カメラをリモートコントロールするソニーの「LANC」について調べてみた
ライブ配信をする中で欠かせないカメラですが、カメラを遠隔から操作したいニーズは多いと思います。
私は最近ネットワーク経由で操作できるPTZカメラに注目して、さまざまな記事をまとめてきました。離れた場所からでも画角を柔軟に調整できるので、とても便利なカメラだと思います。
PTZカメラについては様々なノウハウが溜まってきたので、気になる方は下記のリンクからご覧ください。

PTZカメラは便利な一方で、ネットワーク環境を作る手間がかかる方法でもあります。LANケーブルを這わせる必要があるので、ケーブルが増えることにもなるはずです。
そこで、より手軽な方法としてビデオカメラに搭載されているリモートコントロールの端子に注目をしてみたいと思います。
この端子を使うと、カメラの近くには限られますが、コントローラーで操作ができるようになります。
具体的には、SONY製の業務用ビデオカメラの多くの機種に搭載されている「LANC」という端子について調べてみました。
リモートコントロールの端子
SONY製のビデオカメラを見ていると、本体に「REMOTE」と書かれた端子があることに気がつきます。
蓋を外すと、丸い2.5mmのピンジャックが現れます。


このピンジャック端子はSONY製の業務用ビデオカメラには幅広く搭載されているようです。
昨年発売された比較的大きな「PXW-Z200」をはじめ、小型の「SONY HXR-NX80」や、シネマカメラの「SONY FX6」にも搭載されているようです。

この端子について、PXW-Z200のマニュアルでは下記のように説明がされています。
汎用のLANC端子アクセサリーを接続する端子です。
LANC端子とは何でしょうか。同じくPXW-Z200のマニュアルには、下記のような説明が書かれていました。
つまり、LANC規格に対応したリモコンを接続することで、ビデオカメラを遠隔操作できる規格のようです。
LANC通信により、フォーカス/アイリス/NDフィルター/ズーム/ホワイトバランス/シャッタースピード/ゲインなどの本機の機能をリモート操作できます。
LANCリモコンを本機のREMOTE端子に接続して使用します。
LANC対応のコントローラー
LANCに対応したコントローラーにはどのようなものがあるのでしょうか。
例えば、三脚のパン棒に装着する製品があります。


これは以前コミュニティメンバーの方に教わったのですが、Libec社の「ZFC-L」というコントローラーです。
ズーム・フォーカス・録画をコンパクトなコントローラーで操作することができます。
パン棒を操作しながら、片手でカメラのズーム操作ができるのは便利ですね。
SONY製の「RM-30BP」は高価ですが更に多くの項目が調整可能です。
ボタンには「IRIS」「ホワイトバランス」「GAIN」「シャッタースピード」など、基本機能の各ボタンが用意されています。

SONY製は10万円ほどしますが、最近は中国(Aliexpress)でより安価な製品も発売されているようです。
おそらくSONY製を解析して、同じような機能が実現されているように見えます。使った事はないので使用感は不明ですが、価格だけで見るとコストパフォーマンスは非常に高い製品ですね。

LANC規格について
LANCはソニーが開発した規格で、長年使われてきた規格のようです。また、他社でも採用されており、Canon製の最新カムコーダーでも搭載が確認できました。
最近はスマートフォンアプリやネットワーク経由で操作できる機種も増えていますが、物理的に繋げれば使える手軽さ・確実さへの信頼感もあり、今も愛用する方は多いようです。
具体的な仕様は非公開らしいのですが、送信される信号を解析して自作している事例も多数見つけることができました。
調べる中で感じたのが、「LANC対応」と言っても対応内容は製品によって大きく異なりそうだな、ということです。
というのも、LANCの仕様が非公開なことに加えて、時期やメーカーによって仕様が異なる部分もあり、統一性が生まれづらい規格だったのかなと想像します。
例えば、最近カメラをPTZコントロールする「N BOT」という製品を試してみました。この製品はLANCを使いカメラを操作するのですが、対応するのは主にズームとアイリスで、ゲインとシャッタースピードは調整ができません。
想像を含みますが、LANCは元々ゲインとシャッタースピードに対応しない仕様だったようです(参考)。その後に対応したようですが、今のSONY製コントローラーでも、ツマミを回すような操作ではなく、ゲインメニューを開いた調整か、設定したLow・Mid・Highを切り替える操作のようです。
ゲインをダイレクトに操作はできないようで、そういった制約が影響している印象を受けました。


家庭用ビデオカメラ・スチルカメラの場合
家庭向けビデオカメラ、スチルカメラなどの機種では、ピンジャック以外の形式でリモート端子が搭載されていることが多いようです。
例えば、手元のスチルカメラの機種では、Micro USB形状の「マルチポート」が搭載されていました。
これはLANCだけでなく、映像・音声の出力やUSB接続機能も担った多機能端子のようです。

一般的なMicro USB端子ではなく、ソニー独自の仕様らしい
Webで検索していると、2.5mmピンジャックとmicro USBの変換ケーブルを使うことで、LANCコントローラーを使用している事例も見かけました。
変換ケーブル自体がなかなか見つからないので少し怪しさは感じつつも、そういったこともトライしてみる余地はあるのかもしれません。
今回LANCについて調べて触ってみて、手軽かつ確実性高く使えるツールという印象を受けました。ただし、同時に古くからあるレガシーな印象も受けており、細かなパラメータ操作には限界があると感じました
最近スマホアプリとの連携が強化されているのは、こういった背景もあるのかもしれません。改めて、そちらにも注目して勉強してみたいと思いました。
また、ソニー製カメラにはリモート操作アプリを開発するためのSDK(開発キット)もあるようです。それこそ生成AIの力を借りたら、これを活用することもできないのかな…なんて夢も抱いています。
引き続き探求していきたいと思います!
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