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離れてみて見えた、島の学校のこと【研#11】/研修で出会う探究の風景

2003年6月、キーボード検定のプロジェクト会議で東京を訪れていた。
何かと不便な離島にいても、こうしてプロジェクトの会議に参加できる立場にかかわれることの喜びをあらためて感じた。
やがて季節は夏休みに入る。
この時期になると、島を離れて本土の研修会に参加する機会がいくつか続く。

前回の話👇👇

【固定リード文】初めてこのページに来られた方へ

「研修で出会う探究の風景」は、教師としての学びの記録です。
教育公務員特例法には、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」と記されています。
教師にとって学びは、仕事の一部でもあります。

私自身、これまで校内研修や教育センターでの研修、研究大会、学会、そして自主研修など、さまざまな学びの場に関わってきました。
そこには毎回、出会いがあり、葛藤があり、ときに自分の教育観が静かに塗り替えられる瞬間がありました。

このシリーズでは、そうした研修の風景を綴っています。
現在は進行中の連載と時系列でつながる形で、掲載しています。

今回は勤務していた離島の小学校(へき地2級)2年目、2003年度での記録です。

これまでの研修シリーズはこちら👉「マガジン 研修で出会う探究の風景」


1 視聴覚研修で見えた授業の広がり

島の学校に赴任して2年目、2003年の夏休みのことである。
島の教員数は少ないがゆえに、夏休み期間中の日直当番は交代で1人が何日か連続で取り、それ以外の教員は本土の自宅に帰っていることが多かった。
ゆえに、この時期になると、島を離れて本土の研修に参加する機会がいくつも続く。

その一つが県視聴覚部会の夏季研修会だった。
会場は県の中央より少し西にある町で、自宅からでも少し時間がかかる場所だった。

午前はNHKの担当者による講演で、学校放送番組がどのように作られているのか、その舞台裏を紹介する内容だった。
普段教室で見ている番組も、企画や取材、編集など多くの工程を経て作られていることを知り、教材として使う側の見方も少し変わった気がした。

午後は分科会に分かれ、「ネットワーク時代の授業づくり」というテーマの会に参加した。
大学の先生を交えた協議の中で、ネットワークを授業で使う意味や課題について話し合われた。

議論を聞きながら、自分がこれまで取り組んできた実践を思い返していた。
1学期の取り組みを振り返り、2学期にどう進めていくか考えていたところだったが、方向としては大きく間違っていないと確かめることができた。

研修とは、新しい方法を学ぶだけでなく、自分の実践を見直す場でもあるのだとその時感じた。


2 人権教育の講演から考えたこと

別の日には、人権教育に関する講演会にも参加した。
講師はS大学の教授で、もともとは公立中学校の教員を務め、その後教育委員会の指導主事などを経験してきた方だった。

講演では、今の子どもたちの姿についていくつかの指摘があった。
人との関わりが薄くなり、距離の取り方がわからなくなっていること。
家庭の関わり方が極端になることで、無関心を装う子どもが生まれてしまうことなどである。

話を聞きながら、教室で出会う子どもたちの様子がいくつも思い浮かんだ。
人権教育という言葉は大きいが、結局は子ども同士の関係や、教師と子どもの関わりの中で日々つくられていくものなのだと改めて感じた。


3 学校のICTを支えるための研修

夏休みの後半には、希望研修としてネットワーク管理の講座にも参加した。
会場は市内の情報処理センターで、家から自転車で20分ほどの場所にある。
車でも同じくらいの時間だが、帰りの渋滞を考えると自転車の方が便利だった。

この当時、学校のICT環境はまだ整っているとは言えず、機器を活用するためには、教師自身がある程度その仕組みを理解しておく必要があった。
授業でパソコンを使おうとしても、ネットワークや設定が分からなければ結局は動かない。
そういう場面を何度も経験していた。

研修ではサーバーの設定やユーザー管理など、学校のネットワークの基本的な仕組みを実習しながら学んだ。
大学院時代に中学校の技術家庭科コースの院生さんから少し教えていただいたり、以前の勤務校でサーバーを立てていたりした経験もあり、操作そのものはどこか懐かしくもあった。

ただ、こうした知識は使わないとすぐに忘れてしまう。
結局のところ大切なのは、研修で覚えたことを学校の環境づくりにどう生かすかだった。


4 ホームページ研修での再発見

もう一つ参加したのが、学校で使えるホームページ作成の研修だった。
使用ソフトはホームページビルダーで、普段も使っているものだが、改めて講習として触れてみると新しい発見も多かった。

デジカメ写真をアルバム形式でまとめる方法やサムネイル画像の作成など、学校の記録を公開する際に役立つ機能をいくつか学んだ。
表組みのページ作成は普段から使っていたが、Excelのデータを取り込めることは新しい発見だった。

2日目は動画編集ソフトの実習や、完成したページをFTPでアップロードする作業を行った。
受講生同士で互いのサイトを見合うと、画像が表示されない人やアップロードに苦労している人も多く、ホームページ公開の基本が意外と難しいことも実感した。

午後にはスタイルシートについても学んだ。
デザインを統一するには便利な仕組みだが、実際の作業ではつい簡単な方法で済ませてしまうことも多い。
それでも学校のホームページのような公式なものには、こうした方法が必要なのだろう。

今回の夏休みの研修は、新しい技術を覚えるというより、自分がこれまで試してきたことを確かめ直す時間でもあった。
そして、ここで得た小さなヒントのいくつかは、また島の学校に持ち帰ることになる。

今振り返ると、こうした研修の意味は、離島の学校に勤務していたからこそよく分かる。
子どもたちの姿がすぐ目に浮かぶからだ。

視聴覚の授業のことも、人権の話も、ネットワークの仕組みも、ホームページづくりも、結局は目の前の子どもたちの姿に引き寄せて考えることになる。
あの夏に学んだことは、それぞれ小さなことだったが、そのいくつかは確かに島の学校の中で反映されていった。

これまでの研修編はこちら👇👇


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