ローカル線で国境を越える〜リュブリャナ🇸🇮/ザグレブ🇭🇷| 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #21-2
【Day73: コペル→リュブリャナ→ザグレブ】
朝から雨で冷んやりした1日。隣国クロアチアへ向かうローカル線旅は18きっぷ旅を彷彿させる
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##雨の移動日
コペル泊の朝、外を見ると予報通りしっかり雨が降っていてこの旅で初めてバックパックのカバーを使ってみる。
鉄道駅までは1キロほど距離があるが、歩く以外に手段がないので仕方なく傘を差して大通りを歩いて向かった。
コペルの駅は小さな駅舎の先に野ざらしのホームが4本ほどあるのだが、現在は電化工事か何かの真っ最中のようで駅はほとんど使われていない様子(2018年当時)

時刻表からはよく読み解けなかったのだが、現地に行ってみると私が乗りたい列車は運休中で、途中の駅までバスで代替輸送をしているということが分かった。
なるほど、バスはどこだろうか?と外を見てびっくり!一番奥の4番ホームにバスが停車して乗客を待っているのだ。

何とも大胆な代替輸送!
外からそのまま出入りできてしまう野ざらしのホームなのでバスも普通に入って来れるのだ。
日本では考えられない光景に嬉しくなってひとしきり撮影し、ユーレイルパスを運転手に見せてバスに乗り込んだ。
##既視感のある列車内
バスから列車に乗り換えた頃には雨脚が一層強まっていて外の景色もよく見えないほどになっていたが、これから静かにスロベニアの首都リュブリャナまでの鉄旅を楽しもうとガラガラの車内の4人ボックス席に陣取った。

すると列車の出発直前にドヤドヤと高校生くらいの男子グループが乗りこんで来たかと思ったら今度は同じような年頃の女子グループまで乗り込んできて、車内は一気に大声で喋る若者の声に占拠されてしまう。
うわー、これはキツい、18きっぷ旅でたまに遭遇するやつだ。
休日、お友達と待ち合わせて終点にある県庁所在地の街に繰り出す中高生のグループは、非日常感も相まっていつもの通学路以上にテンション高く大騒ぎする傾向にある。
今まで日本で数々体験してきたローカル線の静寂が一気に破られて喧噪の車内に変わる瞬間を、スロベニアでも見てしまった。
首都リュブリャナまで2時間弱、これは辛い旅路になりそうだ…とイヤホンを取り出した。
若者たちは日本の中高生より遙かにタチが悪くて、音楽を流し始めたり隣の車両にいる他の友達との間をバタバタと行ったり来たりする。
すると今度は私の真横のボックス席に向かい合って座っていた若いカップルが、こちらが恥ずかしくなるほどにイチャイチャとじゃれ合いはじめ、すごい体勢でチュッチュとやっている。
びっくりして二度見してしまったが、周りのことはお構いなしの二人の世界。

大雨で曇ってしまって外の景色が見えない中、なかなかカオスな車内に耐え忍んでいると列車は首都リュブリャナの駅に到着した。
##雨のリュブリャナは美味しい思い出
車内は暖かかったのだが一歩大雨の車外に出るとめちゃくちゃ寒い!
ここ最近はすっかり薄着をしていたが、あまりの寒さに耐えられなくなり春先に着ていたタイツを取り出して、ホームの待合室のような場所でコソッと着替える。

リュブリャナでは少し街歩きする時間を見込んでいたのだが、この雨と寒さでは全く歩ける気がしないので駅を出てすぐ近くにある食堂の1軒に滑り込む。
恰幅の良いマダムがニコニコと差し出したメニューにはピザやパスタ文字も見えるのだが、やっぱりスロベニアっぽいものが食べたい。
「スロベニア料理を食べたいのですが、何かおすすめはありますか?」
私の英語が通じたようでいくつか指差してくれた中から、前菜のスープとメインのビーフグラーシュ、そしてスロベニアのビールを頼んでみる。
ビーフグラーシュにはニョッキを入れるのがおすすめ!と言われたので素直に従い、料理を待っているとすぐに黒ビールと前菜のスープがやってきた。

細かく刻んだ野菜がたっぷり入った白濁したスープは今日の天気にピッタリでガチガチに固まっていた身体がほぐれるような気がする。
スープとパンでようやくホッとひと息ついていると食欲をそそる香りとともに何とも美味しそうなビーフシチューがやってきた。

ニョッキ入りでボリューム満点
スープとシチューってすごい取り合わせだな、と可笑しくなるけれど今日はむしろそのほうが良いくらい寒いので何の問題もない。
このグラーシュが完全に日本人の口に合うビーフシチューという感じで、牛肉も柔らかく、ニョッキの食べ応えもあってめちゃくちゃ美味しい。
冷たい雨が降りしきる中、リュブリャナ唯一の思い出となってしまったが、このグラーシュは忘れられない味の1つになった。

明るく見えるけど大雨
##国境を越えクロアチアへ
リュブリャナを出た列車は2時間半ほどかけてクロアチアの首都ザグレブに向かう。
あれだけ降っていた雨も段々とやんで空が明るくなってきたので、深い森がひたすら続く車窓の景色が楽しめるようになった。

大雨のせいで川はすごい色だけど
スロベニアもクロアチアも自然豊かな国のように見えて、荒野が続きがちなスペインやイタリアの景色とは大違い。
水量豊富な川や黒々とした森といった、日本の山深い路線の車窓とよく似た雰囲気の美しい自然が楽しめる。

高速列車に乗ることが多かった西欧とは違うのんびりした雰囲気で、森の景色も相まって日本で18きっぷ旅をしているような気分になる。
##ザグレブ駆け足散策
ザグレブに到着したのは17時を回っていたが、列車を利用する人は少ないのか首都の駅とは思えないほど閑散としていた。

ザグレブの宿は鉄道駅とバスターミナルの間にある駅近の部屋を取っていたのだが、鍵の受け渡しに指定された場所が宿とは違う方向のビジネス街なので重たい荷物を背負って歩くのにウンザリしてしまう。
1泊ずつ移動するとなると必然的に荷物を背負って歩く時間も多くなり、だんだんこの重さがイヤになってきて捨てることばかり考えるようになってきた。

クロアチアで紫陽花が見られるとは思わず感激

指定された場所は、不動産屋さんのカウンターのような雰囲気で、カウンターに座る女性の1人が事務的に鍵を渡してくれてチェックアウトの方法について説明してくれた。
民泊の鍵管理を不動産屋が受託しているということなのだろうか?初のパターンに驚きつつ、駅近くのボロアパート3Fの部屋に辿り着く。
外観はボロいが中はおしゃれにリフォームされているという民泊によくあるパターンで、こちらのお部屋も古い団地のような外観からは想像もつかないようなポップでスタイリッシュな広々空間が広がっていた。

部屋でゆっくりしたいところだが、ここザグレブでの時間は今夜限り。
明日の早朝6時すぎにバスターミナルを出発するという過酷スケジュールなので、限られた時間でテキパキと事を進める必要がある。
まずはバスターミナルへ向かい、明日のサラエボ行きチケットを購入し乗り場の下見を行う。
早朝出発、しかも乗り遅れたらリカバリー不能になる唯一のバスなので慎重にならざるを得ない。
そしてお次は鉄道駅の窓口で、2日後に乗る夜行列車の寝台予約を行う。
どちらも事前に一生懸命情報を集めて計画したタイトな旅程どおりにチケットを無事に入手できて、ひとまずホッとひと息つくことができた。
##安心感のある穏やかな街
少し気が楽になったところでザグレブの街を探索してみる。
スロベニアの街もそうだったが、ここザグレブも道幅が広くて歩道にはゴミ1つ落ちておらず、首都の中心部にも関わらず人の密度も適度な賑わいで、治安のことなど全く気にならないような穏やかな空気が漂っている。

公園ではフードフェスのようなイベントが開催されていたり、別の広場では最近はじまったばかりのサッカーW杯のパブリックビューイング会場が設置されていたりと、首都らしい賑やかさがそこかしこに見えるのだが、そんな中でも何だか街がスッキリしていて見通しが良いので、悪いことができないような雰囲気を感じるのだ。

この年、クロアチアが準優勝したので大騒ぎだったはず

高い建物が少ないので空が広く高く感じるんだ!
ひときわ目立つザグレブ大聖堂の目の前まで歩き、その周辺の観光エリアをブラブラしたあとは、今夜のごはんを買って帰るべくいくつかのスーパーを覗いてみる。

なんだか不恰好なカモフラージュで残念だ
コンビニのようなワクワクするミニスーパーもあるのだが、いまいち食べたいものが見当たらず、この日は連日の暴飲暴食を反省しサラダとビールで簡単に済ませることにした。
いよいよ明日から強行スケジュールの旅がはじまる。果たして無事に辿り着けるだろうか。

アイランドキッチンのカウンターでお食事
🚊次回、早朝バスでボスニアヘルツェゴビナの首都サラエボへ。10時間超えのバス旅はなかなかのカオスっぷり
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
