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「雛鳥のワルツ」3巻ネタバレ感想♡「何も言えない」という状態が、いちばん人を追い詰める

このブログは、漫画の「感想」だけでなく、
読んだ人の心がどこにあるのかを大切にしたい場所です。
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※このnoteは『雛鳥のワルツ』3巻のネタバレを含みます。


「最初から居場所がなかった」と気づいてしまう瞬間

3巻を読み始めてすぐ、胸の奥に重たいものが落ちてきました。
それはショックや怒りというより、「ああ、もう無理だ」と思ってしまう感覚に近かったです。

ひな子は、椎名と秦の間に自分が入る余地など、最初からなかったのだと気づいてしまいます。
この気づきが、とても残酷でした。
振られたわけでも、拒絶されたわけでもないのに、「そもそも自分の立ち位置がなかった」と思ってしまうことほど、心を削るものはないと思うのです。

だからひな子は、この気持ちを捨てなければいけない、と自分に言い聞かせます。
前向きな決断ではありません。
むしろ、自分を守るための諦めに近いものでした。
それでも、涙が止まらない。
気持ちを手放そうとするほど、心が追いつかなくなるのが、読んでいて本当につらかったです。


話したくないのではなく、話せなくなってしまっただけ

学校にいるひな子は、椎名とうまく話せなくなります。
避けているわけでも、嫌いになったわけでもない。
ただ、何をどう話せばいいのか分からなくなってしまっただけです。

この「話せなさ」が、とてもリアルでした。
説明できる理由がないから、説明もできない。
自分でも整理できていない感情を、言葉にすることはできません。


笑っているだけなのに、はっきり伝わる悪意

その様子を見て、秦が浮かべる笑み。
この描写が、静かに、でも確実に胸に刺さりました。

言葉がなくても、
何もされなくても、
人はこんなふうに傷つけられるのだと感じさせられます。


違和感に気づいたのは、和久井だけだった

そんな中で、ひな子の異変に気づいたのが和久井でした。
これは偶然ではない、と察して、椎名を呼び出します。

「秦と何かあったんじゃないのか」

ここで明かされる事実。
椎名と秦は、付き合っていなかった。

読んでいて、すぐには理解できませんでした。
では、あの「彼女だから、私」という言葉は何だったのか。
ひな子があれほど苦しんだ理由は何だったのか。


取り返しのつかない言葉を、もう取り消せないとき

和久井は、自分がひな子に言ってしまった
「椎名には女がいる」という言葉の重さを、すぐに理解します。

そして秦に言われる、
「この事実、黙っていたほうが、あなたにも都合がいいんじゃない?」

黙っていれば有利になる。
でもその沈黙は、誰かの苦しさの上に成り立つ。

この場面は、読んでいて背筋が冷えました。


心配されているからこそ、何も言えなくなる

一方で椎名も、ひな子の変化に気づいています。

「俺が何かしたのか」
「なんで逃げるんだ」

責める言葉ではありません。
心配しているからこその問いかけです。

それが分かるからこそ、ひな子は何も言えない。
説明できない感情を説明しなければならない苦しさが、ここにはありました。


いつの間にか、間に立つ役割を引き受けてしまう人

その場に割って入って、椎名を止めるのは和久井でした。
誰かを責めるでもなく、
場を荒立てるでもなく、
自然にその役割を引き受けてしまう。

和久井という人の立ち位置が、ここでもはっきりします。


悪意は、静かで、回りくどい形でやってくる

誤解が解け始めても、秦の行動は止まりません。
椎名とひな子が仲良さそうに見えただけで、先輩を使って危険なことを仕掛ける。

直接手を汚さないやり方が、余計に怖く感じました。


間一髪で守られても、心の傷は消えない

危険な状況で助けに入る和久井。
迷いがなく、躊躇もない行動でした。

そこに椎名も合流し、ようやく誤解は解けます。
けれど、すべてが元に戻るわけではありません。

それぞれの心には、ちゃんと傷が残っています。


3巻は「言えなかった感情」が限界まで溜まる巻だった

3巻で描かれていたのは、事件の解決ではありませんでした。
テーマは、言えなかった感情です。

諦めた気持ち。
隠した後悔。
言わなかった真実。
気づいていながら踏み出せなかった一歩。

それらが限界まで溜まり、ようやく少しだけ表に出てきた。
それが、この3巻だったのだと思います。

誤解は解けました。
でも、気持ちはまだ整理されていません。


嵐の前の静けさだと、はっきり分かる終わり方

3巻は、嵐の前の静けさです。
ここから先、感情はもっと露わになり、選択が迫られていきます。

苦しいのに、読むのをやめられない。
そんな予感だけが、強く残りました。


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