「雛鳥のワルツ」2巻ネタバレ感想♡優しさが重なりすぎて、どこにも逃げ場がなかった
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※このnoteは『雛鳥のワルツ』2巻のネタバレを含みます。
読み終えたあと、胸の奥に残ったのは「苦しさ」だった
2巻を読み終えたあと、しばらくページを閉じられませんでした。
胸の奥がずっと苦しくて、「誰が悪い」とも言えなくて、でも確実に、何かが絡まっていく感覚だけが残っていました。
1巻の時点では、まだ「始まり」の空気がありました。怖さも不安もあったけれど、どこかに余白があった。
でも2巻は違います。優しさが重なりすぎて、その全部が、ひな子を追い詰めていく。
「待つ」という優しさが、こんなにも重くなるなんて
まず、和久井の「待つ」という選択。
ひな子が告白に対して「よくわからない」と正直に言ったとき、和久井はそれを否定しませんでした。
今すぐ答えを出さなくていい。
ちゃんと分かるまで待つ。
一見、とても優しい言葉です。
でも読んでいる私は、その優しさが少しだけ怖くなりました。
それは、ひな子を縛る言葉ではない。
むしろ、和久井自身が逃げないと決めた言葉だからです。
だからこそ重い。
そして、真剣。
雨の中で語られた椎名の過去が、胸に引っかかる
そこから描かれる椎名との時間は、さらにややこしくて、さらに苦しい。
雨の帰り道。
壊れる傘。
ずぶ濡れのふたり。
その中で語られる、「女の子に怪我をさせた」という過去。
椎名は、女の子が嫌いなわけじゃない。
近づくのが、怖いだけ。
誰かを傷つけてしまったかもしれない、その記憶をずっと抱えたまま、距離を取ることでしか優しくなれなかった人。
そんな話を聞いてしまったら、ひな子が心を揺らさないわけがない。
守ろうとして、かえって苦しくなる優しさ
翌日、椎名が倒れる場面は、読んでいて正直、つらかった。
体調が悪いのに言わない。
早退もしない。
理由は、ひな子が「自分のせいだ」と思うから。
この言葉を聞いたとき、優しさって、こんなに人を苦しくするんだ、と感じました。
守ろうとしているのに、結果的に、相手の心を重くしてしまう。
和久井の正直さが、きれいじゃない形で溢れる
そこに割り込んでくる和久井の存在も、決して綺麗ではありません。
追いかけて、椎名を抱え上げて、でも感情が溢れて、「ひな子に近づくな」と言ってしまう。
正論じゃない。
大人でもない。
でも、好きな人を失いそうな高校生の、正直な反応でした。
「椎名、女いるぞ」と言ってしまった瞬間
そして極めつけが、「椎名、女いるぞ」という言葉。
これは明確に、ずるい。
和久井自身も、それを分かっています。
だからあとで、自分に向かって「やな奴だな、俺」と言う。
ここが、私は一番苦しかった。
「彼女だから、私」という一言の破壊力
そして秦の存在。
玄関に立っていたときの、あの空気。
「彼女だから、私」
たった一言なのに、ひな子の立ち位置が、一瞬でなくなる感じがしました。
それでも椎名とスイーツに行ってしまうひな子の気持ちも、私は責められませんでした。
優しさと罪悪感が、同時に来る恋のしんどさ
嬉しい。
でも罪悪感がある。
でも嬉しい。
この矛盾を抱えたまま進む感じが、あまりにもリアルで、読んでいて胸が痛い。
「邪魔をするな」で終わる残酷さ
最後に突きつけられる、「邪魔をするな」という言葉。
ここで2巻が終わるのは、本当に容赦がない。
誰も救われていない。
誰も間違いを正せていない。
2巻は「恋がしんどくなる」巻だった
2巻は、恋が始まる巻じゃありません。
恋が「しんどくなる」巻です。
誰も悪者じゃないからこそ、誰の選択も簡単に否定できない。
この時点で、私はもう分かっていました。
この物語は、最後まで読むしかないやつだ、と。
次は3巻。ここから、たぶん、もっと壊れていきます。
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