉を口にするだろう。

「本当にあったんだ。」

俺はそういう景色こそ、本当の絶景だと思う。

死ぬまでに一度は、自分の目で見てみたい。

きっと、その瞬間だけは地球ではなく、王子さまが旅した小さな星に立っている気分になれるはずだからな。


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