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イップス克服に向けて052:イップスは「症状」にすぎない──あなたの挑戦を取り戻す連載前編

「言わなきゃよかった」「やらなきゃよかった」と後悔するのは、逆をイメージできないだけ。失敗は「ダメだった証拠」ではなく、経験値という価値。かつて迷いやためらいの中にいた大坂なおみも、治った今は「挑戦が一番楽しい」と語る。イップスの反応は咳や鼻水と同じ「症状」。無理に抑えるほど治りにくい。だからこそ、1日1回の小さなチャレンジが運命の分かれ道。生きるとは、挑戦すること。


▶「後悔」する心に寄り添う


「こんなこと言わなきゃよかった」と、言って後悔する人は、言わなかった時の後悔について、イメージできないのです。

言わなきゃよかった。

やらなきゃよかった。

挑戦しなきゃよかった。

後悔するのは、その逆をイメージできていないからです。

▶やった後悔vs.やらない後悔


言ってしまったけど、言わなかったら、もっと後悔していたかもしれないのです。

やってしまったけど、やらなかったら、もっと後悔していたかもしれないのです。

もちろん逆の人生を経験していない以上、実際のところは分からないけれど、後悔はいつも見なかった未来の負け惜しみ(関連記事「絶対に後悔しない方法」)。

だったら、「やった後悔よりやらない後悔」。

心理学の研究では、短期的な後悔は「やった後悔」が多いものの、人生全体を振り返ると「やらない後悔」のほうが圧倒的に多いそうです、よ。

▶失敗しても、ダメなわけじゃない


ポーチに出て失敗したら、「出なきゃよかった」と思う。

ストレートを狙ってサイドアウトしたら、「狙わなきゃよかった」と思う。

ハゲ打ちして(激しく打っての意)バックアウトしたら、「慎重に打てばよかった」と思う。

だけどそれは、出なかった・狙わなかった自分を、イメージできていないのです。

出なかったら確かに、絶対に失敗しないけれど、絶対に成功もしません

これを突き詰めれば、どうなるかというと、「何もしないほうがマシだった」と思う。

すなわち、「生まれてこなければよかった」思いになる。

▶「生まれてこなければよかった」と思うこと


「生まれてこなければよかった」。

そうすれば(成功もしないけど)、失敗もしなかったのに……。

挑戦しない者たちの声が聴こえます。

つらいときは、確かにそう思うのも当然だけど、それはうつ病などの「病気」だからです。

病気なんて言うと、差別だ・偏見だなどと、思うかもしれません。

けれども「病」とつくとおり、風邪と同じで、病気のときには「生まれてこなければよかった」と思う傾向性も、咳・鼻水と同じ「症状」に過ぎません

だったら、休んだり、暖かくするなりしたほうが治るのと同様 、(人間性などではなく)治療すれば治る「病気」。

ですからイップスも、腕が勝手に暴れたり固まったりするのは咳・鼻水と同じ症状にすぎないから、「病気」と位置づけたほうが、早く治ります(関連記事「イップスは『病気』と位置づけたほうが順調に回復する」)。

▶「症状」には手をつけないで


ちなみに病気のときには、その症状に「手をつけない」のが基本ですよ。

咳・鼻水の症状は、ウイルスを外へを追い出そうとする精緻な身体による反応です。

薬で無理やり抑えたら、治るものも治りにくくなる。

過食症だからといって、食べては吐く「症状」を、手錠でもして無理やり押さえ込んだら、その子は気が狂ってしまいます

イップスも同じ。

腕が固まったり暴れたりするのは、「症状」にすぎません。

ギプスなどで押さえつけないこと。

いわんや、「意識」で動かそうとしたり止めようとしたりしないこと(関連記事「イップス治療の『基本中の基本』」)。

原因は、危険不安を感じる「ストレス」にあるのです(関連記事「雲の上の人と打つと、ラリーが不安定になる理由」)。

▶大坂なおみ、運命の分かれ道


かつての大坂なおみは、自身が明かしているように、そう(うつ気味)だったかもしれません。

だけど治った今は「チャレンジが一番楽しい」と言ってるのは、そういうこと(関連記事「必殺技を生み出そう。『“挑戦”こそが一番楽しい』by大坂なおみ」)。

確かにポーチを失敗したら、次に出るのが、ためらわらるかもしれません。

ストレートをミスしたら、しばらく無難にクロスへ返球しておこうと、するかもしれません。

「ハゲ打ち」をしてバックアウトしたら、もう入れにいくショットしか打てないかもしれません。

そこが、運命の分かれ道

身口意はパターン化しますから、失敗してためらったら、どんどんためらう消極的な性格になります。

失敗してもなおポーチに出続けたら、どんどん挑戦する性格になります。

ミスは、確かに衝撃的です。

その1球が、イップスの引き金になったのですからね(関連記事「『もう治らない』と絶望的な気持ちになるのは自然な反応」)。

▶チャレンジするとは、生きること


ということで「1日1回いつもと違うことをするチャレンジ(実験)」は、続いていますか?

チャレンジするとは、生きること 。

失敗したとしても、今は分からないかもしれないけどと、ジュスティーヌ・エナンの言うとおり「経験値という価値」を貯めているのでしたね。

赤ちゃんのとき、よちよちだったかもしれないけれど、そのときは分からなかったけれど、それが歩けるようになるための「確かな経験値」だったのです。

▶日常の小さな失敗も、大切な経験値


たとえ実験などしていなくても、日常では思いがけない「失敗」を、今日も明日も明後日も、するかもしれません。

そんなときも「経験値」と思えるあなたは、「成功しかない人生」を送る(関連記事「『成功しかない』必ず結果が出る方法!」)。

赤ちゃんでも、チャレンジします。

大人ができないはずはありません。

それが「生きる」ということ。

連載後編へ続きます。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)

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