03 市場調査が育てた“相手意識”—探究学習の裏側
和菓子プロジェクト第3回は、「市場調査」がテーマでした。 子どもたちが実際にアンケートを取り、聞き取りをし、インターネットでも調べながら「相手の立場に立って考える」ことを学んでいった回です。ここではその舞台裏を振り返りながら、授業づくりのヒントを整理してみます。本編とあわせて読むと、子どもたちの学びの変化がより鮮明に見えてきます。
1.子どもが自然に回した“探究のサイクル”
活動を終えて振り返ってみると、子どもたちは自然に「探究のサイクル」を踏んでいた。今回は情報収集にあたるが、本編次回の第4話ではちょうど整理・分析になる。
探究のサイクル
課題の設定 → 情報収集 → 整理・分析 → まとめ・表現
この流れは、今では学習指導要領にもはっきり書かれている(2017年告示)。けれども、当時はまだ「総合的な学習の時間」が始まったばかりで、学習指導要領総則編(当時は独立した指導要領ではなかった)の中にも明確な手引きはなかった。

それでも実際の活動を通して子どもたちは、知らず知らずのうちにその流れを体験していた。あとから振り返ると、これは総合の学びの「原型」だったのだと感じる。
ちなみに、指導助言に入った研究会の場では「教師は探究のサイクルを授業づくりの中でどう位置づければよいのか?」という質問が出ることがあった。それに対して私は、「サイクルそのものを子どもに意識させる必要はありません。大切なのは、教師が単元構想できちんとその流れを押さえ、子どもが活動の中で自然に体験できるように仕組むことです」と答えている。第3回の市場調査は、その好例だったと思う。
2.外に出すからこそ見える子どもの力
やはり一番印象に残っているのは、アンケート調査に出かけた子どもたちの姿だ。練習では想定していても、実際にはいろんな人に出会う。忙しくて相手にしてもらえない人、素っ気ない態度の人、逆にとても親切に答えてくれる人……。
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