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涙の連絡船?【島小#35】/離島の小学校編 35

壊れたPCを抱えて本土に戻った連休が終わり、今度は修理されたPCを抱えて、日曜の3便で島に戻ってきました。
翌日、修了式と離任式を終え、異動される先生方は、島では毎年語り草になる連絡船に乗り込みます。
紙テープが用意され、「蛍の光」が流れるというその見送りは、話に聞くだけでも、どこか胸が熱くなる場面のように思えました。

前回の話 島小34👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。 海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。

少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。 予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴ってます。

その1年目、いよいよ離任式・修了式を終えた異動の先生方は,話に聞いていた涙の連絡船?に乗り込みます。

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。


1 日曜3便の満員

日曜の3便は、たくさんの人と荷物が乗っていて満員でした。
中学校の先生方は島に着いてから送別会をするらしく、荷物が多かったようです。

私も修理から戻ったパソコンを運ばなければならず、島の人たちも新入学用の買い物帰りと重なって、船内は荷物で埋まっていました。
島に着くと、私はそのまま学校へ向かい、まずはパソコンを運び込みました。

パソコンはメモリにエラーが出ていたらしく、原因は電圧の変化かもしれないと言われましたが、正直よく分かりませんでした。
それでも新しいメモリに取り替えてくれているので、しばらくは大丈夫だろうと思うことにしました。

校長先生は異動が急遽決まったため、朝から島に来て荷物を作り、3便で送ったそうです。
教頭先生も入学式の案内状などを作成するため、1便で島に来ていたと聞きました。

私もパソコンを再接続し、その後、報告文書を仕上げて資料用の写真を印刷し、4月の行事予定なども作って、結局21時頃まで学校に残っていました。
年度の区切りは近いのに、仕事はもう新年度に向けたものへ移り始めていました。


2 月曜の最終便に乗る先生方

翌日の月曜は、修了式と離任式がありました。
そして噂に聞いていた「離任された先生を紙テープで送る」という場面が、いよいよ現実になりました。

島を出る最終便の船に、離任される先生方が乗り込みます。
今回の異動では,お隣の中学校の教頭先生,小学校からは校長先生と養護教諭の先生でした。
ふだんは上がることのない2階?デッキに3人が上がり、町の人たちから紙テープを手渡されました。

渡された紙テープ

紙テープは割り箸に通してあり、手が痛くならないようにしてあります。
これは、長年ずっと行ってきたいわゆる生活の知恵かと、妙に感心しました。

割り箸に通した紙テープ

さらに、これまたふだんは流れることのない船のスピーカーから「蛍の光」が流れました。
島の港にその曲が響くと、ただの見送りではなく、島全体の行事のように見えてきます。

出航。左下は様子をビデオ撮影している中学校の先生、離任はしない(笑)。

ただ、この船に乗った先生方は、翌朝の1便で荷物の整理や残務、引き継ぎ準備のために、また島へやって来なければならないそうです。
どうやら一大イベントと化していて、とりあえず何が何でもこの3便で帰らなければならないようでした。
紙テープで送りながら、明日の朝にはまた会うことになる、その感じがどこかおかしくて、さすがに涙の別れにはなりませんでした。


3 夕刊が届くまでの3時間

ちょうどこの日は、夕刊で人事異動の発表がある日でもありました。
私は校長先生に、向こうから島へ戻る船便に夕刊を預けてくださるようお願いしていました。

それから3時間あまり後、本土から折り返した最終便が島に着きました。
船着き場まで行き,船員さんから夕刊を受け取り、学校に帰って人事異動の欄を開きました。

紙面を見た瞬間、知り合いの先生の異動状況を知り,いよいよ今年度も終わりだなと実感しました。
この島では情報もまた、船に乗って届くのだということを、こんな形で確かめる日になりました。


4 引き継ぎの日と代船の話

後日、前日の見送りの船で帰った校長先生と、養護教諭の先生が1便でやって来ました。
新しく赴任する校長先生と新任の養護教諭の先生も一緒で、引き継ぎの日になりました。

新しい養護教諭の先生は新任とはいえ、これまで養護助教諭として臨時教員の経験が数年あり、まったくの初めてではない方でした。
一方で、連絡船は翌日からドック入りすることになっており、代船として漁船が出る予定でした。

いきなりやって来る新しい先生方が、いきなり漁船というのも大変ですし、異動される先生方も荷物を載せて運びたい事情があります。
代船の漁船ではあまり荷物が積めず、たくさん人が乗ると潮をかぶる可能性もあるということで、だからこそこの日に決めたのです。

新しい校長先生は、以前教頭先生としてこの学校で勤務したことがある方でしたが、もう一人の先生はこの島が初めてだそうです。
どのように感じたのだろうと思いながら、懐かしい1年前の自分の春も、ふと重なり,1年間を終えたことを実感していました。


次回へ続く・・・👇

ちなみに1年前、私が引継で初めて島に渡ったときの話👇👇

離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら👇👇👇


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