高市がトランプを追い抜く?!
ニューヨークダウは、今月も史上最高値を更新し続け、一時47,000ドル台に乗せる局面もあった。その好調なニューヨークダウを追い越したのが高市ラリーの日経平均株価である。高市新総裁誕生によるご祝儀相場により、10/61日で一時5%以上上昇し、48,000円台の史上最高値を付け、図表の通り、一気にニューヨークダウを※追い抜いた。今後の日米株価の行方を探る。
(※米国株はドル価、日本株は円価で価値は異なるが数字上上回ったことを「追い抜く」と表現。48,000円>47,000ドル)

1.米利下げ観測が押し上げるニューヨークダウ
先月FRBが利下げ再開に動いたことで、今後も雇用環境の減速を背景に継続利下げへの期待感が米国株を押し上げている。更に、ハイテク企業が、AI関連の積極的な設備投資や半導体企業への出資を発表し続けていることを背景に、半導体銘柄主導での株高が続いている。
2.サナエノミクスへの期待が押し上げる日経平均
積極財政を掲げる高市候補が、事前の予想を覆し、自民党総裁選を勝ち抜いたことで、日本経済がこれまでの低迷から抜け出し、持続的成長軌道に乗せられるとの期待感から、今週、日経平均は急騰している。まず物価高対策に取り組むことを表明したことで、実質賃金のマイナス状態からの脱却が意識され、内需主導での景気回復期待が急激に高まっている。
3.円安が押し上げる企業収益
高市ラリーにより、ドル円相場が一気に150円台まで急騰したことで、今期の経常利益の上方修正への期待から、日経平均を更に押し上げている。最近は、4年連続経常収益が拡大したことで、日本の税収は5年連続で過去最高を更新し、毎年の税収上振れ分を国民に還元できる余力が増している。
また、2022年以降のインフレ率上昇により、名目GDPが上昇し始め、失われた30年からの脱却が進んだことで、賃金と物価の好循環への期待が膨らんでいる。
4.高市新総裁が変える経済構造
これまでの金融緩和に過度に依存した経済運営から、責任ある積極財政に移行することで、金融政策への負荷を減らし、現在のインフレと円安の悪循環を断ち切ることが期待される。
ガソリン暫定税率の廃止によるインフレ率抑制に加え、基礎控除の引き上げにより実質所得を増加させ、実質賃金のプラス転換を実現できれば、持続的・安定的経済成長の基礎を作ることができる。
5.株高が変える景況感
日経平均の大幅高が、資産効果を通じて、個人消費を喚起し、実質GDP成長率上昇が期待される。新NISAの活用により、インフレに負けない資産形成が図られる時代に突入しているが、その大半が海外株式投資に振り向けられる、いびつな投資行動が続いている。少子高齢化時代を迎え、国内の成長期待の減少が背景に挙げられるが、高市ラリーにより、日経平均が恒常的にニューヨークダウをアウトパフォームする時代となれば、個人の投資行動にも変化が生じるかもしれない。
その意味で、今回の日経平均がニューヨークダウを追い抜いたことが個人の投資マインドの変化に繋がるきっかけとなることを期待したい。
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2025年10月8日執筆 チーフストラテジスト 林 哲久
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