テニス上達メモ166.いつかは来ない
▶「何々しなきゃ!」は“have to”だから……
常識的なテニス指導では、「ひざを曲げる」「左手でバランスを取る」「体の軸を立てる」など、打ち方やフォームに関するアドバイスが、コーチからたくさん提供されます。
提供されるというより、強要されます。
もらったアドバイスを「採用しません」という選択肢は、(よっぽど自己肯定感が高くなければ)なかなかありません。
それらはつまり「ひざを曲げろ!」「左手でバランスを取れ!」「体の軸を立てろ!」であり、アドバイスを受け取る生徒さん側にしてみれば、「ひざを曲げなきゃ!」「左手でバランスを取らなきゃ!」「体軸を立てなきゃ!」という負担や制限になっている。
「何々しなきゃ!」というのは、本心は、身体は、ホントは「やりたくない」のです(関連記事「“have to”か“want to”か? 『今の人生』の横に走っている『別の人生』がある(諦める力)」)。
▶「いつかは来ない」と相場が決まっている
やりたくないことをやり続けて、幸せになれる道理はありません。
テニスで幸せになることのひとつは、上達することでしょう。
だとすればテニスでいえば、つまりやりたくないことをやっていては、上達できるはずがありません。
「嫌なことを我慢してやっていればいつかは上達する」というのは、思い込み。
仏道でも苦行は否定されたのですね(関連記事「あなたが『生き返る」ために!」)。
こちらで述べている「『将来』のために『今』を犠牲にする人たち」。
やりたくないことを我慢してやっていれば、将来はいつか幸せになれる(上達する)と考えるのは危険。
「いつかは来ない」と相場が決まっています。
「我慢は美徳」とばかりに我慢し続けていると、「気分・機嫌・気持ち」が下がるから、こちらで述べているのとは逆の、「負の相乗効果」でテニスが下手に(不幸に)なってしまうのです。
▶最も有名だけど、最も守られていない(!?)名言
これほどよく知られていて有名なのに、これほど「守られていない」メッセージは、なかなかないと思います。
” If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?”
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを私は本当にしたいだろうか?」
2005年スタンフォード大学卒業式の祝辞として、スティーブ・ジョブズが述べたのでしたね。
これを今回の『テニス上達メモ』に即して私なりに意訳すると、「いつかは来ないのだから、今やりたいことをやろう」とさせていただきます。
またこちらでご紹介した「ゼロで死ね!」も、似たようなメッセージが含意されていますね。
今日あなたが「本当にしたいテニス」は何?
▶「やりたくないことはやらない」勇気
やりたいテニスをやりたいように実現するには、その準備段階として「やりたくないことはやらない」勇気を発動する(関連記事「プライドが高いほど、自己肯定感は低い」)。
もちろん「ひざを曲げたい!」「左手でバランスを取りたい!」「体の軸を立てたい!」という人がいらっしゃるのであれば、無理には止めませんけれども、それでテニスが上手くいかずに苦しんでいるのであれば、「やりたくないことをやっている」可能性が高そうです。
▶わけもないのに「不快」になるのはなぜか?
上手くいかないのは、「努力が足りないからじゃない」。
むしろ、そうして“have to”の努力を重ねてきたから、上手くいかなかったのです。
「○○しなきゃ」が積み重なると、自分でも気づかないうちに、ストレスがチリツモです。
テニスが終わって、わけもないのに不快になるのはなぜ?
忘れたつもりになっていた、一つひとつは小さくとも堆積した「○○しなきゃ」のストレスが残響して、気分が落ち込むからです。
それら一つひとつのストレスは小さすぎて自覚にのぼらないけれど、だからこそ、サブリミナル効果で人は操作されてしまうのです(関連記事「『無意識的』であればあるほど、強く影響を受けやすい」)。
▶ストレートアームを意識するから、詰まる!?
「○○しなきゃ」は、意識的ですから、もちろん集中力も破壊します。
「いつも打点が近くなりすぎて、窮屈な打ち方になるから、次の1球だけは何とか、打点を体から離してストレートアームで打とう」と意識する。
すると、「努力逆転の法則」が働きます。
たとえば、打ったボールが1秒で返ってくるうちの0.9秒間、「打点を体から離そう!」「ストレートアームだ!」などと考えていると、意識と感覚は相容れませんから、ボールが見えるのは、わずか0.1秒。
だから急にボールが迫ってくるような感じになり、余計に打点が近くなりすぎて、かえって詰まった打ち方になってしまうというわけです。
▶「感じるままに動く」と、頑張らなくてもスピーディ!
改めまして、「やりたくない“hava to”なんて、やらない」。
言葉を変えれば、フォームの矯正を自分自身に強制しない。
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしているテニスを私は本当にしたいだろうか?」
これほど有名なのに、これほど守られていないメッセージは、私の知る限り多くありません。
「感じるままに動く」のです。
すると動きも、頑張らなくてもスピーディになります。
「(意識の)手かせ足かせ」が、外れるからです(関連記事「打ち方は文字どおり『手かせ足かせ』になる」)。
それが、自由。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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