質問225:いざ試合になるとボレーが打てない
試合になると、なぜかボレーが打てなくなる。
練習ではできるのに、本番ではアウトばかりで後衛に負担がかかる──
そこからどう抜けるか。
スキルではなく、明後日の試合で使える「対処」と視点の話。
「決める」だけがボレーじゃない。
質問
こんにちは。
2度目の質問をさせていただきます。
明後日からダブルスの大会があります。
自分がサーブを打つとき、後衛の時はいいのですが、前衛の時がまったく上手くいきません。
練習だとボレーは普通にできるのですが、いざ試合となるとボレーをすることができません。
なんとかボレーをしてもほとんどアウトしてしまいます。
そのためアウトを恐れて後衛に負担をかける始末です。
相方は後衛を苦手としているため、相方のサーブのゲームはホントにぐだぐたになります。
自分がボレーを決められるようにして、今まで弱点だった相方のサーブのゲームを強みにしたいです。
アドバイスお願いします。
回答
▶「前衛=ボレー」という固定観念を捨てる
明後日ということなので、ボレーのスキルを高めるというよりも、もう対処療法的な話をあえてさせていただきますし、そのほうが、お役に立てるのではないかと思います。
まず、ボレーが苦手であれば、ボレーに出なくても構わないと思います。
つまり、パートナーがサービスゲームのときには、ご自身が下がって構える布陣で対応。
「試合の時のボレーがまったく上手くいかない」というのであれば、そのほうが安心して戦えると思います。
▶ボレーに出られなくなる「お任せ体質」
練習だと普通に打てるのは、ボレーボレーやボレストだからだと思います。
その場合ボールは基本的に、自分のところへ飛んで来ます。
ところがいざ試合になると、打つ技術以前に、打つか打てないかの見極めが必要となり、ミスするのを怖れて後衛のパートナーに「お任せ体質」になると、手が出なくなるのです。
▶陣形は「正解」よりも「揺さぶり」で選ぶ
陣型は確かに合理的ではあるけれど、ダブルスだからといって、必ずしも一般的に考えられている位置で構えなければならない決まりはありません。
あるいは、ご自身が下がるのがためらわれるのであれば、(ロビングで抜かれるのを覚悟の上で)ネットにベタ詰めしてしまう。
あるいは、これらをミックスして使うのです。
あるときは下がる、あるときはベタ詰め、またあるときは……といった具合。
これら、ボールを打たないときの揺さぶりが、相手プレーヤーに「思考」させて、迷いを誘える効果が期待できます。
▶練習と試合の間にある「心のリバースモーション」
ただし、以上はボレーのスキルを高める話でも何でもなくて、あくまでも、明後日の試合に向けた緊急対処療法です。
将来的には、ボレーが普通に打てるようにもなるのが望ましいですね。
ではなぜ、練習では普通に打てるのに、試合になるとまったく打てなくなのか?
イメージが真逆になるからです。
これも「心のリバースモーション」のひとつと言えるかもしれません(関連記事「なくなるほど欲しくなる心理」)。
▶相手がいちばん嫌がるのは「返ってくること」
一般に練習では、ボレーボレーでもボレストでも、「続ける」ことが目標になる一方で、試合になると逆に「締める」ことが求められます。
ボレーは決めるものだとするイメージに切り替わるからです。
でも視座を180度ひっくり返せば見えてくるように、相手にしてみれば近距離から返されるだけで脅威です。
ここが、自分のところにボールが返って来るとあらかじめ定められた約束練習とは、違うところです。
▶相手の「思考」を奪う、型破りなポジショニング
ただ繰り返しますが、試合においては今回お話している視点が案外重要で、ボレーが苦手なら、ボレーは打たなくてもいい。
確かに陣形は合理的ではありますが、それも臨機応変です。
ロジャー・フェデラーの「セイバー(SABR=Snake Attack by Roger)」だって、シングルスではあったものの、そのひとつと言えたかもしれません。
リターンは何も、後ろで構えてストロークで打たなければならないわけではありませんでした。
リターンでも、前に出て、ハーフボレー的に打ち返したっていいのです。
https://www.youtube.com/watch?v=GQDqEe1E0KQ
後ろでたたくリターンと混ぜると、相手サーバーに「思考」させることができます。
▶スキル不要!「高いロブ」を味方につけて悠々と前へ出る
相方さんも後ろが苦手なら、速やかに前へ出ていけばよいでしょう。
前に出る機会は、いくらでも作れます。
サーブアンドボレーなどに挑戦しなくても、高~いロビングを上げている間に、サーッと出ていけます。
相手はロブを追いかけている間、こちらの動きは見えません。
相手サーバーがトスアップしている間に、スネークアタックを仕掛けたロジャーの作戦に通じます。
▶常識の裏にある「自分だけのライフゾーン」
一般的には、デッドゾーンで構えることはNGのように語られますが、元ダブルスランキング日本1位のある人に言わせると、そここそプレーしやすい「ライフゾーン」(関連記事「『デッドゾーン』が『ライフゾーン』になる」)。
実際に、そういう側面もあるのです。
もちろん、普段やらないことをいきなりやるのは、難しいかもしれません。
なのでアイデアのひとつとしてご参考にしていただければと思います。
健闘をお祈りいたします。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、受付中。
ご相談・ご意見・お悩みなど、お気軽にどうぞ。
tenniszero.note@gmail.com
テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
いいなと思ったら応援しよう!
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero