わたしが「仕事を頼む人」を選ぶとき、見ているたった3つのこと
独立して18年目。コンサルタントとして、講師として、日々たくさんの人と仕事をしている。
当然、自分ひとりでは回らない案件もあるし、外部の専門家(仲間)に協力を仰ぐことも少なくない。デザイナー、IT専門家、カメラマン、他士業……。
独立してからというもの、「誰に頼むか」を自分で決める場面が圧倒的に増えた。
会社員時代は、以前からお付き合いのある外注先に発注すればよかった。でも独立すると、その「選ぶ」という行為そのものが、自分の仕事の質を左右する。いや、もっと言えば、自分の信用に直結する。

もしクライアントに紹介した外注先がイマイチだったら? わたしは信頼を失うことになるだろう。逆に、「いい人紹介してくれたね」と言われれば、わたし自身の信頼も上がる。
だからこそ、仕事を頼む相手選びには、わたしなりの明確な基準がある。
今回は、スキルや実績といった「当たり前の話」ではなく、わたしが本当に見ているポイントについて書いてみたい。
「レスの速さ」は、能力の一部である
いきなり身も蓋もないことを言うが、連絡が遅い人には仕事を頼まない。
これは「即レスしろ」という意味ではない(即レスはむしろ非効率)。その日のうちか、少なくとも翌朝に何らかのリアクションがあるかどうか。それだけの話だ。
わたしは仕事仲間とのやりとりはメールを使わない(情報が埋もれがち)。効率が悪いからだ。よって、LINEかFacebook messenger経由であることが大半だ。
たとえば、見積もり依頼を送ったとする。翌日までに「確認しました、○日までにお送りします」と一報くれる人と、24時間以上音沙汰なしの人がいたら、前者に頼む。内容が同じでも、だ。
なぜかというと、コンサルの仕事は基本、スピードが命だからである。また、わたし自身も仕事を頼む人を早く決めることで、脳のリソースを節約できる。「誰に頼もう?」といった未決事項を極力抱えておきたくないのだ。

レスの速さは、その人の仕事に対する、もしくはわたし自身に対する優先順位の表れだとわたしは思っている。「忙しくて返信できませんでした」という人は、今後も同じことが起こる。忙しいのはみんな同じだ。忙しい中でどう対応するかに、その人の仕事観が出る。
ちなみに、わたし自身はBIG5診断で「勤勉性28点」を叩き出した人間なので、コツコツ型の努力は苦手である。だからこそ、レスの速さという「瞬発力」でカバーしてきた自覚がある。同じ匂いのする人とは、仕事のテンポが合うのだ。ただし、知らず知らずのうちにメールを埋もれさせて、お相手から催促されて気が付くなんてこともやらかす。メールは、嫌いだ。
「できません」が言える人を信頼する
これは声を大にして言いたい。
「何でもできます」「お任せください」と言う人ほど、実は怖い。
わたしがクライアントの立場で外部の専門家を選ぶとき、最も重視するのは「自分の守備範囲を正直に言えるかどうか」だ。
独立コンサルをやっていると、本当にいろんな相談が飛んでくる。
長きにわたって美容業界の経営コンサルを専門領域としてきたわたしに、「(ヘルスケア製品以外の)新製品の販路開拓についてアドバイスがほしい」と言われたこともある。そういうとき、「それはわたしの専門外なので、適任の方を紹介しますね」と即答する。

これと同じことを、仕事を頼む相手にも求めている。
「この部分は対応できますが、ここは別の方に依頼されたほうがいいと思います」
こう言える人は、自分の能力を客観的に把握している。そして何より、依頼者であるわたし(=その先にいるクライアント)の利益を優先してくれている。「できます」と引き受けて、納品物のクオリティが低かったら、誰も幸せにならない。
診断士の世界では、「仕事を紹介し合う文化」が根づいている。それは、自分の得意・不得意を正直に開示し合えるからこそ成り立つ文化だ。「できません」は、信頼の入口なのである。
「仕事の外側」に人間味があるか
最後はちょっと感覚的な話になる。
わたしは仕事を頼む前に、できる限りその人の「仕事以外の顔」を知りたいと思っている。SNSの投稿、ブログ、あるいは雑談で垣間見える趣味や価値観。
「そんなの仕事の質に関係ないでしょ」と思われるかもしれない。でも、関係あるのだ。
コンサルという仕事は、クライアントである経営者の人生に深く関わる。単にロジックを組み立てて提案書を出すだけではない。経営者の不安に寄り添い、時には背中を押し、時には厳しいことを言う。それは「人間力」の仕事だ。
だから、わたしが一緒に仕事をする人にも、どこかに「人間味」がほしい。仕事が完璧でも、対応がテンプレートのコピペみたいな人とは、長く一緒にやる気になれない。
逆に、納品物に添えて「今回の案件、個人的にもすごく勉強になりました」とか「御社のクライアントさん、素敵な事業ですね」とか、ひとこと自分の言葉が添えられていると、「ああ、この人はちゃんと仕事の向こう側にいる人を見てくれているな」と思う。

わたし自身、noteのプロフィールに「半径10メートル以内にいる人たちに向けて」と書いている。それは、見知らぬ大勢に向けた発信よりも、目の前の人(自分と同じような興味関心を持っている人)を大切にしたいという価値観の表れだ。仕事を頼む相手にも、同じ温度感を求めているのだと思う。
結局「一緒に仕事がしたいか」に尽きる
わたしが仕事を頼む人の選び方は至ってシンプルだ。
レスが速い。正直である。人間味がある。
スキルや実績は前提条件であって、差別化要因ではない。同じレベルのスキルを持つ人が複数いたとき、最終的に選ばれるのは「この人と一緒に仕事がしたい」と思わせてくれる人だ。
そしてこれは、わたし自身が「選ばれる側」でもあるということを意味する。クライアントも、仕事仲間も、同じ目で自分を見ているはずだ。
「選ぶ基準を持つこと」は、同時に「選ばれるために自分を磨くこと」でもある。

偉そうに書いてしまったが、わたしだって完璧にはほど遠い。勤勉性28点だし(しつこい)。
ただ、17年間この業界で生き残ってこられたのは、「この人に頼みたい」と思える人たちに恵まれてきたからだ。そして「あなたに頼みたい」と思ってもらえるよう、わたしなりに走り続けてきたからだと思っている。
仕事を頼む相手選びは、自分の仕事哲学そのものだ。
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