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高市ショックが巻き起こすエブリシングラリー!

自民党総裁選で、積極財政を掲げる高市候補が事前の予想を覆し、逆転勝利を収めたことで、10/6の為替市場では、ドル円相場が前週末比3円近く円安に振れ、150円台前半まで急上昇している。また、日経平均株価も、前週末比2,000円以上上昇し、一時48,000円台まで急伸し、世界的なエブリシングラリーを後押ししている。現在は、「アベノミクス2.0」としての「サナエノミクス」への期待が高まっているが、実は内容が正反対であることを解説し、金融市場の行方を考察する。


1.史上最高値を更新する金とビットコイン

10/6ドル円相場が急騰すると、金価格は下落するのが通常の動きであるが、金も一緒に上昇し、3,900ドル台と史上最高値を更新して始まっている。また、同様にビットコインも、一時125,000ドルを上抜け、史上最高値を更新した。先週末、ニューヨークダウが米政府機関閉鎖中にもかかわらず、史上最高値を更新して引けたことも影響している。

2.高市ショックに沸く日経平均 / 虚を突かれた市場参加者

日経平均は、10/6前週末比一時2,000円以上上昇し、史上最高値を大幅に更新している。先週は、小泉候補の勝利が確実視される中、個人の信用売り残が過去最高に近い1.5兆円に達していたことの反動で、日経平均先物ショートカバー殺到の展開となっている。
ドル円についても、日本銀行(日銀)の利上げ観測の高まりから、円ロングを積み増す動きが根強かったことから、反動の円売り戻しがドル円相場を押し上げている。

3.財政拡張懸念から上昇を続ける日本の長期金利

高市新総裁が、現在のインフレはコストプッシュインフレが主流となっており、ディマンドプルインフレに移行するまで利上げを見送るべきとの日銀の早期利上げを牽制する発言を行ったことで、為替市場では、円安が進行した。その一方で、債券市場では、高市新総裁が責任ある財政出動を掲げていることで、財政悪化懸念から長期国債市場には売り圧力が増し、17年ぶりに1.67%まで長期金利は上昇している。

4.株高・円安・債券安の時代になるのか?

現在高市ショックで、株高・円安・債券安の動きが顕著となっているが、一定のポジション調整が終了すると円安の動きには、歯止めがかかると予想する。長期金利の上昇は、日米の金利差縮小に繋がることや、高市政権誕生により日本経済の成長期待が高まると、現在、売り越している海外投資家が、日本株を買い越しに転じることで、円買いが優勢となることが考えられる。
また、高市新総裁にとっても、財政出動により、需給ギャップが改善し、人手不足や最低賃金の引き上げが価格転嫁されることで、賃金と物価の好循環の道筋がつけば、行き過ぎた円安を抑制する観点からも、日銀の金融正常化を容認すると思われ、円安の進行は徐々に抑えられるものと予想する。

5.「サナエノミクス」は「アベノミクス」の正反対となる

「アベノミクス」は、金融緩和と円安誘導により、株高を実現したが、安倍元首相在任期間中に2度消費税を引き上げ、財政は緊縮的であった。その結果、景気刺激を過度な金融緩和に依存した結果、現在のインフレ長期化の要因を作ることとなった。これに対し、「サナエノミクス」は、必要な財政出動を行うことで、需給ギャップを改善し、金融正常化を図り易い環境を整備することになる。その結果、インフレと円安進行を抑制することに繋がろう。即ち、「アベノミクス」はデフレ対応、「サナエノミクス」はインフレ対応型経済政策ということになる。財政出動・金融引き締めのポリシーミックスへの転換が、最終形として、株高・円高・債券高のトリプル高をもたらすことが予想される。

(図表 日経平均株価日次推移チャート 右軸:単位 円 出典:Trading View)

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2025年10月6日執筆 チーフストラテジスト 林 哲久 


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