テニス上達メモ590:全国レディースを目指すチームに必要なもの
全国レディースの記事から。「許してくれる安心感がある」。そんな環境にいると、人は能力を引き出せないはずがありません。失敗から学べない理由、そして人がまっすぐ伸びるチームの条件とは。
▶許しの力
目を通すだけで、テニスのやる気や集中力が高まる記事でした。
やっぱり、健康なチーム環境が、上へ上へと押し上げるのだと確認できます。
ミスを自他ともに責めない「許しの力」(関連記事「許すと緩む――『緩す』という集中法(繊細さんのための生き方・連載その3)」)。
そうした安全安心な環境で、人は能力を伸ばします。
▶「アドバイス」が能力発揮を阻む
注意していただきたいのは、アドバイス――。
「こうしたほうがいいよ」という助言は、それがたとえ良かれと思った良心からくる、どんなに正しい内容であったとしても、「現状は良くない」否定のニュアンスを孕みます。
その一言――チームの安全安心が綻び始める瞬間。
ミスしたとき、人はすでに傷ついています。
そこへ「ダメだ」と重ねれば、さらに負担は大きくなる。
よく言われる真実ですが、人の行動や信念を変えることなどできません。
だけど安全安心に包まれたとき、人は勝手に変わってゆく。
▶副産物としての「人のため」
私はテニスゼロの活動を、「自分のため」にやっています。
その過程が、テニスの上達を通じて「人のため」になっているのだとしたら、結果は副産物です。
ところが「人のため」と思うと、ややもすれば人を変えようとしてしまいがち。
すると怒りも湧く(いやはや……)。
私は、一方的に教える立場ではありません(関連記事「『指導しない指導』が、最大級の効果を発揮する」)。
ともに楽しむ一員。
だから、教わることも多いのです(関連記事「教える人と、教わる人は、固定されていない」)。
▶内発的動機付けと自己肯定感
人のためと思うと、外発的動機付けみたいになりそう。
自分のために、自分が楽しむ内発的動機付けのためにやっている感じ。
もちろん人のためにやることが、必ず外発的というわけでもないとは思います。
とはいえ自分のために自発的に、自分軸で書くから、そのぶん、本当に書きたいことを書くし、書きたくないことは書かずにすみます(関連記事「テニスのやる気が出ない時、どうしている?」)。
言い方を変えれば私の知る限り、外発的動機付けによって書きたくないことを書いている人も少なくない――これが自己肯定感を削ります。
▶押し付けないチーム
記事は伝えます。
「私も(山口)凪さんと組むことができて良かった。頼もしいし、何をしても許してくれる安心感があります」と(鈴木)南帆さん。
そんな許される安心な環境にいると、能力が、引き出されないはずがありません。
言いたいことは言えるし、できる自由があります。
言いたくないことは、言わなくていいし、やらなくていい。
「言え・やれ」「言うな・やるな」の、指示やお願いはあっても、押し付けがない。
「べき」がない。
そうしていると、人は真っ直ぐ素のまま伸びます(関連記事「『本物の素直』と『偽物の素直』。テニス上達のためにどちらを選ぶ?」)。
▶失敗学が教えること
失敗から学ぶのです。
とはいえ、責める他意はなく、同じ失敗を何度も繰り返すプレーヤーもいます。
なぜ失敗から、私たちは学べないのか?
失敗した原因を挿げ替えるのがひとつ(関連記事「打球タイミングがズレているのに、フォームの問題に挿(す)げ替える」)。
許容と容認は違います。
ミスを責めないけど、笑ってごまかすわけではありません。
それにはちゃんと対処していくのが健康なチームです。
▶ゴールドラッシュの法則
それともうひとつ、自分が失敗したとは認めたくない「プライド」が関わっています。
プライドが高いと、ややもすれば失敗を隠そうとする心理が働きます。
そうすると、失敗から学べません。
「イメージのズレ?」「そんなの自分には関係ない!」と、思い込んでいませんか?
失敗を失敗と認めたとき、成功が残るのが「ゴールドラッシュの法則」です。
砂を「金だ」と言い張っていたら、金は見つからない――(関連記事「なにかを失いながら――平野歩夢の生き方」)。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero