調整機能としてのヒエラルキー
ヒエラルキーは嫌わている
ヒエラルキーにはよい点も多々存在し、人間はヒエラルキーを使わずに物事を認識したり、処理したりできない。しかし、ヒエラルキーには問題も付きまとっている。
まず第一に、ヒエラルキーは嫌われている。民主主義教育の浸透した先進工業国では、皆が「民主主義」的な秩序と手続きに慣れ親しみ、上位者が下位者に命令するという軍隊的なイメージのあるヒエラルキー組織は好まれない。その反対に、上下関係と規則が少ない組織が好まれる。現代という時代は、組織の基本モデルを否定する価値観が蔓延しているのである。
自分が忌み嫌ってるタイプの秩序の下でやる気をみなぎらせることができる人間は滅多にいないであろう。だから、本当はヒエラルキーの特徴そのものに問題があるわけではなくても、ヒエラルキーを皆が嫌っているが故に、皆のモチベーションが低下し、ヒエラルキーのパフォーマンスが悪くなる可能性があるのである。
特にスタートアップの場合、フラットな組織運営を目指す社長も多くいらっしゃいます。
官僚的な大企業からスピンアウトし、自主独立を目指して起業した社長であれば、尚の事、皆が平等に意見を言い合えて、上下関係のないフラットな組織こそ、成果が最大化できると考え、組織を作る傾向にあります。
しかしながら、現実問題として、20人を超えて組織が拡大してくるとフラットな組織は機能しなくなっていく会社を目にします。
最近『米大学で意外な研究結果「スタートアップが失敗する原因は、組織にヒエラルキーがないことだ」』という記事が、WEB上に掲載されていたため、これについて今回考えてみましょう。
そもそもヒエラルキーはなぜ必要なのか?
事前に予想された通りに実際の状況が推移すれば、事前に決められた標準化によって完全な調整を行うことも可能かもしれない。しかし、実際には不確実な事態が発生する。つまり、事前に予想して、対処法を決めておいたのではない例外事態が発生するのである。このような場合の事後的対処法・調整法として最も基本的なものは、ヒエラルキーである。例外事態を上司に報告して、上司が問題を形跡し、対処法を考える、という方法である。
組織とは、「分業と調整」の仕組みです。
組織のことを考える方は、是非「組織デザイン」一読下さい。
分業で対処しきれないイレギュラーな事態に対応するための調整機能としてヒエラルキー、すなわち上司が存在しています。
リンク先の記事にある内容
「フラットな組織構造においては、初期段階では試行錯誤が可能になり、創造性を育むことができます。一方、従業員間の調整がうまくできず、従業員の対立や離職が起こり、最終的に商業的な失敗に至る可能性もあります」
これについては、従業員数が増えるにつれ、調整機能がなければ、物事が上手く進まないことは、当たり前のことでしょう。
原理原則としての分業と調整
人数が少ない企業であれば、社長、社員、との区分なく分業で仕事を進めることができるでしょう。
しかし、人数が増えて来ると調整機能が必要不可欠になります。
「スタートアップが商業的に成功するには、従業員の自由な創造をある程度制限し、アイデアの探求範囲を有限にする必要があります。また、従業員のやる気を削いだり、対立を引き起こしたりせずに、外交的にアイデアを選んでいく必要があります。とはいえ、自分のアイデアに感情的に執着しがちな従業員もいるでしょうし、言うは易く行うは難しです」
組織デザインについては、原理原則を踏襲し、都度、トレードオフの関係性にある複数の要素について調整をしながら進めて行くことが肝要です。
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