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おつきーさま(みくまゆ会参加作品)
タイトルでピンときたあなたは、きっと子どもを持つ親御さんだろう。
そう。
娘にとって最初の月は、「月」でも「お月さま」でもない。「おつきーさま」なのである。
なぜ「おつきーさま」なのか?それは、かの有名な絵本「はらぺこあおむし」にどハマりしたからだ。
マグロのように動いていないと生きていられない乳児だった娘の、数少ない興味を引く絵本が「はらぺこあおむし」だった。我が家にはミニ版があったが、病院や絵本スペースにあった通常サイズも引っ張り出してはよく読んでいた。
それはYouTubeの歌も同様だった。
実はこの曲は娘にとって泣きやむ曲ではなく、別にあった。おかあさんといっしょの「おふろじゃぶじゃぶ」である。どんなに泣き止んでもピタリと止まるあの名曲に我が家は幾度のピンチを救われてきた。
それでも気がつけばテープが擦り切れるほど(表現が昭和)ヘビロテし、いつの日か歌えるまでになった。夜のお出かけはそれほど多くないものの、義実家の帰りに暗くなった空を見上げ、光る丸い星を見つけて叫ぶ。
「おつきーさま!」
それはそれは嬉しそうに、空を見上げていた。
アンパンマンか、あおむしかの時期は過ぎた。
夜空への興味は月から星座になった。図鑑の影響だ。もはや僕よりも詳しい娘に教えられることも多くなった。本当ならもっと星のよく見える田舎に連れて行きたいが、いかんせん飛ぶ虫全般が苦手なので思うようにいかない。
それでも時々夜空を見上げて「おつきーさま」の頃の娘を思い出すのである。
(了)
今回は短め。
会長、副会長、お納め下さい。
