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チラシって本当に有効?デザイナーが考えてみた

チラシは情報を載せるものではなく「行動」と「記憶」をつくるものだと思う。

今回のモチの木印刷さんのフライヤーデザインは、そんなことを考えるきっかけになった案件だった。



1.きっかけ

TRiNiTY第二版の印刷でお世話になったモチの木印刷さんからご依頼をいただいた。

ゲムマで配布するフライヤーのデザイン。
ボードゲーム制作者や、同人グッズを作る人たちに向けたチラシが欲しいとのことで、打ち合わせ後すぐにデザインに着手した。

まずは、モチさんの強みである「何でも作れる(日本の印刷所より制約が少なく、柔軟に対応できる)」という点を伝えるために
代表的な取り扱い商品を並べた、いわゆる“カタログ型”のデザインを作ってみた。

カタログ型デザイン案

でも、これを見て思った。

「これ、カタログだな…」

今回このチラシが配られるのは、ゲームマーケット。
エリア出展で商品が実際に並ぶ場で、チラシにすべての商品を載せる意味はあるのか?

実物が、目の前にあるのに。

カタログ型のデザインを作った段階でもう一つ違和感があった。
視線誘導自体はできている。

でも、掴みがない。

パッと見たときに「何が言いたいのか」が弱い。
つまり、メインになる要素が必要だった。

そこで、サンプルボックスを大きく配置し、それに合わせてキャッチコピーを考えた。

「それ、作れます。」

モチさんの強みである柔軟な対応や商品ラインナップの多さ、そして実際のやり取りの中で「できますよー」と自然に言っている姿を見ていたことから、この言葉が一番しっくりきた。

では、このコピーをどう見せるか。

A4縦で配布されるチラシ。
短時間で視認されることを前提に考えると、まずコピーを読ませるレイアウトが必要になる。

そこで、この配置にした。

初回提出ラフ

2.即決されない…だと…

このラフを提出した後、「一晩考えさせてください」と連絡が来た。

正直、焦った。

やりすぎたかな?
もっと無難で、悪目立ちしない、やさしいコピーの方が良かったのかもしれない。
色も派手だし、攻めすぎたかもな、と。

でも翌日、返事が来た。

「OKです、この方向で進めてください。」


打ち合わせの際に聞いてみた。
「即決じゃなかったので、ダメだったのかと思ってました」

すると、こう返ってきた。

「衝撃的なデザインだったので、本当にこれで良いのか考えていました。」

なるほど…。
…とはいえ、その時の私は

やっぱり「やりすぎたかな」と思っていたけど。笑

そこから数回のブラッシュアップを経て、最終デザインが完成した。

3.デザイン完成

最終デザインはこちら

サンプルボックスは主張しすぎないようにサイズを調整し、さらにサブコピーを追加した。

ボードゲーム
同人グッズ制作で
お困りの方へ

この一文を入れることで、“誰に向けたチラシなのか”を一目で分かるようにした。

チラシに限らずプロモーションにおいて大事なのは
「これは自分に関係ある」と思ってもらうこと。

それが伝わらないと、どんなに良いデザインでも届かない。

4.BGBEでの経験

そもそも
「チラシを配るのは有効だ」と思ったきっかけがある。

BGBEのとき。

あの時の目的は、Dragon Createさんの作品を知ってもらうことだった。

だからチラシの構成もその目的に合わせて設計した。
表面はアートワークのみ。
裏面にゲーム紹介。

表面をアートワークだけにしたのは、表紙としての役割を持たせたかったのと、まず絵で掴むため。

文字がびっしり書かれた紙は少なくとも私は読もうと思わない。

だから、まずは止まってもらうことを優先した。
結果として多くの人が手に取り、実際に読んでくれていた。

少なくとも、あの設計は機能していたと思う。

5.今回考えたこと

ゲムマでもチラシ置き場があり、多くのサークルがチラシを用意している。

でも、その中で大事なのは「チラシを作ること」ではなく、誰に読んでもらいたいのかを決めることだと思う。

ターゲットが決まれば、色使いも、フォントも、載せる情報も変わる。

また、ゲムマの会場はかなりの情報過多で、じっくり読み込むような動線もない中でのチラシの役割は

「読ませる」ことではなく
「記憶にフックをかける」ことなのかもしれない。

チラシの効果は、作り方で0にも100にもなると思う。


今回のやり方がすべての正解ではないけれど、ひとつの考え方として共有できたら嬉しいです。

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