【ARMY目線】ある音楽アプリが炎上した話【異文化最前線】
たまたま遭遇した炎上案件
BTSのワールドツアー情報を追いかけ、夜な夜なSNSを放浪している私。
最近は海外ARMYも活発化してますし、Xが勝手に自動翻訳して他国アカウントのポストをTLに流してくることもあって、目にするニュースの幅が広がりました。
その中である音楽アプリの炎上事件があり、それを見ながら色々考えていたので、忘れる前にメモってみます。
何が起きたのか
配信サービスと連動してリスニング履歴をまとめてくれる「Last.fm」っていうアプリがあるんですが、これがARMYを侮辱したと大騒ぎになって退会推奨ポストが出回るなどの騒ぎになりました。
※ちなみに私は実際のアプリユーザーじゃないので、基本流れて来たログやポストから理解した内容を書いており、間違っている可能性があります。
もうちょっと詳しく言ってみて
「Last.fm」はリスニング履歴をアルバムジャケットのコラージュみたいにまとめたり、再生回数を記録したりする機能があるそうです。
ARMYは大手配信サービスと連携させ、スミン(ストリーミング)のお供としてカウントを溜めて楽しんだり、これだけ聞きましたっていう証明(認証ショット)に使ったりしてたみたい。
ここは最近親会社から独立したんですが、その勢いでチャート改定を発表しました。
内容は、「リアルタイムチャートの固定化を防ぐため、実リスナー数に基づくチャートに変更する」というものでした。
それ自体はより多くのユーザーの好みを反映させるという試みだったと取れるのですが、その告知の際にアーティスト名を挙げてしまったんですよね。

これは引き続き私たちが優先的に取り組んでいる課題であり、計画に変更はありません。短期的には、リアルタイムチャートを「1時間あたりの再生数」ではなく「リスナー数」に基づく方式へ移行させる予定です。
これにより、BTSやBTSに関連するアーティストが、チャートページやトレンドトラックの常連から外れることになると予想しています。
その後、中長期的な対策として、「不当」と判断される再生行為――他のユーザーに悪影響を及ぼしているもの――に対する緩和戦略を検討していきます。
まずこれが、「Botを削除すればBTSが再生ランキングのトップに居続けるような現象はなくなる」という意味で受け取られました。
そしてその後、BTSが一位ではなくなったランキングをつけて「わかる人にはわかる」と投稿したのも、挑発的だと受け取られました。実際の意図はわかりません。
If you know, you know. pic.twitter.com/3JmWYc6lt4
— Last.fm (@lastfm) June 24, 2026
まあ、大事な推しを揶揄され、せっかく積み重ねて来たスミンをBot扱いされたと思ったら、そりゃARMYは怒りますよね。
しかも差別や権利に敏感な海外の難しいところで、即座に「BTSだけを槍玉に上げるのは人種差別」まで行きました( ;∀;)アチャー
そのため国内外でアカウント解約を呼び掛けるポストが拡散され、ARMYはログを引き継げる別アプリ(Musicat)に民族大移動。
おかげで「Last.fm」はアプリ評価が急落しました。独立したばっかりなのに……しかもARMYは課金ユーザーも多かっただろうに……。

運営側は望んだ綺麗なチャートで出直しが出来て良かったのでは、ということにしておきます。
感想:今回の主題はここから
個人的には、最初は何故「Bot」だと思ったのか、という点を不思議に思いました。
数字とか再生状況を理解した上でそう言ってると判断されますし、ARMYに突撃されてもポストを取り下げたりはしなかったので、少なくともそう思ってる部分はあるんだろうなという印象を受けましたが、何でそういう判断になったのかがよくわからなかったので。
Botみたいな挙動(同じ曲を聴き続けるとか最後まで聴かずに連打するとかプレイリスト入れっぱなしとか)だと調整で削除されちゃうからやるな、っていうのはスミンの鉄則だと思ったのですが、実際Bot回す勢もいるのかなあ。
このアプリは欧米ユーザーが多いので、基本やり取りは英語です。
SNSや掲示板で交わされている会話を見ているうちに、私にはこのやり取りがだんだん「欧米音楽業界のやり方に慣れた人たちと、巨大K-POPファンダム」との戦いに見えてきました。
新しいリスニング体験を持ち込むファンダム
私は、「国際ARMYが多い」「元々K-POPファンじゃない層が多い」というのはこのファンダムの特徴だと思っています。
元々K-POPが好きで理解があってBTSを好きになったというより、BTSを好きになったらK-POPアイドルだったけど何それ?から始まった人が多いんじゃないかってことです。
でもそういう人たちも、ただのリスナーからARMYになっていく過程で、K-POPファンダムとしての教育を受けます。
例えば、「スミン・ミュス」といった応援の仕方を覚えるわけです。
ストリーミングの種類
・スミン=ストリーミング=配信音源再生 / DL
・ミュス=ミュージックビデオストリーミング=MV再生
端的に言うと、再生回数稼ぎです。
回数をちゃんと反映させるためには色々手順があり、奥の深い世界です。
これにより、韓国の音楽業界でやってたローカルなファン行動が、ARMYの規模拡大でMelonチャートからBillboardチャートへ舞台を移して、グローバルスタンダードみたいに広がってしまい、その過程で欧米のチャート界隈やらを驚かせてるのが今じゃないかと思ってます。
チャートや授賞式について調べてると、ARMYがチャート操作したしないとか、欧米音楽業界がルールを変えた差別だとか、どうしてBTSばっかりとか、そういう話がたくさん出てきます。
私はこういう欧米音楽業界の反応を、異物接触によるアレルギー反応みたいなものとして捉えてるみたいなんですよね。他人事かって感じですが。
何事も「初回」が一番揉めます。前例がないから、何か起きて騒がれてから環境側が対応していくわけです。
これは、インパクトを起こしたのがBTSだからそれに対応されてるだけで、別に狙い撃ちされてるわけじゃないと思うんですよね。
私に見えてない状況があるだろうから、言い切ることはできないんですけど。
私も出産する時、会社に「この制度使いたいです」って申し出たら「あなたが初めてなんで今から書類作るからちょっと待って」って言われたことがあるんですが、何事にも初めてがあるものだなと思いました……。
K-POPファンダムとしてのARMY
ARMYは――というか、K-POPは超競争社会・韓国で生まれた文化なんで、ファンダムは推しをトップにするため超頑張ります。よく働くファンダムであることは間違いない。
そして、そのレースの中にはストリーミングが入っています。
K-POP界隈では、ファンが投票やストリーミングをすることでチャート類を動かし、メディア露出や受賞に直結させていくというシステムが確立されており、ファンの支援活動が直接アーティストの活動機会に影響を与えます。
だから曲の聴き方も、「ラジオから流れて来たのを楽しんで、時々DJにリクエストする」みたいな受動的なものじゃなく、ガチです。
目標を持って能動的に聴きますし、「私は今日これだけ聴きましたよ!」って認証ショット出すし、いかに無駄なく再生数を反映させるかの研究に余念がありません。
「音楽を楽しむ」という行動は、ARMYにとっては同時に組織的な応援活動でもあるんです。
ストリーミングはK-POPの基礎教養
最近マーケティングでも注目されている「スーパーファン」はWeverseのトレンドレポートでも分析されてるんですが、スーパーファン化させる指標の中にリスニングパーティー(リスパ)開催が入ってるんですよね。
リスパって言うのは、皆でチャットしながら曲聴こうよ!っていうパーティで、DMと並ぶWeverseの推し機能です。
別の面から見たら、大手配信サービスの課金ユーザー同士が効率よく再生回数とエンゲージメントを上げるっていうシステムです。
リスパは、アーティストかデジタルメンバーシップ会員が主催でき、なおかつ配信サービスの有料モード利用が必要な課金コンテンツです。これが更に拡大すれば、集金じゃなかったファン主導サービスの強化に繋がるでしょう。
私の見方は若干ダーティハートかもしれませんが、このようにストリーミングという行動はK-POPのファン活動では一般的なものであり、ファンプラットフォーム自体にも組み込まれてるほど、「応援文化」の基礎になっていると言えるんじゃないでしょうか。
これをBotとか不正扱いされてしまうと、ファンダムにとっては「大好きなアーティストを1位にしたい」と応援する純粋な努力と時間をバカにされたわけなので、まあそりゃARMYも怒るんですよ。
だから報復評価していいかとかは別問題ですが……。
また起きるんだろうなあ
というわけで、私のようなド素人にしてみれば「Last.fm」の案件は、音楽における異文化衝突最前線での事故にも見えます。
この案件を、ユーザーの新しいリスニングスタイルに関する「Last.fm」の理解不足だと言うことはできます。
ただ、想像の範囲外だったんじゃないかという気もします。私もデータを見たり人の分析を読んだりするのが好きなんですが、よく「数字は嘘をつかないけど人は誤読する」ものだなと自分を戒めます( ;∀;)
こういう事故は、定期的に見かけます。他の音楽アプリにもこの対応に続いたものがあるという話もありましたし、スミンではないのですが『SGMB』発売の時の炎上事件も似ていると感じます。
もちろん副社長の対応は失格なんですが、背景を理解せず記事だけ読んだら、流通業のプロにアイドルファンが販売方法の不足を指摘するという状況自体が、想像の範疇外でした。
予想ですが、副社長側もそういう認識だったんじゃないかと思われます。日本のマスコミもよくわからなかったと思われ、ちゃんと解説されてる記事はARMY発しか見つかりませんでしたw
「BTS」「ARMY」っていう名前が先行で大きくなってしまったので、代表例みたいになってるんですが、そのせいで
「ファンの規模拡大によってK-POP文化が世界へ輸出され、異文化衝突を起こしている」
という面が見落とされやすくなっているのではないか……というのが、ファンダム内部にいる私の感想です。
兵役明けのカムバックに伴い、更に拡大しているBTS勢力圏。今後もこういった衝突は生まれるんじゃないかなと思いながら、SNSポストを毎晩眺めています。
私たちの愛と努力は、どうやってグローバル化していくのでしょうか。世界とファンダム――互いが変化し受け入れ合うより先にARMYがでかくなっていく未来が見えるのですが、幻覚かな( ;∀;)
とりあえずBot回しは非効率だから、スミンはちゃんとプロARMYの意見を参考にしながらやろうね!
おまけ:バンタンのスタンス
昔のインタビューで「ARMYのチャート操作」について訊かれたナムさんの回答はこれです。
ARMYの活動がチャート操作に相当するという批判について、RMは「それは正当な疑問だと思います」と述べています。
「しかし、1位が何を表すべきかについてビルボード内で議論があるのなら、ルールを変更してストリーミングの比重を高めるのは彼らの役目です。CDの売上やダウンロード数で1位になった僕たちやファンを非難するのが正しいのかどうかは、わかりません……。ただ、僕たちがボーイズバンドでK-POPグループで、ファンの忠誠心が高いから、標的にされやすいように思います」
私はゲーマーなので、ルールの中で抜け道を探すのが好きです。
だから、ルール内でやれることをやるのは創意工夫であって、それが嫌なら今回の「Last.fm」みたいに運営側が決めればいいという考え方は受け入れやすいですね。システムに付け入る隙があるなら、それを直すのは運営の責任だし。
後は、それをARMYや他のファンダム・リスナー・業界関係者たちがどう受け入れていくかですね。次のグラミー賞も揉めるだろうなと思っていますw
「Best Asian Pop Music Performance」はARMYの間でも紛糾しましたね!
ラテンに続き、アジアもカテゴリとして認められたとポジに受け取るか、主要ジャンルを欧米に独占させるため隔離したとネガに受け取るかで、かなり評価が変わるところです。
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