サロン楽屋話037:「私なんて」は幻想──クロ現と日本テニスに学ぶ「量子力学的ぶち抜く力」
NHK『クローズアップ現代』が描いた「地方×女性×低賃金」のリアル。
そこには「頑張っても無理」という空気が広がっていました。
だが、ロジャー・バニスターが壁を破ったように、日本(世界から見れば地方)も空気次第で変われる。
自己肯定感を奪う社会の仕組みを超えて、私たちはどこまでいけるのか。
▶「受取拒否」する女性たち
昨夜のNHK『クローズアップ現代』は、「地方の低賃金 女性たちの本音」がテーマでした。
全国で、最低賃金が時給1000円を超えたけれど、その最賃で働く 多くが「女性」だと伝えます。
女性の働く能力が低いわけでもないのに、なぜ?
とはいえ経営者からしてみたら、有能な女性に手当てをつけようとしても、女性側が「家の支度もあるし、そんなに働けない」からと言って、いってみれば「受取拒否」する空気を醸し出すのだと言うのです(関連記事「自己肯定感が低いと『受取拒否』が発動する」)。
▶自己肯定感が低くなるのは、自分が悪いからじゃない
番組は「意欲の冷却」と呼んでいました。
働く女性側は、「私はこれくらいでいい」と思う。
すると経営者側も「そんなものか」という目を向ける。
これって、そう、自己肯定感とそっくりな構造です。
「私なんて」という思いがあるから、周囲も「君なんて」という見方になって、ますます「私なんて」の感じ方が強まってしまうのです。
つまり、自己肯定感が低くなるのは、自分が悪いからじゃない。
言わば男尊女卑 みたいな風土がそうさせているのだと思います。
みんな悪い意味で「のうだま」 されているのです(関連記事「『のうだま』のすごみ」)。
「田舎だから」「女性だから」「大学を出ていないから」っていう閉鎖的な条件をもとに、「頑張っても無理」と、脳が騙されている。
番組は訴えます。
▶破れない記録? それ「幻想」かもよ
さて、こちらで取り上げたロジャー・バニスターです。
かつての陸上競技界では「人間が1マイルを4分以内で走るのは絶対に不可能」と思い込まれていました。
37年もの間、破られていなかったそれまでの最速だった「4分10秒3」の記録が、限界だと考えられていたのです。
ところがイギリスのロジャー・バニスターが1954年、1マイルを「3分59秒4」のタイムで走ると、その後わずか1年の間に、「23人もの選手」が次々と、1マイル4分の壁を破ったのです。
「1マイルを4分以内で走るのは絶対に不可能」という否定的な思いが、ストッパーをかけていたのです。
▶データに縛られた「ドリームキラー」
そして日本の(今の)テニス界です。
特に男子でしょうか?
世界を目指すのは「頑張っても無理」みたいな空気が、支配的になっている。
私はかつて、錦織圭が活躍し始めたころ、ある元プロテニスプレーヤーに「トップ10へいけるかどうか?」について、尋ねたことがあります。
すると「身長180センチ以下で トップ10にいけた選手は(近年)いないというデータが明らかだから無理」という回答でした。
確かに、データや統計から見れば、その傾向性は見て取れたのかもしれません。
ここから先は
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero
