拝啓、レコード・コレクターズ❗──あなたはアーティスト特集を復活してください
拝啓、レコード・コレクターズ
ランキングばかりやっていないで
アーティスト特集をやってください
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは知っていますか?
AORもフュージョンの総括もいいけれど
読者が心待ちにしているのは
ひとりの物語を深く掘り下げるあの特集なのです
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは気づいていますか
まだ巻頭を飾っていない七〇年代の声が
こんなにも残っているのです
そしてその声が
いまも鳴り響いているのです
---
Fela Kuti
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは知っていますか
ラゴスの喧騒が
ブルックリンの夜に届いていることを
二〇分を超えるグルーヴが
いまも若者を踊らせていることを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは忘れていませんか
軍隊に潰されても
フェラ・クティが歌い続けたことを
警棒に倒れても
ブラスの叫びで抗ったことを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは気づいていますか
アフロビートは止まらず
サンプリングされ、リミックスされ
いまや"Afrobeats"として
チャートを賑わしていることを
革命はまだ終わっていないのです
グルーヴはまだ続いているのです
なぜあなたは
その物語を誌面に置かないのですか
---
原田真二
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは覚えていますか
十七歳のカーリーヘアな衝撃を
「てぃーんずぶるーす」の何かが始まる予感を
「キャンディ」のクラシックなきらめきを
「シャドー・ボクサー」の甘い切なさを
「タイム・トラベル」のきらびやかさを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは知っていますか
作曲も編曲も演奏も
すべて自分の手で生み出したことを
それがトッド・ラングレンの系譜に連なる
セルフコンテインドの才能だったことを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは気づいていますか
シティポップが世界で再評価される波の裏側で
彼の楽曲が
Spotifyのプレイリストに忍び込み
新しい耳に届いていることを
日本のポップを更新したその瞬間は
まだ正当に語られていないのです
だからこそ、なぜあなたは
彼を巻頭に迎えないのですか
グローバルに先を越される前に
---
Jennifer Warnes
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは知っていますか
声が物語を運ぶということを
彼女ははその証明だったのです
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは覚えていますか
レナード・コーエンの詩に寄り添い
その孤高を透明な声で抱きしめたことを
『Famous Blue Raincoat』で
カバーをアートに変えたことを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは思い出していますか
「愛と青春の旅立ち」で
スクリーンの恋と観客の記憶を
一瞬で永遠にしたことを
AIが歌を真似する時代に
呼吸と震えを含んだ声こそ人間の証なのです
なぜあなたは
その奇跡を誌面に呼ばないのですか
---
Gil Scott-Heron
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは聴こえていますか
「革命はテレビ放送されない」と
70年代に刻まれたあの声を
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは知っていますか
スポークンワードがラップとなり
反レイシズムの叫びが
ヒップホップの礎となったことを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは気づいていますか
格差や差別や薬物の影を
彼が詩に変えたことを
その言葉が
いまもデモのスピーカーで響いていることを
70年代と2020年代は
一本の線で結ばれているのです
だから、なぜあなたは
その線を誌面に描かないのですか
---
Garland Jeffreys
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは知っていますか
ブルックリンの街角で
ロックとソウルとレゲエを混ぜた男を
「Wild in the Streets」と歌った声を
拝啓、レコード・コレクターズ!
あなたは覚えていますか?
人種とアイデンティティを
雑食の音楽に託し時代の先を照らしていたことを
拝啓、レコード・コレクターズ
あなたは気づいていますか
その声がいまダイバーシティの時代に呼び戻され
都市の雑踏に再び響いていることを
その歌はまだ生きているのです
なぜあなたは
その声を誌面にしないのですか
---
拝啓、レコード・コレクターズ
ランキングではなくアーティストを
数字ではなく声を
総括ではなく物語を
誌面の真ん中に迎えてください
70年代の音楽は
いまを照らすために存在しているのです
それを掘り起こせるのは
あなたしかいないのです
なんて既に特集済みならばご免なさいです。
フェラはアルバム多いしね、それにジェニファーがメインじゃ雑誌売れないよな😅
ただねー、毎号毎号ランキングだと少し萎えるんだよな。なんだかんだ、もう36年毎月買ってますんでね。
だからこそ言わせてもらいますけどね。
たまにはオールドファンサービスよろ。
