大雪のマンハッタンと、1杯のカップラーメン:NYUミュージカルシアター専攻を勝ち取った完璧なチーム戦の軌跡
Testnationのアーキテクトと共に、見えない壁を壊し、世界最高峰の舞台へと羽ばたいた生徒たちの生の声をお届けするインタビューシリーズ『Voices of the Brave(勇者たちの声)』。
第2回は、世界中の才能がひしめく超激戦区、NYU(ニューヨーク大学)Tisch School of the Artsのミュージカルシアター専攻に見事合格を果たしたJian(ジアン)さんと、その過酷な日々を支え抜いたお母様にお話を伺いました。

世の中の合格体験記は「素晴らしい先生に出会い、成績が上がり、夢が叶いました」というきれいな物語ばかりです。夢を与える面ではそれも正解です。が、現実は違います。
華やかなブロードウェイの舞台を夢見る彼の背後にあったのは、パソコンの前でフリーズする絶望、大雪のニューヨークを歩き回って探したカップラーメン、そして、両親の完璧な役割分担という、泥臭くも生々しいサバイバルの真実でした。
ボーディングスクール・海外進学の個別指導ファームTestnation代表の原田が、青年の激動の日々に迫ります。
漂白された正解を探し、パソコンの前でフリーズした日々
原田(Testnation代表): Jianくん、改めてNYU合格、本当におめでとう。今日はよくある「きれいな合格体験記」にするつもりはないので、リアルな葛藤(生の情報)をそのまま語ってもらえればと思います。Testnationと伴走を始める前、一番もがいていた見えない壁は何だった?
Jianさん: 正直に言います。一番の絶望は、出願エッセイ(Personal Statement)でした。
「自分の17年間の人生を振り返って、一体何を伝えればいいのか」。
その重圧に押し潰されて、パソコンの前に座っても、一行も書き始めることができなかったんです。アメリカでの高校生活が長かったため、日本の奨学金申請用の小論文を書くのも本当に苦痛でした。
SATのスコアメイクも同じです。PSATが1200点台からのスタートだったのですが、「とりあえず練習問題をひたすら解く」という力技しか知らなくて、全く点数が伸びず焦りだけが募っていました。
原田: 多くの受験生が陥るね。エッセイで「アドミッションにウケる見栄えの良い正解」を探そうとして自滅しかけて、SATは「問題の構造(パターン)」を理解せずに量だけをこなす。そこから、どうやって自分の思考のOSを書き換えたんだっけ?
Jianさん: 先生とのセッションで言われた、「とりあえず書いてごらん。構成とかきれいな言葉なんてどうでもいいから、君の『生の本音(Rawな感情)』だけを吐き出して」という言葉です。
そこから、きれいにまとめることを全部捨てました。自分の日常の小さな瞬間やちょっとした違和感をそのままぶつけると、先生がそれを「君のその野生は、こういう戦略的強みにつながっているね」と翻訳(ラベリング)してくれたんです。
フリーズしていた小さな点と点がつながって、強烈なナラティブが組み上がっていく感覚は鳥肌が立ちました。 SATも、単なる暗記や量ではなく問題のパターンを認識する訓練へとシフトしたことで、最終的に1400後半まで叩き出すことができました。

華やかなオーディションの裏側。大雪のマンハッタンとカップラーメン
原田: ミュージカル専攻は、実技オーディションという過酷なリアルサバイバルがある。毎週末、全米を飛び回る日々だったと思うけれど、一番生々しい記憶として残っているのはどの瞬間?
Jianさん: 間違いなく、真冬のニューヨークでのオーディションです。
大雪に見舞われて、マンハッタンのレストランが全部閉まってしまった日がありました。
オーディションの極度のプレッシャーと寒さで、精神的にも肉体的にもボロボロになって「もうダメかもしれない」とホテルでうずくまっていた時、母が雪の中を歩き回って、セブンイレブンを探し出してくれたんです。 そこで買ってきてくれたカップラーメンと温かいお茶。……あの時のカップラーメンの味は一生忘れません。どれだけ救われたか。



お母様: あの時は本当に過酷でしたね(笑)。彼が極限のプレッシャーの中にいるのは痛いほど分かっていたので、私はタスクの管理は一切手放し、ひたすらポジティブな空気を作ることと、彼が帰ってくる精神的な安全基地になることだけに徹しました。

お母様: セブンイレブンのアイスクリームですが、せめてもの親心で、豪華に大きなタブに入ったハーゲンダッツを買ってあげようかと思ったのですが、本人が食べたかったのは、バーのタイプの残り一本になっていたこちらでした笑



お母様:Wonderや、Ragtimeのミュージカルも、受験期ではありましたが、日本の舞台に出演していた頃から、英検の受験や中学受験、オーディションなどの大変な時だからこそ、自分の軸を失わないように、ワクワクする体験、見るべき作品は横に置かずに優先するというポリシーで今回も、ご褒美?前祝い?的な感覚でそれぞれボストンのエマーソン、ニューヨークの大雪の合同オーディション前に観に行っています。時系列的にRagtimeの翌日が、あの大雪でした。
父親はプロジェクトマネージャーに徹する
原田: お母様がそんなアウェーな環境でも、温かい場所づくりに徹した一方で、お父様の存在も絶妙なバランスだったとか。
Jianさん: はい。母が精神的支柱だとしたら、父は完全にプロジェクトマネージャーでした。 「この書類の期限は明日だぞ」「この大学のタスクの進捗はどうなっている?」と、僕のスケジュールと実務的な手続きを管理してくれました。

原田: これこそが、生々しい受験の真実ですね。 もし両親が二人ともタスク管理(現場監督)だったら子供は息詰まって潰れますし、二人ともメンタルケアだけだったら出願手続きがパンクして終わる。
【Testnation's Eye】お父様がPM(実務管理)を担い、お母様がパトロン(心理的安全基地)となり、アカデミックな指導やエッセイの壁打ちはTestnation(外部のアーキテクト)にアウトソースする。この完璧な分業体制(チーム戦)が水面下で機能していたからこそ、Jianくんは目の前のパフォーマンスだけに100%集中できたのでしょうね。

NYUを選んだ、強烈な野心と出口戦略
原田: 最終的にNYUへ進学を決めた理由は?
Jianさん: 最大の理由は、4年間を見据えた可能性の広がりと自分の武器の掛け合わせができる環境だったからです。 NYUのような総合大学であれば、ミュージカルの専門性を極めながら、例えばSTEM(理系)などの全く違う領域のマイナー(副専攻)を取ることもできます。
それに、Early Decision(早期専願)の枠ではなく、Regular Decision(一般入試)という最も狭き門で、ガチンコ勝負でNYUの合格を勝ち取れたこと。これが「自分は世界で通用するんだ」という、何にも代えがたい自信になりました。

原田: 卒業後のビジョン、ドリームボードはどう描いている?
Jianさん: まずは、ブロードウェイの舞台で生き残ること。でも、それだけでは終わりません。 その先で教育学(Education)の修士号を取得し、日本に帰ってシアター教育を広めたいんです。
感情の表現や他者とのコミュニケーションをシアターを通じて学ぶ文化を、日本の次世代の子供たちに還元したいと本気で考えています。

原田: 単なるブロードウェイのプレイヤーで終わるのではなく、日本のシステムを根底から変える教育者(チェンジメーカー)を目指す。これこそが、Testnationが追い求めるThe Gold Standardです。Jianくん、今日は生々しくも最高のストーリーをありがとう!
型破りな天才を祝福する、NYUの「粋」とナラティブ
インタビューの最後に、お母様から非常に示唆に富む、素敵なエピソードをシェアしていただきました。
お母様:今年のNYUの卒業式で、名誉博士号を授与されたJacob Collier(ジェイコブ・コリアー)のスピーチが本当に素晴らしかったんです。
今の混迷する世の中に対して、大統領の息子が在席しているような、まさに権威のど真ん中のイベントであるにもかかわらず、彼は臆することなく『小さな声を届け合い、世界を変えていこう』と語りかけました。その姿に、感動を覚えました
Jacob Collierといえば、現代の音楽界を軽やかに塗り替えている、誰もが認める規格外の天才です。時折見せるチャーミングな奔放さ(お母様曰く「ちょっと調子に乗っている感も含めて、野生味がある」とのこと)も含めて、世界を言葉と音楽でつないでいく圧倒的なパワーを持っています。
ビジネスや政治の論理、あるいは凝り固まった優等生の言葉ではなく、Raw Voiceで世界を動かす。そんなBraveな異端児を排除するのではなく、最高級のリスペクト(名誉博士号)をもって迎え入れるNYUという大学のカルチャー。その圧倒的な「粋」の精神こそが、Jianくんを惹きつけた本当の理由なのだと、お母様のお話から改めて腑に落ちました。
点数だけで人間を測るローカルな基準を飛び越え、この粋でタフな世界へ自ら飛び込んでいったJianくんの未来が、今から楽しみでなりません。
編集後記:塾のパンフレットが隠している3つの真実
Jianさんの「生の声」から見えてくる、海外進学の不都合な真実です。
①「正解」を書こうとする生徒は、真っ先にフリーズする
アドミッションが見たいのは、学生の予想とは異なり、きれいなリスト実績ではありません。泥臭くても生の本音を言語化し、それを世界で戦う戦略に翻訳できるか。そのための「アンラーニング」の痛みを伴走できるアーキテクトが必要です。
②親は「応援団」だけではなく「組織のマネージャー」の役割
家族全員で「頑張れ!」とプレッシャーをかけるのも勇気をもらえるお子様もいるとおもいます。一方で、お父様がタスクを管理し、お母様が雪の中でカップラーメンを探し出す安全基地となる。この役割分担こそが、子供を合格へと導くことがあります。
③合格はゴールではなく、ただの「入場券」である
「NYUに入ること」がゴールになっていれば、この過酷なサバイバルは乗り切れません。「その先で日本の教育を変える」という壮大なドリームボードがあったからこそ、彼は大雪のマンハッタンでも折れなかったのです。

Testnationは、単なる海外大学出願のためのSOPや日本語小論文指導やDigital SAT指導ではなく、子どもたちがこの希望の瞬間を自らの手を伸ばしてつかみとるためのマインドセットを育むことに、全力を注いでいます。
最後に、貴重な時間を割いてインタビューを承諾してくださったご両親に、心より感謝申し上げます。
下記、ご両親からいただいた素敵なメッセージです。
卒業式が近くなり、Commencementという言葉をよく目にし始めました。おそらくラテン語が語源なのではと思いますが、同じ語族のイタリア語で、「始まり」は、Comminciareという単語です。卒業は始まり。新たな扉を逞しく叩いて、こじ開けて自分の人生を切り開いてほしいと思います。
大雪の中で彼を温かく包み込んだお母様の深い愛情と、タスクを管理し抜いたお父様の完璧なプロジェクトマネジメント。実際に、ご家族とは日本に一時帰国の際に、代表の原田がランチをご一緒させていただきました。

この最強のチーム陣形こそが、Jianさんのあのブレない野心と強さのルーツなのだと、確信しています。
パソコンの前でフリーズしていた青年が、自分の本音を武器に変え、世界最高峰の切符を勝ち取ったあの瞬間。Testnationは、そんな「化ける瞬間」を、これからも全力でプロデュースしていきます。
Jianさんの冒険は、まだ始まったばかり。
次の主役は、あなたのお子様かもしれません。
"We are led by our gut instincts, our intuition, our desires and fears, our scars and our dreams."(私たちは、直感や本能、欲望や恐怖、そして傷跡や夢に導かれて生きていくのです。)

