知れない未来が 今の一秒にも 意味を与えていく
先日、スタッフと話をしていて
彼女の義兄の働く商社では、外国との取引の様々な文書を今まで翻訳をしてもらうために外注していたけれど、最近はAIを使うようになっていて、そのAIがなかなか優秀なので、翻訳の仕事がAIにとって代わられていて、近い将来無くなる職業なのかもしれないというような話をしていた
という話題が出た。
私のそのとき思い出したのは
大江健三郎氏の「静かな生活」(講談社文芸文庫)・「個人的な体験」(新潮文庫)という作品。
私は、日本語で読むより先に、英語でこれらの作品を読んでいた。
アメリカ人に薦められて、貸してもらって読んだこれらの作品で、大学時代にほかの作品を日本語で読んだときに感じていた大江健三郎作品の難しさが払しょくされ、それから日本語でも、英語でも何冊か彼の作品を読んでみた。
そして、英語で読んでイメージした小説内の情景と日本語で読んで持ったイメージがほぼ変わらないことに驚いた。
そんな翻訳家の英知が積み上げられて、直接的だけではなく、間接的であってもAIの知能の基になっていくとしたら「そりゃぁ、優秀なAIになる」と思ったのだ。
一方で、いつもAIに人間の仕事をとって代わられるという話を聞く度に思う。
一時的にそうなったとしても、
結局、礎となる英知は人間が作り出すとすると
やはり、翻訳という仕事を目指して、
切磋琢磨する人間がいらなくなることはないのではないかー
と。
同時に、そんな人たちがいなくなったら、データとしての基になる知識や経験もなくなり、今の技術の水準を保ったり、上げたりすることができなくなるのではないかーと。
そして、毎日、子どもたちの学習に付き合いながら出合う大人たちの言葉の数々に不安になる。
ーもうあまり手で書いたりしないから、
(漢字の)書き順は気にしなくても良い。
とか、
ー英文和訳をする必要はない。
ー文法より会話
だとか、
外国語学部や文学部なんかに行っても就職はない
文系学部はいらない
だとか
子どもたちに不用意に言ってしまう言葉ー
ときには、エリート官僚たちが机上で考えた愚策として私たちの目の前に現れる方針ー
何にしても、勉強しておいたことが無駄になることはないし
世の中、経済活動に寄与しているのは
何もそれ自体が目に見えて、すぐにお金を生み出すものばかりではない。
そして、今、役に立っているような技術や考えは
昔、無駄に見えた誰かの努力のおかげで今日の姿、状況になっている。
ノーベル賞受賞者たちが「基礎研究」の大切さを繰り返し訴えられるのも、そういうことだと思う。
だから、
「翻訳」という仕事、AIでことが足りるからと、安易に無くならせてはならない仕事であり、無くならない仕事のように思うけれど
楽観的なのだろうか。
そして、英文和訳や文法・・・もう少し丁寧に高校までに教えてほしいと願うのは・・・
論理の飛躍だろうか・・・。
僕らには ねえどうしても 知ることが出来ないことがある
予想立てて 対策しても 答え合わせはまだもっと先
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