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電卓すら叩きたくない。工期逆算を「ただの引き算と掛け算」にするロジック

全体の工期を「100%」としたときの、各工程の「比率(%)」
この物差し(目安)を自分の中に持っておくだけで、ざっくりした工期を考えるときの迷いは格段に減る。

昨日、先輩の京香さんからそのアドバイスをもらった僕は、さっそくデスクで自分のノートにメモを書き出していました。

  • 準備・仮設工事:5%

  • 基礎工事:15%

  • 木工事・建方:40%

  • 屋根・外装工事:15%

  • 内装・設備工事:20%

  • 外構・引き渡し仕上げ:5%

太助くん
「よし、全体のバランスはこれでバッチリっす!
あとは営業さんから質問が来たら、この%を使って計算すればいいだけだな」

メモを見つめて、僕はフフンと鼻を鳴らしました。
これで「どんぶり勘定」の罠からは抜け出せるはずです。

しかし、そこに新たな問題が浮上してきました。

「……待てよ。
総工期が130日だとしたら、木工事の40%は『130×0.4』だから……52日。
じゃあ、次の屋根工事の開始日は、着工日から数えて何日目になるんだ?」

電卓をパチパチと叩きながら、僕はノートに「52日」「19日」と日数を書き込んでいきます。
そして、カレンダーを開き、「えーっと、7月26日から50日後は……」と、結局またカレンダーを指で数え始めていたんです。

太助くん
「……めんどくさい。
%が分かっても、毎回これを電卓で掛け算して、日付をカレンダーで追いかけるのは、やっぱり地味にめんどくさいっす……!」

せっかく黄金比率を見つけたのに、手作業のしんどさは大して変わっていない。
僕はノートに突っ伏して、小さな絶望を味わっていました。


目の前を通りかかった、システムのプロ

僕がブツブツと呟きながらノートを睨みつけていると、後ろから「はぁ……」という、これまた地味に冷たいため息が聞こえてきました。

京香さん
「あんたね、比率を出したところまでは良かったのに、なんでそこからまたアナログな電卓叩きに戻ってるのよ」

太助くん
「あ、京香さん!
いや、だって比率が分かっても、実際の現場の日付に落とし込むには、掛け算して日数を出すしかないじゃないっすか」

京香さん
「出すしかないけど、それを『あんたの手と頭』でやる必要がどこにあるのよ。
ロジック自体は単純な掛け算と引き算でしょ?
着工日と総工期さえ決まれば、あとは自動でパパッと日付までスライドして計算されるように、シートを組めばいいだけじゃない」

太助くん
「自動でスライド……?
でも、前の工程が終わった次の日に、次の工程が始まるようにカレンダーを計算するのって結構ややこしくないっすか?」

京香さん
「ややこしく見えるのは、全体をバラバラに見てるから。
構造で捉えれば、ロジックはすごくシンプルよ。
一回画面出しなさい、整理してあげるから」

そう言って、京香さんは僕のノートPCを引き寄せました。


工期の計算をシンプルにする「2つのロジック」

京香さんが教えてくれた自動計算の仕組みは、僕が想像していたよりもずっとシンプルで美しさすら感じるものでした。

必要なロジックは、たったの2つだけ。

① 日数の自動計算

まず、全体の「総工期(日)」に対して、あらかじめ決めた「比率(%)」を掛け算する。
【全体の工期(130日) × 木工事の比率(40%) = 52日】
これはExcelやスプレッドシートなら、セル同士を掛け算するだけで一瞬で終わります。
総工期を「120日」に書き換えれば、連動してすべての工程の日数も自動で再計算されます。

② 日付のスライド(足し算)

そして、ここからが僕が一番感動したポイントです。
各工程の「開始日」と「終了日」を、手動ではなく「前の工程の日付+日数」という足し算で繋いでいくんです。

  • 準備工事の開始日 = 【着工日】

  • 準備工事の終了日 = 【開始日 + 期間(日)】

  • 次の基礎工事の開始日 = 【準備工事の終了日 + 1日】

京香さん
「ほら、こうやって数式で数珠繋ぎにしておけば、あんたがカレンダーをめくらなくても、最初の『着工日』を1日変更するだけで、後ろの工程の開始日も終了日も、ドミノ倒しみたいに自動で全部切り替わるでしょ」

太助くん
「おぉ……! 本当っすね!
着工日を『6月28日』から『7月5日』に変えただけで、最後の外構の終了日までパパパパッと日付が変わったっす!」

手作業でカレンダーを数えていたときは、着工日がズレるたびに「えーっと……」と頭を抱えていた作業が、数式というレールを敷いた瞬間に一瞬で解決してしまったのです。


数字を「写すだけ」で仕事が終わる未来

数式が組み込まれた画面を見つめながら、僕は思いました。

今までは、「工期を逆算する」という行為そのものに、たくさんの集中力と時間を使っていました。
曜日を間違えないように、日数の配分がおかしくならないように、細心の注意を払って頭のメモリを消費していたんです。

でも、このロジックさえシートに組み込んでしまえば、僕がやるべきことは極論、「数字を写すだけ」になります。

営業さんから「今度の新築、130工期で8月1日着工だとどんな流れ?」と聞かれたら、シートの指定された場所に「2026/08/01」と「130」を入力するだけ。
あとは、画面に弾き出された日付をそのまま伝えるだけでいい。

僕が頑張って電卓を叩く必要も、カレンダーを睨みつける必要もありません。

京香さん
「分かった? 仕組みを作るっていうのは、こういうこと。
ロジックさえ固まれば、あとはツールに任せて、あんたは『確認するだけ』の直前状態を作ればいいのよ」

太助くん
「さすが京香さん、天才っす!
これで僕の頭のメモリは完全に解放されたっす!」

京香さん
「調子に乗らないの。まだ画面上に数字が並んだだけでしょ。
これをお客様や営業さんが一目でパッと見て分かる形に整えるまでが仕事よ。
右側に、ほら……流れが見えるバー(グラフ)みたいなものもあった方がいいんじゃない?」

太助くん
「あ、簡易工程バーっすね!
よし、ロジックは見えたから、次はこれを見やすい『形』にデザインしてみせるっす!」


明日試せる小さな一歩

頭の中だけで一生懸命そろばんを弾くのをやめて、シンプルな「掛け算と足し算のルール」に落とし込む。
これだけで、ルーティン業務のしんどさは劇的に軽くなります。

読者の皆さんも、もし手元にいつも使っているExcelやスプレッドシートがあれば、明日、ほんの5分だけこの設定を試してみてください。

「セルに『=A1+30』と入れて、ある日付の30日後が自動で計算される仕組みを体験してみる」

これだけ?と思うかもしれませんが、この「日付が自動で動く感覚」を知ることが、手作業から抜け出す第一歩になります。

明日のDay4では、この自動計算シートを「現場で安全に、かつお客様との打ち合わせで最大に活かすための運用のルールと注意点」について、上司の深見さんの視点も交えながらお話しします。


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トクコウ|「めんどくさい」はチャンスの宝庫 このnoteが、あなたの仕事の効率化や、そこから生まれる「心の余裕」に少しでも繋がっていたら嬉しいです。 これからも業務改善の発信を続けていくために、チップで応援していただけると大変励みになります☕️