見出し画像

雰囲気一変、トリエステから落ち着いたコペルへ〜スロベニア🇸🇮| 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #21-1

【Day72:  ヴェネツィア→トリエステ→コペル】
イタリア国境の街トリエステに立ち寄り、バスでイタリアを出国。スロベニアの港町コペルへ。

🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓

***********************

##世界史では有名な街

午後になり人でごった返してきたヴェネツィアを後にし、スロベニアとの国境近くの街トリエステまで海岸沿いの列車に乗って移動する。

2週間を共にした快適なイタリア国鉄ともここでお別れ、トリエステからスロベニアに抜ける良い列車がないのでバスで向かうことにした。

海岸沿いを走る列車
アドリア海は海の色が鮮やか

バスの時間までは2時間ほどあるので、どんな街なのか興味津々だった街トリエステを少しぶらつくことにする。

“トリエステ”は世界史の近現代史ではお馴染みの土地で、大戦後にイタリアが返還を求めていた“未回収のイタリア”の1つであるし、冷戦時代は西と東の境目であるいわゆる“鉄のカーテン”がひかれた場所として名前が挙がる街でもあるので気になっていたのだった。

駅前から雰囲気がガラリ
ここはもうイタリアに見えない

列車を降り、港に沿って中心部に歩いて行くと驚くほどにイタリアっぽくない建物が建ち並んでいるのが分かる。

パステルカラーの建物はのちに旅をするオーストリアあたりの雰囲気にそっくりで、イタリアの活気溢れる猥雑さが一切なくて整然とした美しさがあるのだ。

パステルカラーの整然とした建物たち
オーストリア統治が長い影響が色濃く感じられる

官公庁の建物に囲まれた広場の雰囲気もイタリアでは見ない雰囲気で、“未回収のイタリア”としてイタリアに組み込まれたとはいえ、長い歴史を見れば隣国の影響を多分に受けていることが見るからに感じられる。

カナルグランデ

この日もやっぱり昼間はジリジリと暑くて、イタリア旅で癖になったジェラート休憩を取ろうと周りを見渡してみるのだが、イタリアの他の街ではそこかしこに見えるジェラート屋が見当たらない

多くの作家を輩出した街でもあるトリエステ
ジェームズジョイスの像だそう…

やたらとカフェは多いのだがジェラート屋がない。広場の周辺をうろうろしてようやく見つけた1軒で最後のイタリアンジェラートにありつくことができた。

##大幅遅延のバスにうんざり

街歩きに疲れたので少し早めにバスターミナルへ向かい、お隣スロベニアの海辺の街コペルに向かうバスを待つ。

丘の上からの美しい景色が見たくて坂を登ったが、
景色が開けた場所を見つけられず

コペルまでは45分という近さなので今夜はコペルでのんびりしようと楽しみにしていたのだが、時間になってもバスがやってこない。

バスターミナルなので行き先表示もしっかりあって、私以外にも大勢の乗客が待っているので場所に間違いは無さそうだが、時間を過ぎても一向にやってこない。

少しの遅れならバスなので仕方ないか、という気になるけれど待てど暮らせどバスが来なくて、待っている乗客たちと困り顔で顔を見合わせながら座り込んだり周辺をうろうろしたりして待ち続け、目的のバスがしれっとやってきたのは出発予定時刻の2時間後だった。

はぁ、本来ならばすっかり到着して街歩きをしている時間なのに…とやり場のない憤りを感じていると、バスはあっさりと目的地に到着する。

##初めてのスロベニア

今夜の宿に一番近いバス停は大きな通り沿いにあって、日本の地方都市のロードサイドにあるような駐車場だけはやたらと広いスーパーや、ホームセンターのような大型店舗がチラホラと建っている。

なんだか既視感がある雰囲気

同じバス停で降りた同じくバックパックを背負った若いドイツ人女子と、遅れすぎバスの文句を言い合いながら街に向かって歩き、私の今夜の宿が見えてきたのでお別れをした。

彼女からの情報によると明日は雨の予報らしく、「街を歩くなら今夜のうちよ!」とのこと。

疲労困憊ではあるが、荷物を置いたらすぐに外に出かけよう。

##学生寮にお泊まり

この日のお宿は新しそうな安普請のアパートといった作りで、私の部屋は無機質なキッチンとベッド2台、窓辺に向いた机が2台の広々設計。

なんだか不思議な造りだなぁと思って壁の貼り紙などをよく読んでみたらこの建物は学生寮のようで、6月下旬に突入したこれからのバケーションの季節は空室を一般客に貸し出しているようだ。

ベットは狭いが机が大きい!
勉強に特化してますね

なあるほど、確かにそう言われてみたら寮っぽいわ。
簡単なキッチン用具や電子レンジも置いてあるので、今夜はスーパーで何か買ってきて食べるのもいいかもしれない。

明日の朝は雨で何もできない可能性を考慮して、ひとまず一刻も早くこの港町を見て回ろうと街にくりだすことにした。

##平穏な港町リゾート

コペルはアドリア海に面したリゾート地のようで、歩道も車道も広々とした美しい通りを歩いて行くと、たくさんのヨットが係留された港に突き当たる。

街はスーパークリーン!
歩いている人ものんびり上品で安心感が凄い

ゴミがそこかしこに散乱していた南イタリアが嘘のようにスーパークリーンな街並みで、塵ひとつ落ちていないし歩いている人ものんびりリゾートを楽しむ人や、優雅に犬をお散歩させる人など治安に対する不安が微塵も感じられないほどのどかな雰囲気。

すでに21時近くて日が暮れかかっているがこの分だと夜歩くのも何とかなりそうだ。

海沿いを歩いたあとは旧市街のような古い路地に入っていくと、ふわりと柔らかな光を放つ街灯と石畳の雰囲気が素敵で、誰もいない怖さを忘れて歩き進めてしまう。

すると小さな広場に突き当たり広場に面した美しい建物とタワーが目に入ってきた。

小さいけれど美しい広場
ヴェネツィア共和国の影響が感じられる

これは宮殿と大聖堂らしくこじんまりした造りながら美しいその姿は、ヴェネツィアにも似ているようなモンテネグロで訪れたコトルにも似ているような、アドリア海を取り囲む城壁都市との関連性を感じさせる。

この日は明るい月が美しかった
もう少しゆっくり過ごしたかったな

ライトアップされた宮殿にはまだ人が入っているようだったが、さすがに鐘楼には登れないようで、まだ明るい日中であれば海と美しい街が一望できただろうに登れないのが残念だ。

##スロベニア唯一の商業港

静かな路地を抜けるとまたもや海にぶつかるが、今度は大きなタンカーが停泊する商業港が見えて光に照らされたキリンのようなクレーンたちが美しい。

スロベニアが海に面しているのはコペル近辺だけ
大事な海への出入り口なのだろう

すでに空は真っ暗になっているが、港ではコンテナの積み込み作業中のようでキリンがせっせと仕事をしていた。

##部屋夕食の日々が戻ってきた

店舗も全て閉まった夜のコペルはとても小さく感じられ、30分もしないうちにひととおり歩き回れてしまったので、遅くまでやっている大型スーパーに寄って今夜のごはんを調達する。

冷凍食品とともにしっかりとスロベニア産の白ワインを見つけ今夜はおとなしくお部屋でごはん。

毎夜毎夜、食を楽しめていた日々はもう終わってしまったのだなぁとちょっと寂しくなるけれど、スペイン旅の前に戻っただけなのだ。

ポテチをつまみに甘めのリースリングワインを飲んでいるとあっという間に1本空いてしまった。

ディスカウントストアみたいな店には良さそうなワインは置いておらず、安物のリースリング…

🚊次回、雨の中ローカル線を乗り継ぎ首都リュブリャナからクロアチアのザグレブへ。


📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓

いいなと思ったら応援しよう!