1時間を超えて、50人の前に立って【研#09】/研修で出会う探究の風景
前回の離島の学校編Season2では、少ない教職員と児童で学校が回っていた日常や、プールそうじ、初任者研修の様子を記しました。
同じ頃、50人の一般の前で実践を語る研修もありました。
同時期の前回の離島の学校編Season2👇👇
初めてこのページに来られた方へ
「研修で出会う探究の風景」は、教師としての学びの記録です。
教育公務員特例法には、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」と記されています。
教師にとって学びは、仕事の一部でもあります。
私自身、これまで校内研修や教育センターでの研修、研究大会、学会、そして自主研修など、さまざまな学びの場に関わってきました。
そこには毎回、出会いがあり、葛藤があり、ときに自分の教育観が静かに塗り替えられる瞬間がありました。
このシリーズでは、そうした研修の風景を綴っています。
現在進行中の連載とも時系列でつながる形で、掲載しています。
現在は勤務していた離島の小学校(へき地2級)での1年を終え,2年目(2003年度)の話です。
これまでの研修編👉「マガジン 研修で出会う探究の風景」
1.一本の電話から始まった研修の話
半年ほど前、学校に一本の電話がかかってきました。
愛媛県内のある町にあるNPO法人の事務局の方からで、前任校のホームページに掲載されていた「和菓子プロジェクト」を見て連絡をくださったとのことでした。
前任校に問い合わせたところ、私の異動先を紹介されたそうです。
そのNPO法人では、子どもを対象とした地域での活動を計画しており、その事前研修の講師として「和菓子プロジェクト」の話をしてもらえないか、という依頼でした。
こうして、この時期に愛媛県まで出向く話が決まりました。
当日は午前中に講演を行い、午後からはもう一人のPTA連合会会長の方とともに、「育ちあいの必要条件」をテーマにしたシンポジウムにもシンポジストとして参加する予定です。
その講演に向けて、これまでの実践を振り返りながら、プレゼンの作成を進めていきました。
とはいえ、これまで研究会などで使用した資料があるため、それをもとに持ち時間や参加者層を意識しながら手直しを進めていきました。
連絡によると、PTA関係者や地域活動の指導者の方など、50人ほどが参加予定とのことでした。
研修会は日曜日ですが、前日の土曜日から愛媛入りすることにしました。
ついでといっては何ですが、本年度、交流学習を行っている学校の先生と、この機会に打ち合わせをしておきたかったからです。
メインである会合の方は、自分自身のスキルアップのためにも、そして何より参加される方にとって少しでも意味のある時間にしたいと思っていました。
2.準備に追われながら隣県へ
土曜には、愛媛に入りました。 前日の夜もプレゼンづくりをしていたのですが、途中で魚釣りに出かけてしまい(笑)、取りかかりが遅くなってしまいました。
結局、寝たのは午前2時です。
この日は、朝一番の船に乗るため6時前に起床しました。
睡眠時間は4時間ほどしかありませんでした。
本土に着いてからは、和菓子屋さんに寄り、実家で必要な資料を探して取ってきました。
いったん自宅で少し作業を進めた後、午後から愛媛へ向けて出発しました。
高速道路を走っていると、遠くの空に雷が見え始めました。
しばらくすると雨が降り出し、屋根や窓ガラスに激しい音が響きました。
雹(ひょう)が降ってきたのです。
前の車はハザードランプを点けて路肩に寄りましたが、少し抜ければ何とかなるだろうと思い、そのまま走り続けました。
幸い、しばらくするとすっかり止み、愛媛県に入るころには暑いくらいの良い天気に変わっていました。

現地に到着後、NPOの方に連絡を入れ、宿泊予定のホテルで簡単な打ち合わせを行いました。
その後もしばらくプレゼンづくりを続け、夕方からは、この県で交流学習をお願いしている先生と、今後の打ち合わせを兼ねて夕食をご一緒させていただきました。
こうした機会でなければ、直接ゆっくり話をすることはなかなかできません。
ホテルに戻ってからは、プレゼンの最終調整を行い、ようやく完成しました。
資料を見返していると、実践当時の苦労や感動が、次々とよみがえってくるようでした。
さすがにこの日は疲れがたまりましたが、遊びに来ているわけではないので仕方ないなと思っていました。
3.伝わった実感を持って
翌日、講演とシンポジウムを無事に終えることができました。
参加者はおよそ50名で、PTA関係の方が多かったように思います。
講演では、プレゼンの中にビデオクリップを入れていました。
PCにマイクを当てれば音声も何とかなるだろうと考えていたのですが、実際にやってみると、まったく音が拾われませんでした。
急きょ、プロジェクターの音声入力につなぐコードを用意していただき、何とか対応することができました。
講演が進むにつれて、参加されている方々が身を乗り出すように資料を見たり、うなずきながら話を聞いてくださっている様子が伝わってきました。
終了後には、
「学校と地域がこうしてつながっていく過程がよく分かった」
「自分たちの活動にも生かせそうだ」
といった声をかけていただき、手応えを感じました。

講演自体は、予定通りぴったり1時間で終えることができました。
その後のシンポジウムでも、自分なりの考えや感じていることを伝えてきました。
教員相手の実践発表はこれまでにも経験がありましたが、保護者や一般の方を前に話をするのは、この時が初めてでした。
その分、伝わった実感を持てたことは、自分にとって大きな経験になりました。
4.日常へ戻るまで
高速道路を走り続けて、帰路につきました。
ただ、少し無理をしたせいか、のどと鼻に違和感があり、風邪をひいたような感覚があります。
本当は早く休みたいところですが、翌日は6校時に授業参観が予定されています。
その準備もしておかなければなりません。
こうして、研修という非日常を終え、また学校の日常へと戻っていきました。
和菓子プロジェクト解説編はこちら👇👇
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