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【ドキュメンタリー】『ワシントン アメリカ初代大統領(2話)』〜世界秩序の出発点――アメリカ独立という賭け

視聴環境:U-NEXT

〈内容〉
アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの生涯を、再現ドラマと専門家の解説を交えて描く、全3話完結の歴史ドキュメンタリー。

〈感想〉
まず意外に感じたのは、アメリカ独立戦争が行われていた当時、アメリカ社会が「愛国者」と「反逆者」に分かれ、街中でも家庭内でも激しい議論が交わされていたという点でした。当時のアメリカに住む人々の中には、依然としてイギリスへの帰属意識を持つ者や、アメリカを一つの国家として捉えていない者も一定数存在していたとのことでした。
先日、翻訳家の斎藤真理子氏による韓国文学史の書籍『増補新版 韓国文学の中心にあるもの』を読んでいたこともあり、日本統治下における朝鮮半島の状況と重ね合わせながら観ることができました。

また、アメリカ独立戦争は当初かなり劣勢な状況で進んでおり、総司令官であったワシントン自身も重大な判断ミスを犯したり、政敵から失脚を狙われたりと、独立はきわめて危うい状況の中で成し遂げられたものであったことが分かります。
アメリカが独立に失敗していた可能性も十分にあったと知り、改めて独立戦争の歴史的意義と、その後の世界情勢に与えた影響の大きさを強く感じました。
本作の中では、アメリカ独立戦争を繰り返し「革命」と表現していました。日本ではこの戦争を「革命」と呼ぶ表現にあまり馴染みがなかったため、その言葉の選び方自体が印象に残りました。この独立戦争を「革命」として捉える意識やメンタリティが、その後の南北戦争、奴隷解放運動、さらには女性解放運動へと連なっていったのではないかとも感じます。

アメリカという国家が、現在の世界秩序や資本主義経済のルールを形成し、運用してきた基盤を考えると、アメリカの歴史を十分に理解していなければ、現代の経済や資本主義を正確に捉えることは難しいのではないかと思いました。
アメリカの資本主義は、国内外の緊張関係や度重なる試行錯誤、宗教的背景、さらには地政学的条件など、さまざまな要因の上に成立し、維持されてきたものなのだと、本作を通して強く実感しました。
それまでヨーロッパ社会が抱えてきた宗教と政治の問題、キリスト教を基盤とする平等思想とその矛盾、そしてそれを原動力とした人々の行動や社会システムの再編――そうした複雑な要素を内包しながら、アメリカという国は、人間の持つ可能性を拡張する装置として機能してきたのではないか。そんな印象を抱かせるドキュメンタリーでした。

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