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島の小学生ブログ、全国に見つかる【島総②#24】/vol3 アワビいっぱい編/離島の総合的な学習② 

公開して間もない「島っ子交歓BLOG」に、ある日突然、全国からアクセスが集まり始めました。

離島の小さな小学校で始めた、小学生たちのブログ。
文字を媒介にして、自分の思いを表現すること。
学年を越えて互いの言葉を読み合い、限られた人間関係の中に、新しい視点やつながりを生み出すこと。

そんな願いを込めて始めた取り組みでした。

まだ「ブログ」という言葉そのものが珍しかった2004年。
その小さな実践は、思いがけず島の外へ広がっていったのです。


1.突然始まった「アクセス急増」

2004年2月の「島っ子交歓BLOG」を公開した翌日のことでした。

昼頃から、どうもアクセス数の伸び方がおかしいのです。
いつもの数字ではありません。
解析を開いてみると、どうやら「Internet Watch」の「やじうまWatch」から人が流れてきているようでした。

「えっ、本当に?」

そう思い、さっそく確認しようとしたのですが、学校の衛星インターネット回線では、そのページが開けませんでした。
教育用回線だったため、「General News」扱いのサイトはForbiddenになっていたのです。

私が勤務する離島の学校では、インターネットにつながっているとはいっても、すべてが自由に見られるわけではありませんでした。
さらに当時の島の回線環境は、まだまだ不安定で制限も多かったのです。

それでも、トラックバックや他サイトの記事をたどっていくうちに、どうやら「小学生ブログ」の取り組みが紹介されているらしいことが分かってきました。

私は以前から、「ブログは教育利用できるのではないか」と思っていました。
だからこそ、とにかくまずはテスト的に始めてみたわけですが、予想以上の反響に、正直かなり驚いていました。

その夜、宿舎からネットに苦労してつなぎ、ようやく記事を確認しました。

そこには、こんな紹介文が載っていました。

■ Blogで交換日記を始めた、島の小学生たち
ある島の、全校生徒7名の小学校に、Blogオーナーの先生がいる。
Blogに「熱中時代」と、昔の学園ドラマと同じ名前を付けるぐらいだから、とても熱心な先生なのだろう。
この先生の後押しで、7人の生徒がBlogで交換日記を始めた。
まだ始まったばかりでこれからどうなるのかわからないが、元気を分けてもらえたらとてもうれしい。

2004年2月5日「やじうまWatch」より

今読み返しても、もったいないほど温かい紹介でした。
ちょっと恥ずかしくなるくらいです。(笑)

しかも驚いたことに、後年である2026年現在、あらためてInternet Watchを確認すると、当時のその紹介記事がそのまま残っていたのです。
インターネットの世界は流れて消えていくものだと思っていたので、それもまた不思議な感覚でした。

2.島のブログが全国へ広がった

さらに、別のサイトからも反応をいただきました。

当時人気のあったBlogサイトの方からは、「データを残す」という視点について触れられていました。
無料ブログサービスは便利ですが、いつ消えるか分からない。
だからこそ、記録をどう保存するかが大事だという話でした。

確かに、その通りでした。

一応、有料サーバーのあてもありました。
ただ、まだ始まったばかりです。
まずはこの取り組みが軌道に乗るかどうかを見極めたかったのです。

もし続いていくなら、将来的には移転も考えよう。

そんなことを考え始めていました。

ところが、その頃、さらに別の問題も見えてきました。

中学校に確認すると、島の学校で使っていた衛星インターネット回線の終了日が決定したということです。
約1ヶ月後の3月9日。

その後は、56Kのアナログ回線になるとのことでした。

せっかく子どもたちのブログが動き始め、島の外とのつながりも生まれ始めていた矢先でした。

3.「公開する」ということ

さらに、その頃、私は「島っ子交歓BLOG」に、あるお願い文を掲載しました。

サイトを訪れた方々へ向けた、「コメントについてのお願い」です。

これは単なる注意書きではありませんでした。

そもそも、このブログを公開形式で運営していること自体に、意味があったのです。

島の子どもたちは、どうしても人間関係が限られます。
毎日同じ人と顔を合わせ、同じ環境の中で生活しています。

だからこそ、ブログを通じて、少しでも社会的な視野が広がればと思っていました。

島の外の人とつながる。
知らない誰かの言葉を読む。
コメントをもらう。

それだけでも、子どもたちの世界は少し広がっていくはずでした。

お願い文は、エントリ形式で投稿しました。
しかも、あえて“未来の日付”に設定し、常に一番上に表示されるようにしました。

サイトへ来た人が、必ず最初に目にするようにするためです。

当時のblogのお願い部分

ただ、その文章を公開する前には、きちんと校長先生にも確認していただきました。
ノートパソコンを開き、その場で見てもらい、
「ここは直した方がいいですか」
と相談したのです。

結果は「このままで大丈夫」。

こういう時、小規模校は本当に動きが早かったと思います。

4.島ではできないこと

週末になると、私は朝一番の船で島を出て、自宅へ戻りました。

自宅の回線から、学校ホームページのトップページを更新し、「島っ子交歓BLOG」へのリンクをFTPでアップロードする予定でした。

当時は、島の回線環境では難しい作業も多くありました。
そのため、学校側で準備を進めながら、更新作業そのものは本土の自宅回線で行うことも少なくありませんでした。

それにしても、島の小学校で始めた子どもたちのブログが、ここまで反響を呼ぶとは思っていませんでした。

けれど今振り返ると、この出来事は単なる「話題」ではなかったのかもしれません。

離島という場所にあった、情報環境の壁。
人とのつながりの限界。
「島だから仕方がない」とされていた距離感。

ブログという小さな窓は、そうした“デジタルデバイド”を、少しだけ揺らし始めていたのかもしれません。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回に続く・・・

前回の話 離島の総合的学習の時間②#23👇

初めて来られた方へ👇👇

本シリーズは、離島の小学校で実践した総合的な学習の記録です。

本作は2003年度、赴任2年目の取組を扱います。
アワビの中間育成・放流を軸に、交流活動やICT活用を重ねながら広がっていった学びの過程を描いています。
前年度には「おさかな天国 海辺のデジタル図鑑」に取り組み、農林水産大臣賞を受賞しました。
前シリーズ 総合実践のvol2、おさかな天国(マガジン離島の総合的な学習の時間①)

総合実践のvol3、アワビいっぱい編(マガジン離島の総合的な学習の時間②)👇👇👇


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