【K-POP】ファンダムが事務所に推しの保護を求める理由
【追記:2025/10/16】「事務所の対応は変化したのか」に、立場文が見つからない問題について追記
アミヌナ、事件です
しょっちゅう事件が起きているバンタン(BTS)界隈。
私のTL(X)はわりと平和だと思うのですが、1の事件があれば1万は記事を出す韓国メディアと、「うちのバンタンに何を」と光速で立ち上がるファンダムが並走しているため、何かあると波紋が届いてしまいます。
事件発生のテンプレート
色んな事件を見ていると、大体パターンがわかってきます。
事件発生→即拡散
第一波の反応が発生し、事務所へ「推しを守れ」と抗議
ファンダム内で意見が割れ、第二波の反応が外周へも届く
とりあえず沈静化するが何かあれば即炎上&記事ラッシュへ
概ね、この流れが定番じゃないでしょうか。
後から来て検索してると、この辺の記事やハッシュタグがめっちゃ出てくるので、「戦いの地層」と呼んでいます。
韓国メディアの記事も大体この流れで、「初報→後追い記事→ファンダムの反応→追加燃料投下」みたいな変遷を辿ります。
ファンダムのサイズがでかいのと、K-POPの場合ARMY(ファン)の反応までセットで記事になるせいで、私達をネタにしたものもわりと見ます。
概ね最初に反応するのは話題になったメンバーのファンベースなんですが、そのうちARMY全体に反応が行き渡るので、②か③くらいで私の元にも「何かあったらしい」ことが伝わります。
詳細を伏せてつぶやいてる方も多いんですが、何人もいるからアカウントのお名前とアイコンで誰の話か大体わかるんですよね。
「何でだろう」が止まらない
ここからは、K-POP素人で別の沼の常識をまだ忘れていない自分の意見なので、合わない人は「フッど素人が」と思ってスルーしてください。
OK?
私は兵役新規ですが、既に何度かこういう事件に遭遇しております。
その度に不思議だと思うことがあり、一番大きい疑問はこれでした。
疑問①「何故事務所に保護を要求するのか」
よく見るのが、「会社は何もしない」「アーティストを保護すべき」という論調です。ハッシュタグ総攻も見ますし、たまに「守れないなら独立やむなし」まで行きますね。
これは自分の感覚ですが、日本で何か起きた場合は、会社はそこまで前に出なくて、まず本人による釈明を求める傾向が強くないでしょうか。
でもここでは、「庇護されるべきアーティストがこんなことになっているのは会社の怠慢」という論調があり、本人の声はあまり求められないんですよね。
何故ファンは会社にアーティストを守るために行動(声明発表や法的対応)をしろと迫るのだろうか、何故アーティストに記者会見をしろと迫るのではないのだろうか(そうしろと言っているわけではありません)、というのが、わりと謎でした。
芸能事務所は、所属芸能人にマネジメント以外のどういう責任を持つべきなんでしょう。
ここには謎の文化差がある気配を感じたので、調べてみました。
ヒントは「標準専属契約書」
一番根拠になりそうな「標準専属契約書」を読み返してみたところ、これかな?というのがありました。
第2条(マネジメント権限の付与など)
②事務所はアーティストが自身の才能と実力を最大限発揮できるよう、誠実にマネジメント権限を行使し、マネジメント権限の範囲内で芸能活動に関してアーティストの私生活保障など人格権が内外に侵害されないよう最大限努力する。
第5条(事務所のマネジメント権限および義務など)
④アーティストの芸能活動を第三者が侵害または妨害する場合、事務所はその侵害や妨害を排除するために必要な措置を取らなければならない。
要約すると、芸能活動においては会社がアーティストを守る主体だという話が、国が定めた業界の「標準専属契約書」に書かれており、これが訴えの根拠になっているわけですね。
日本の場合はそういうものがなく、自分で説明することが「誠意」と受け止められるので、世間の矛先も当事者へ向きやすいのだと思われます。
確かに、HYBEも定期的に「法的対応報告」を出してますね。
何故か毎回英文でお知らせを出すので、イルアミには目立たないかもしれませんが。翻訳して~。
(探したい人は「BTS Legal Proceedings」で検索してね)
BTSだけでなくTXT、SEVENTEEN、LE SSERAFIMなどを含む各コミュニティでの法的措置に関するお知らせがまとまってる記事がありましたので、どうぞ!
私たちは、BTSを標的とした悪質な行為(名誉毀損、個人攻撃、セクハラ、虚偽情報の流布、悪意のある批判など)の加害者に対し、定期的に法的措置を講じています。主な活動内容は以下の通りです。
HYBEは2018年からアーティスト別の権益侵害行為に対する告訴の進行状況と、処罰の内容を周期的に公開している。
疑問①の結論
所属アーティストとの契約構造が、韓国と日本とでは違うため、ファン側の認識も異なるようです。
日本の方が訴訟に慎重なので(訴訟沙汰になること自体が不祥事でマイナス、という感覚がある)、ファンの要望内容にも違いが出ているように思われます。
日本:当事者が前に出て対応するのが「誠意」
韓国:会社が前に出て対応するのが「当然」
こういう感覚の違いがあるんじゃないでしょうか。
K-POPの場合、ベースである韓国側の感覚をファンダム全体が学習しており、例えばイルアミ(日本人ファン)でもそっちよりの反応をしているように見えます。
「守る主体=会社、守られる主体=アーティスト」という図式は、ファンダムが時々見せる「私たちがアーティストを守らなくて誰が守るのか」という意識にもつながっているように感じられます。
韓国で本国ARMYが「会社はバンタンを守れ」と抗議トラックを走らせている横で、英語アカウントが「何故彼らを赤ちゃん扱いするのか」と苛立っている、という構図はそういう感覚の違いからも生まれているのだろうか、と思いました。
疑問②「何故沈黙を許さないのか」
もう一つ不思議だったのが、こういう時よく見られる「会社は沈黙している=放置・傍観している」理論です。
普通に考えると、これはイコールにならないと思います。公開されていないところで何をしているかは、私たちには見えないからです。
NewJeansやミンヒジン、悪質YouTuber関連の裁判を含め、過去のプレスリリースを見ていても、個人情報が絡むことは慎重に対応されていますし、裁判前提の場合は特にそうですね。
公式声明がないという事実は、それ以上のことを意味しません。何も言わないから何もしていないと結論付けるのは、スキップしすぎだと思います。
これは韓国メディアも良くないと思います。
記事の最後に「BIGHIT/HYBEは何もコメントしていない」ってつける構文をよく見ますが、それだけで「何か言うべきなのに!」って空気が出ますからね。エサを求めて世論を誘導するんじゃない。
結論として、BTSのSUGA事件の分析は、メディア機関が結論の出ていない情報を増幅することで論争を作り出すという、懸念すべきパターンを明らかにしています。
膨大な量の記事、偽の映像の使用、憶測的な性質の報道が、適切な事実的根拠を欠いた過大なメディアハントを生み出しました。同時に、ディープフェイク技術や、アイドル業界自体のさらに深刻な事例などの重要な問題が、韓国メディアによって無視されました。
この不釣り合いな焦点は、実質的なジャーナリズムよりもクリックベイトを優先するメディアの姿勢を示しており、微妙な問題を報道する際にはより責任ある、バランスの取れたアプローチが必要であることを印象付けています。
また、ファンダム側にも「対応している証拠を見せてほしい」という気持ちがあると思います。
色んな事件のログを追っていると、ファンダム内に「会社がちゃんと説明して、私を納得させてくれたらいいのに」という感情があるのが感じられます。距離感が当事者寄りですね。
推しが色んなことに巻き込まれていると、私たちはモヤモヤします。大好きな人にはいつも幸せでいてもらいたいですものね。
ただ個人的には、そのモヤモヤの解消を会社に求める必要を感じません。
会社にはファンの気持ちの慰撫より先にやることがあると思いますし、業界で揉まれている会社が推しのため発信しない方がいいと判断したなら、それが一番です。逆でも同じことです。
ARMYが知れる情報なら、当然韓国メディアもアクセスできるわけなので、それがどう扱われるかを考えると慎重になります。
韓国メディア(とネチズン)の苛烈さは過去何人もの自殺者を出し、大手ポータルでは芸能記事のコメント欄削除にまで至ったほどなので、それに巻き込まれてほしくありません。
事務所の対応は変化したのか
時々、「HYBEになって変わった」という話も見ます。
確かに比較すると、昔の方がまだ発信が多かったように思います。問題が起きて、ARMYが声を上げて、事務所やバンタンが対応して、みたいな流れのある時期がありました。
HYBEとBIGHITが分かれ、HYBE側に法的対応が一本化されていく中で、よりリスクコントロールが強化されていったように見えます。
HYBEになって、対応が冷たくなったという見方はできるかもしれません。法的に安全な文章に人間味はあまりないですからね。
ただ絶対そうかというとそうでもないのが面白いところ。
韓国の「パリパリ文化」もあってか、日本人から見るとたまに脊髄反射で会社コメント出しちゃう時もあります。やっぱベースは韓国企業なんだなと感じますね。
パッと思いつくのだとグクの「Artists are not guilty」発言の時でしょうか。これすごく対応早くて、事務所もビックリしたんだろうなと思いましたw
JUNG KOOKのSNSのコメントに対して波紋が大きくなったなか、所属事務所はJUNG KOOKが、幼いアーティストを紛争に引き込んではならないという考えで掲載したとし、過度な憶測と論議を一蹴した。
ちなみに、私は裁判沙汰も含め、わりとHYBEの発言を掘ってる方だと思うのですが、会社や事務所が公式見解を出す時のルートはどこが正しいのか、未だにわかりません。
HYBEのサイトを探しても、投資家向けの企業広報(株主向けの告知やプレスリリース)しかなくて、裁判に関する立場文やグクの件の発言とかは、ニュース記事でしか見つからないんですよね。
ChatGPTに訊いたら、こう言ってました。ホントかどうかわかりませんが、これまでの経験とは合致してます。
HYBEを含む多くの韓国事務所は、メディア向けに“報道資料(보도자료)”として 立場文(입장문)を送る方式を採っています。
・内容は報道各社にメールで一斉送信(プレスリリース扱い)
・メディアが「하이브 공식입장(HYBE立場文全文)」として記事に掲載
・公式サイトには残さない
という運用です。
これは、「企業公式発表=IR/事業報告」と「騒動・訴訟に対する立場=報道対応」を完全に分ける韓国企業の慣行です。
疑問②の結論
沈黙を放置と受け止めるのは、誤解だと思います。
しかし、公式声明という燃料を欲しがる韓国メディアの論調誘導、見える形で推しを守って安心させてほしいと願うファンダムの思いなどが合わさって、それを事実化させているように感じられます。
沈黙を悪とする意見の延長線上に、法的対応など具体的な行動を求める声も出ているように思われますが、私は反対です。事態鎮静化のためには水面下で動くべきだと考えるからです。
例えばプライバシー侵害で法的対応をする場合、当事者はアーティストになります。事務所は法定代理人として代わりに裁判を進めることができますが、そこで扱われるのは推しのプライバシーであり、それは裁判資料として公開され、記事になり、延々と拡散されます。
会社には、芸能活動の範囲内でアーティストを守る義務があります。
そして、アーティストが法定代理人に指定しているのは、会社です。
ファンはその関係に含まれていませんから、ただ彼らの関係を信じ報告を待てば良いと思います。信じられなければ、アーティストには次の契約を考え直す自由がありますし、私たちにも離れるという選択肢があります。
会社は定期的に法的進行状況を教えてくれますし、推し自身の意向やプライバシー保護は優先されるべきです。法律や契約書を読んでも、会社は推しの意向を無視してまで行動することはできません。
私たちは、推しが共有したいものを受け取ることができます。それを信じて、待つことが大事だと思います。
検察が必要と判断すれば起訴され、裁判になります。
ただし、被害者が「処罰は望みません」という意思表示をした場合は、公訴できません(刑法第312条)。
要するに、当事者の意思が一番であり、第三者がそれに逆らって処罰を求めることはできないわけです。
私たちの声はどこへ響くのか
「推しを守るため声を上げる」ことは、推しのために活動している実感を与えてくれます。
ただ、SNSにいる以上は、その声がどこへ響いていくのかを考えることも必要です。
SNSで抗議した時生まれるもの
自分の気持ちを満足させるためにSNSで会社を非難する行動は、時に推しへのマイナスを生みます。
このファンダムは巨大なので、皆で抗議のハッシュタグを送るとトレンドに乗り、アーティストと結びつけられてAIニュースが自動作成されます。
知らなかった層に話題が届き、注目された結果、推しへの誤解も生まれます。
怒っているファンダムは、事務所だけでなく関連会社やプロジェクトにも抗議を送ることがあります。
そういった行動はファンダム内部での批判を呼び、外部にはマイナスのイメージを残し、最終的にソースが追えなくなった後低下した印象だけが残ります。
負の言動は負の反応を大量に生み出す、それがSNSの仕組みなのです。
抗議活動が、結果として新しい循環を生んだケースもあると思います。しかし、そういった経緯を、今は世界中がSNSで見つめています。
抗議により相手の反応を引き出したとしても、「BTSは再生数稼いでくれるけどファンダムが怖いから使いにくい」と周辺企業に印象付けてしまったら、それは私たちの勝利であってもバンタンにとってはそうではないのではないでしょうか?
現在、HYBEには法的対応部門があり、各レーベルと連携しながら実際に活動しています。これを活用しましょう。
HYBEやADORなどの芸能事務所の場合、アーティストの法的代理人として刑事手続に関与する契約的・業務的根拠を持っていると判断されます。
そのため、第三者とは異なり、名誉棄損を巡る告発に関しても、当事者に準じる資格を持っていると思われます。
だから、アーティストの代わりに権益侵害の情報を集めて告発することが可能なのです。
公式の通報窓口を活用しましょう
通報窓口の仕組みを見てお知らせを読んだ限りでは、ここから正しく報告するのが一番早く処理されます。
何故かというと、通報内容がデータ処理しやすい構造になっているからです。このフォームから報告すれば自動的にデータベース登録されると思われますので、内容の集計も楽だし、添付された画像も裁判資料として管理・活用しやすいだろうと予想されます。
データ化しやすいということはAIによる振り分け処理もしやすいので、処理が早く効率的に進みますし、別レーベル案件との連携も取れます。いいことづくめです。
このポータルは、ファンが誹謗中傷の投稿や著作権侵害を報告するのを助け、より迅速で体系的な対応を可能にするよう設計されています。
SNSで抗議の声を上げた場合、確かにそれは会社に届くかもしれませんが、それ以上の効果を持ちません。
SNSのポストを全部読むのは非現実的です。意見を伝えたい場合は、伝わる形で伝えましょう。
これは特定の人を指してるわけじゃなくて、ただの例として読んで欲しいのですが(全力の予防線)、会社に意見を伝えたい時、Xでハッシュタグ添えて意見を訴えてるケースを時々見かけますよね。
あれ、「メンバーを大事にしてください」って書いても伝わらないだろうな……って思いながら見てます。だって、「大事にする」が具体的に何を意味してるのかわかってるのは、物語を共有している人だけだから。
「待て」ができる子になりたい
ファンダムの戦場は現在SNSなのですが、ここは即時性が命なので、皆情報に対して前のめりです。
でも世の中には、「待った方が良い」「待つしかない」こともたくさんあります。待つ身は辛いですが、韓国メディアのサイクルにはARMY観察も入ってますからね。
渦中の推しを支えるためにできることが、通報以外にないのかと言われれば、あると思います。
投票(特に授賞式があるやつ)とストリーミングはマイナスになりません。実績として、推しのアーティスト人生を支えます。
K-POP界隈では、ファンが投票やストリーミングをすることでチャート類を動かし、メディア露出や受賞に直結させていくというシステムが確立されており、ファンの支援活動が直接アーティストの活動機会に影響を与えます。
あらゆるファン活動の中でも、上位に置かれる項目だと言えるでしょう。
推しのために何かせずにいられない、その気持ちはファンダムを突き動かす最大の燃料です。
それを燃やしてどこへ走るかは私たち次第ですし、時にはゆっくり走ったり、アイドリングすることが必要な瞬間もあるのではないかと思います。
できれば旅をしながら、美しい景色をたくさん見ましょう。
どんな時でも、推しと推しの音楽は、私たちと一緒にいてくれるでしょう。
そう信じていられる関係性。それが愛ではないでしょうか。
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