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豆腐メンタルの私が競争社会のアカデミアで研究者を目指す理由 (前編)

研究者に求められるものは何だろうか。
「学術的な好奇心」「発想力」「地道に努力する力」など色々思いつくが、個人的に最も重要だと思っているのは「心身の健康」だ。

研究は、うまくいくことばかりではない。
朝から晩まで何日も実験が続く日もあれば、1か月かけて取得したデータがすべて使えないと分かる日もある。論文投稿では、度重なるリジェクトに心が折れそうになる。PI(研究室主宰者)になれば、常に研究費が尽きる不安を抱えながら研究を続けなければならないだろう。

それでも研究を続ける。それが研究者だ。

実際、メンタルを病んでアカデミアの世界から去っていく学生や研究者は沢山いる。
心身が健康でなければ続けられない──それはアカデミアだけでなくビジネスでもそうかもしれないが、競争社会というものだと思う。

適応障害を発症した博士課程時代

私は昔から「優しい」「温和だ」と言われることが多く、人と喧嘩をした記憶はほとんどない。
そんな私が博士課程で、気の強い学生や、教員と折り合いがつかず、辛い状況に置かれることになった。

ストレスを抱えた私は、次第に研究室に行けなくなり、適応障害と診断された。約3年が経った今も、治療を続けながら研究をしている。

アカデミックハラスメントの詳細を書くつもりはない。ただ一つ言えるのは、とても理不尽だったということだ。
その状況に苦しんでいる学生が複数人がいた。私は、それを見過ごすことができず、当本人に真向から抗議し、状況を改善しようとした。

結果、状況はむしろ悪化していった。

ちょうどその頃、ずっと続けてきた研究テーマで、新規性のある面白い発見をしていた。
しかし、心身ともに追い詰められていた私は、その発見を突き詰めることができなかった。無論、人のせいにするつもりは無い。自分の弱さのせいだ。
そのテーマは論文化されることなく、別の原著論文によって卒業要件を満たし、博士課程を修了した。

ハイインパクトな論文を出して卒業することをモチベーションに頑張ってきた私にとって、大きな挫折であった。


つづく


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