AIと教育㉝_AIが引き起こす「意図せぬ戦争」の恐怖〜宣戦布告なき時代と生成AIの軍事利用〜
AIが自らの判断で戦争を始める日。それは本当にSF映画の中だけの話なのでしょうか? こんにちは、トビラAIです。先日から教師のスキルセットの話をしていましたが、どうしても皆様にお伝えしたいテーマ(AIと戦争)が浮上したため、今日はその話をいたします。
前回の記事は以下をご覧ください。
よろしくお願いいたします。
【宣戦布告の終焉】現代の戦争はどう始まるのか?国際法と武力紛争の現実
アメリカのトランプ大統領は2026年に入ってすぐ、ベネズエラを強襲し同国大統領を逮捕、今月にはイランを急襲して最高指導者を殺害しました。ロシアのウクライナ侵攻のときも思ったんですが、「宣戦布告」ってなくなったのでしょうか?
調べると、第二次世界大戦後、国連憲章は第2条4項において、「戦争」という言葉を用いず「武力による威嚇又は武力の行使」そのものを原則として禁止しています。そのため、国連憲章の体制下において、合法的に武力を行使できるのは以下の2つの例外のみとなりました。
自衛権の行使(第51条:個別的または集団的自衛権)
国連安全保障理事会の決議に基づく集団安全保障措置(第7章)
国家が他国に「宣戦布告」を行うことは、「自らが国連憲章に違反して侵略戦争を開始する」と世界に向けて自白するに等しい行為となってしまいました。宣戦布告がなくなったことで、新たな問題が生じました。それは、「宣戦布告がないから戦争状態ではない。したがって、戦時国際法(捕虜の扱いや民間人の保護など)は適用されない」と強弁する国が現れる懸念です。
これを防ぐため、国際法学者や実務家は法制度をアップデートしました。1949年のジュネーヴ諸条約(共通第2条)などでは、宣戦布告の有無や、当事国が戦争状態を認めているかどうかにかかわらず、事実上の武力の衝突があれば「武力紛争(Armed Conflict)」として国際人道法を適用することが定められました。
なぜ、今「宣戦布告」の話をしているのか、というと、「宣戦を布告する」というのは戦争を行う上での正当な手続きだと思うからです。かつての日清戦争も日露戦争も、真珠湾攻撃の時も宣戦布告をいつするか、というのは重大な問題でした。当時の国家の中枢にある人間が必死の判断をして、奇襲攻撃になることを避けたわけです。
戦争というのは悪いもの、という認識で間違っていないと思いますが、このように権力者の気分のような形で先制攻撃が起こってしまうと、一体正義はどこにあるのか悩まざるを得ません。
私がここで危惧しているのは、生成AIの判断ミス(ハルシネーション)によって予期せぬ武力衝突や戦争が引き起こされるリスクです。現在のイラン情勢やトランプ政権下における、OpenAIやアンスロピックといったAIテクノロジー企業の軍事利用に関する動向をまとめました。詳細は以下のYouTubeも参考になさってください。
生成AI「Claude」を巡るアンスロピック社とトランプ政権の衝突
米国防総省の機密システムで利用されていたアンスロピック(Anthropic)社の生成AI「クロード(Claude)」が、情報の分析や標的の特定、戦闘シミュレーションなどに活用され、米軍によるイランやベネズエラへの攻撃で使用されていたことが報じられました。
アンスロピックは自社の倫理規定に基づき、「完全自律型兵器」や「大規模な国内監視」へのAI利用を禁止するレッドライン(越えてはならない一線)を設けており、国防総省からのAI軍事利用拡大の要求を拒否しました。
これに対しトランプ政権(ヘグセス国防長官ら)は激怒し、同社を「ウォークAI(左翼狂信者)」と批判しました。さらに、連邦政府機関での同社技術の使用を禁じ、国家安全保障上の「サプライチェーンリスク」に指定することで、計算資源(データセンターなど)から同社を締め出す強硬な措置をとりました。
ChatGPTの軍事利用へ?OpenAIの国防契約合意と加速する世論の反発
アンスロピックが政府と対立する中、競合のOpenAIが国防総省との契約に合意しました。しかし、この動きに対してユーザーから強い反発が起き、ChatGPTのアンインストール率が通常の200%増と急増する一方、アンスロピックのClaudeがApp Storeのランキング首位に浮上する事態となりました。批判を受け、OpenAIのサム・アルトマンCEOはこの契約への動きが「便乗的で杜撰(ずさん)に見えた」とミスを認め、米国民の国内監視を明確に禁止する文言を契約に追加するなどの修正を余儀なくされました。
加速する「AI戦争」と防衛ビジネスへ傾倒するテクノロジー業界の変容
ウクライナ戦争での自律型ドローンの活躍や、パランティア(Palantir)社が提供する「メイブン(Maven)」システムなど、陸海空・宇宙などの全領域から得られるデータを統合分析して迅速かつ致死的な意思決定を下す「AI軍事利用」はすでに現実のものとなっています。
かつてはビッグテックの従業員間で軍事利用への強い反発がありましたが、現在では莫大な防衛予算の獲得を目指し、業界全体が軍事ビジネスに積極的になっています。また、ウクライナ侵攻などを経て、投資家の間でも防衛を「ESG(社会的責任)」や「レジリエンス」とみなす見方に変化しています。
AIの判断ミス(ハルシネーション)の危険性から、兵器利用には常に「人間の関与(ヒューマン・イン・ザ・ループ)」が必要とされていますが、専門家はアンスロピックという「最も安全を意識するアクター」が国防総省から排除されたことに強い懸念を示しています。米中覇権争いなどを背景に、国際協調によるAI規制は困難になっており、なし崩し的なAI軍拡競争が進んでいます。
AIのハルシネーションが引き起こす「意図せぬ戦争と核兵器」の恐怖
前回の記事でAIの民主化が進んでいることに触れた一方、全員がAIエンジニアになることで、AIの倫理・透明性を改めて確認すべきだ、と強調しました。トランプ大統領とそのマシーンたちは率直に言って無茶苦茶ですから、「自律型致死兵器システム(LAWS)」はどんどん量産されていくでしょう。「そんなものはない」と言っても、もはや信じられません。
人間の意志に関わりなく、AIが自動的に判断して人を殺傷する。その場合、その責任は誰にあるのでしょうか。まさかAIが勝手に飛んでいったので人間には責任がない、とでも言うつもりでしょうか。アンスロピックは自社の倫理規定を設けてトランプと対立していましたが、そのことが、OpenAIがすでに契約していたことを明るみに出してしまいました。その結果、ChatGPTのアンインストール率が通常の200%増と急増する一方で、AI業界全体は莫大な防衛予算の獲得を目指し、軍事ビジネスに積極的になっています。より一層我々の見えない何処かでAI軍拡が進んでいくのは間違いありません。
もう近い将来来るでしょうね。どこかの都市で核兵器が使用された。理由はハルシネーションだった…。
という時代が。
死屍累々の街を見て、AIのせいにする愚かさを人間は想像しないといけません。
AIは核兵器と同じくらい人間にダメージをもたらす可能性がある、ということを我々は忘れてはならない。
戦争を始めるにしても、「宣戦布告」とちゃんと人間が手続きしている時代のほうが、より健全に見えてしまうのは私だけでしょうか?家族を失った遺族は一体誰を恨めばいいのです?
戦争は悪です。それは絶対悪です。ですが、起こってしまう以上、人間が責任を持って行うべきです。今は兵器だけで済んでいますが、近い将来AIが発動する戦争が起きるでしょう。それを強調して本稿は終わります。
ありがとうございました。 AIと戦争という重いテーマではありますが、私たちが生きる未来において避けては通れない問題です。 本記事を気に入ってくださったら、ぜひ「スキ」をお願いいたします。また、皆様はこの「AIの軍事利用」についてどうお考えでしょうか?ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください。 そして、この重要な議論を多くの方と共有するため、X(旧Twitter)やFacebookなどSNSでの「シェア」をしていただけますと幸いです。 フォローもしていただけると、月並みな表現で恐縮ですが大変励みになります。よろしくお願い申し上げます。
感謝一入(ひとしお)
Warm Regards,
トビラAI(He/Him)拝
参考文献
日本経済新聞「対イラン精密爆撃にAI、米政権と確執のアンソロピック製 米軍が実戦投入」2026年3月5日記事
BBC"Chris VallanceandLaura Cress,technology reporters"2026年3月3日記事
TBS CROSS DIG with Bloomberg【トランプ大統領とアンソロピックの衝突は“必然”】アメリカ軍がイラン攻撃にClaude使用か/「AIの戦争使用“なし崩し”で始まった」塩野誠/OpenAIが米国防総省との契約発表【1on1 Tech】2026年3月4日YouTube
トビラAIプロフィール
※ 本記事は画像生成ならびに文章の推敲にAIを使用しています。
