質問196:フットワークが動いていない?
どうも、先日アドバイスをいただきましたコーチ研修をしている者です。
実は今日はテニスにおけるフットワークについての件でメールしました。
最近になってようやくいいショットが打てるようになってきて、負けはしたもののサークルのメンバーをストロークである程度抜くことができるようになりました。
ですが、そのサークルのメンバーからすると自分(ボク)が酷いくらい足が動いていないらしく、結構楽勝だったと言われてしまいました。
実際にスプリットステップはちゃんとしてましたし、ボールのタイミングもショットから見てもあっているように感じました。
でもやっぱりスプリットステップだけあわせても止まって打つ行為もできていないからいけないといわれて、だめなんだなって思い最近になってラダー練習を始めました。
なのでどうすれば足がしっかり動いているように見えるのでしょうか?
ボールに集中しすぎるが故に足がよくおろそかになってしまいがちなんです。
吉田さんはテニスに固執しないと言っていましたが、ボクの場合コーチ研修もやってたり、サークルも強豪なため、うまくなってないと「それはしっかり練習してないからだ」とよく言われるのでがんばらざるを得ない状況なんです。
でもテニスが好きだし、早くコーチングスタッフにもなりたいので、ボクのこのような環境がいい状態であるかどうかも是非教えてください。
回答
▶上達は「努力量」よりも「インストールするプログラム」
頑張らなくても上手くなる人は上手くなりますし、頑張っても上手くならない人は上手くなりません。
突き放しているわけではありません。
その人の才能や運動神経の差ではなくて、単に「脳に何を入れるか」でしかないからです。
PCにワードを入れたら、誰でもワードを使えるようになりますが、ワードを使いたいのに誤ってエクセルをインストールしたら、いくら頑張ってもワードは使えるようにはなりません。
見た目だけは同じようなことはできるかもしれませんが、ひどく効率が悪いし、本来のポテンシャルも発揮されないでしょう。
エクセルでも、ワードのような文書作成はできるかもしれませんが、やっぱり無理がある。
その逆もまた然り。
テニス上達のプログラムを入れれば、上達するし、そうではないものを入れたら、いくら頑張っても、何十回、何百回インストールする努力をしようとも、徒労でしょう(関連記事「どんな情報を入れるかで人生は決まる 」)。
▶フットワークの思い込みが、誤ったプログラムになることも
今回いただいたメール内容を拝読するに、ご自身は違うプログラムをインストールしようとしている可能性が高いと言えます。
サークルのメンバーに負けたのは、本当にフットワークのせい、足が動いていなかったから、なのでしょうか?
おしなべて上手いプレーヤーほど、「あんまり動いていないように見えるのに、なぜかボールに追いつく」というのが実際です(関連記事「どうやったら、こういう余裕のあるプレイが出来るようになるの?」)。
逆に、足をよく動かそうとフットワークを意識するプレーヤーは、はたから「無駄な動きをしている」ようにしか映りません。
▶集中すれば、フットワークはリンクする
そもそもボールに集中しているプレーヤーは、「スプリットステップはちゃんとした」かどうか、意識にのぼらないし、「止まって打つ行為」も、できていたかいないかなど、分かりません(関連記事「悩んだら負け。“直感”が正解」)。
「ボールに集中しすぎるが故に足がよくおろそかになってしまいがち」であるならば、そうおっしゃるご自身のそれが正解です。
動く必要のないときに動かそうと意識するから、ボールの動きにフットワークがリンクしなくなります。
この、ロジャー・フェデラーのフットワークをご覧なさい。
「もっと細かくステップ刻まんかーい」(笑)
▶「動かない」も立派なフットワーク
冗談はさておき、あるいは最近だと伊藤あおいもそうでしょう(関連記事「『本物の素直』現わる!」)
https://youtu.be/vLGHBMxPxGk?t=278
グリップがどうのこうのと聞かれた挙句、「何を一番気をつけている?」と尋ねられたら「面に当てることです」という答えが秀逸です(^-^;(関連記事「おまけ・※注1について。プロは「グリップ名」など知らない」)。
「みんなそうです(土居美咲)」のツッコミも👍
ええ、特に日本では、「フットワーク三段論法」が神と崇められるきらいがあるから、動かないでいると、まるで「さぼり」だと決めつけられます。
でも卓球でもそうですが、動かないでいられるに越したことはないのです(関連記事「動くと集中力は落ちやすい」)。
https://www.youtube.com/watch?v=4wuGBP8TRpk
そのくせ手をたくさん使ったから楽だから、「手打ちだ」などと戒められる。
結局、しんどい思いをしたほうが尊いとする「努力至上主義」なので、効率も能率も上がらず、結果が伴わないのです。
嫌いなことを頑張るから、結果が出るのではなくて、好きを楽しむから、結果が出るのです。
手打ちに関する関連記事はこちら「運動連鎖を引き起こすオイシイ裏技!?」。
▶「動く」のではなく「動かされる」のが優れたフットワーク
誤解を恐れずに言えば、基本的には、動こうとする必要はないのです。
だけど、浅いところにボールが飛んで来たら、はからずも足が1歩前に出た。
これが「フットワーク」です。
むかでちゃんの100本足がからまずスムーズに動くのは、フットワークを意識していないからなのです。
ところが、盲信的に「踏み込むことが正しい」と意識する人は、深いボールであっても、振り遅れても、とにかく踏み込もうとするから、ボールと身体が正面衝突を起こして打ち損じたりする。
「そんなバカな!」とお思いになるかもしれませんが、ボールを無視して、自分の意思で動こうとする動作は、フットワークに限らず、テイクバックであれリストワークであれボディターンであれ、私に言わせれば皆、この「そんなバカな!」に相当すると言わざるを得ません(関連記事「テニスは『受け身』で上手くなる! 」)。
▶ラダーは力をつける道具。でも最後に花咲かせるのは、あなたの選ぶプログラム
ラダーは継続されるとよいと思います。
PCのスペックを向上させる効果はあります。
ただし、どんなにハイスペックにしても、インストールするプログラムを誤れば、望む結果は得られません。
表計算を楽にして、仕事で結果を出したいなら、ワードではなくエクセルをインストールするのです(マイクロソフトオフィスはパッケージになっているから両方インストールできるぞ、というツッコミはなし)。
テニスがお好きで、熱心な御方ともお見受けいたします。
コーチングスタッフとなった暁には、テニスの楽しさ、素晴らしさを、たくさんの人たちにご指導いただければと思います。
繰り返しになりますが、嫌いなことを頑張るから結果が出るのではなく、好きなことを楽しむから結果が出るのです。
「でもテニスが好きだし」というお気持ちを、どうぞ大切に。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero