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自分棚卸が与えてくれた自己肯定感|キャリア開発体験談#3

私自身のキャリア開発体験談を三部構成全8話でお届けします。
本稿は第3話です。第一部はこれにて完結です。
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第3話 よみがえった自己肯定感

1.はじめての棚卸


プロジェクトの初回説明会は8月末にあったが、すでに10月に入っていた。気温は下がりつつも、まだまだ暑く感じる日もあった。
プロジェクト自体は4人のメンバーもいることもあって、上手く課題ごとにメンバーが割り振られていた。プロボノ活動でもあるから、各々の得意な分野あるいは経験を発揮しておられた。
私はといえば、前回第2話で言及したとおり盛大な空回り以降、大人しくドローンを普及させたい団体Nの意見を良い意味で鵜呑みにし手伝っていた。

そのお手伝いとは、ドローン操作マニュアルの作成だった。
団体Nの主な顧客は子供。毎回セミナーを開催するが身振り手振りで教えているので時間がかかりレクチャーが行き渡らない・・という課題があった。そこで、教科書作りが必要だとプロジェクト内で全会一致した。

実はこの作業、私の「隠されていたスキル」を発見する契機になった。
仕事上、環境マネジメントの教育講師を8年以上やっていて、初心者に教えるというテキスト作りと経験は当たり前に身についていた。
加えて、私は一般財団法人全国発明協会の青少年育成事業の一つである「少年少女発明クラブ」の講師を10年以上やっていた。子供に工作を教えることは、日常生活の一部にもなっていた。

私の専門的能力である!と全く認識していなかったが、プロジェクト内でドローン操作マニュアルを作ろうかという話になったとき「そういえばこういうの得意だったよな」と、ごく自然体で取り掛かれた

これが、キャリア開発における自己棚卸の一歩である。
今まで気づいていなかった自分のスキルが役に立つという瞬間は、他人より自分自身のほうが驚いたりする。そして、一度この経験を味わうと、次から次へと隠されたスキルを自分で暴いていくことができる。
他のメンバーにやっていただいたが、ドローンのカメラ固定用パーツを作るという作業もプロジェクト内で発生した。模型作りが長年の趣味でもあったので、簡単なプラ板工作や電気工作は当たり前にできるというスキルも発見できた。

自分自身を振り返るという作業に取り掛かろうとした時、何をまずは考えますか?
出自、学歴、経歴、趣味。おそらくそういった客観的事実になってしまう。しかし、「自分にとっては当たり前にできること」こそがあなた自身の強みであり個性でもあると思う。そういった意味で、このプロジェクトを通じて「自分は何ができるか」を振り返る・・・いや、自分を知るきっかけがあったことは、これ以上にない出会いだった。

2.資産家になろう


自分棚卸が進んでくるだけでも自分に自信が持てたのだが、さらにそれらを目に見えて理解するための整理する。
キャリアバランスシートの登場である。

本稿は体験談として書いているため、説明が不正確な場合もあります。
ご了承願います。

キャリアバランスシートとは、自分自身が持っている資本と資産に分類した表である。

自己資本・・・自分に備わっているもの。
       時間、労力、ポリシーなど
他人資本・・・お金を伴う他人とのかかわりの場。
       会社、スクール、協賛者など
固定資産・・・自分がもっている財産。
       スキル、資格、仲間、コミュニティ(SNS)など
流動資産・・・得られる財産。
       給与、名声など

参考 筆者のキャリアバランスシート概略

会計で使われる賃借対照表とほぼ同じなのだが、それよりは定性的に考えて良い。そして、人それぞれ結果は異なる。
私の場合は思った以上に固定資産が多かった。しかし、流動資産がスカスカであったことから、自分の持っているスキル・能力が収益(流動資産)につながっていないことが分かった。

お金の話になって恐縮だが、お金があることで人生の選択肢が広がることは言うまでもない。
しかし避けたいのは、お金稼ぎを人生の目的にしないこと。
自分のやりたいこと、ありたい姿を実現するにあたって、それに必要なお金を稼ぐことを目的にすべきだと思っている。私が考える資産家とは、現金をたくさん持っている人ではなく、その人自身の価値をたくさん持った人である。キャリアバランスシートを眺めながら自分のなかで哲学的な言葉が浮かんできた。

だから、おぼろげではあるけど「社会的価値の高い資産家」になることをイメージするようになった。そう、会社の中で出世することがキャリア構築だと信じていた、私ですら。

3.自分を解き放て!


キャリアバランスシートにて、流動資産がスカスカとあったがどうやってそれを増やしていくのか?
趣味が収益につながっていないと把握はできているので、じゃあ自分の趣味をYouTubeで動画にしよう!というと、そんな単純なものではない。

例えばカメラが趣味の方が、写真を有料販売したとする。
地元の景色を撮るのが好きで、全国的に有名な湖の写真や実家周辺の懐かしい街中の景色などを売りに出した。
そんな中、有名な湖の写真が売れた時の次の行動が分岐点になる。

映える湖の写真ばかりを撮ったり、他県の有名な湖を撮ったりして売り上げを伸ばしたとする。ビジネスとしては大正解だが、初心を忘れ金稼ぎが目的になってないか?そう、お金を稼ぐことに向かうと流動資産は増えても、固定資産は実は増えない。

例え話なので机上の空論になるが、売れた湖の写真の価値を向上させてみるのも手だと思う。
売れた湖の写真を、地元の観光パンフレットへ採用することを打診してみたり、地元の名産物と湖をコラボさせた写真を撮ったりする。
大好きな地元の良さをより多くの人に写真で伝えたい・・・そういった目的に立った活動を行う。

そうして社会的価値を高めることで、流動資産を増やすことができるのだと感じた。

ここまで長々と持論を展開したが、自分棚卸からキャリアバランスシートの作成まではキャリアコンサルタントによるフォローを介して2~3か月の期間を要した。その間、本稿で述べた考えが自分の中で誕生した。

たぶん、世の中で売られている大ヒットのキャリア本にも似たようなことが書かれていると思う。
しかし、本を読むことによるインプットと、実際の体験を通して得られるインプットでは深度はずいぶん変わってくる

結論として、自分棚卸とキャリアバランスシートは私にとって人生のターニングポイントになったのは間違いなかった
体験を通して実践できたことは、本当に良かったというしかない。

そして更にここから半年後、会社内で大きなプロジェクトを始動させることになるがそれは最終話にて。(第8話にて予定)

キャリア開発の導入部分はこれにておしまいです。
次回からいよいよキャリアモデル作成のお話に入ります。

第4話へ続く


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