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総合の学びを支えた、校長の夏【総校①#08】/校長の挑戦―総合の力を信じて 第1章

前回、七夕の朝会で語った「夢や願い」は、6年生の総合的な学習の時間へと引き継がれていきました。(語った夢を、総合の学びへつなぐ 【総校①#07】
言葉として投げかけた思いが、学びの構想となり、少しずつ実践へと近づいていった時期です。
今回は、その構想が動き始めた8月の学校の姿を記録します。

◆本シリーズについて
2020年度、私は中山間地にある小学校へ、校長として赴任しました。
その直後から、コロナ禍という正解の見えない状況の中で、学校運営が始まりました。
行事は止まり、人との距離が求められる中で、何を優先し、何をあきらめ、何を工夫すればよいのか、日々、判断を迫られる学校経営が続きました。

本シリーズは、そうした試行錯誤の中で、子どもたちの自己肯定感を育て、培っていくことを軸に、総合的な学習の時間を学校経営の中心に据えて進めた、小学校校長としての実践記録です。

※注 今回も本文中の一部地名や商品名等は必要があれば,仮名(かめい)またはイニシャルにしています。

これまでの話はこちら👉マガジン 校長の挑戦—総合の力を信じて


1.博物館の学びを終え、短い夏休みへ

6年生は、7月末に訪れた博物館で、学芸員の方から恐竜についての解説を受け、ひとまず恐竜学習を終えることができました。
化石や地層の話を通して、恐竜だけでなく、自分たちの地域についても、あらためて見直す機会となっていました。

間もなく8月を迎えました。
8月1日から16日まで、2週間あまりの夏休みでしたが、1学期中の臨時休校の影響もあり、例年より大幅に短い夏休みでした。
しかしながら、子どもたちにとっても教師にとっても、つかの間の休息になりました。


2.暑さとコロナの中で始まった2学期

8月17日、始業式を迎えました。
厳しい暑さの中での2学期スタートとなりました。

当初は、月曜と火曜を午前中授業とし、水曜日から給食を開始して午後も授業を行う予定でした。
しかし、この暑さの中での再開は負担が大きいと判断し、急遽、水曜から金曜までは給食後放課とし、午前中のみの授業に変更しました。

その間にも、コロナ禍で行き先を変更した修学旅行の打合せや、運動会に関する職員会議が続いていました。
さらに、産休に入る先生や、病休で1か月ほど休まれる先生の補充についても検討が必要で、学校全体として多くの判断を迫られる日々でした。


3.総合の学びは、静かに動き出していた

そんな中でも、6年生の担任は、1学期中に話し合ってきた内容をもとに、総合的な学習の時間を着実に進めていました。
2学期に入ると、子どもたちは、地元や全国のゆるキャラを集め、それぞれのキャラクターの特徴や、込められている思いや願いについて整理していました。

私も授業の様子を一緒に見ていきました。
調べるだけで終わらせず、「なぜそのキャラなのか」「どんな思いが込められているのか」を考えさせる学びが、少しずつ形になってきていました。

そして、いよいよ、オリジナルのゆるキャラを考えていく段階に入ろうとしていました。


4.総合の構想を、共有する

このタイミングで、あらためて6年担任と話し合いの時間を持つことにしました。
進め方に不安がある様子だったため、教師としての構想案を私から伝えることにしました。

もちろん、提示した構想は、必ずその通りに進めなければならないものではありません。
しかし、教師自身がある程度の見通しを持っておくことは大切だと考えていました。

子どもたちから意見や進め方についての提案が出てくるのであれば、それを大切にし、柔軟に対応すること。
そして、教師が引っ張りすぎず、子どもの主体性を大事にすること。
そんな点を確認し合いました。

子どもたちとの話合いの中では、ゴールとして、ゆるキャラを考え、町の公式キャラクターとして認めてもらい、自分たちの町を多くの人に知ってもらいたい、という思いが共有されていました。


5.学びを支える、構想の整理

今後の総合的な学習の時間の参考として、私は、進め方の大きな流れやポイントをまとめた資料を担任に渡しました。
あくまでヒントとしての資料です。

ゆるキャラ作成は目的ではなく、手段であること。
この活動を通して、子ども一人一人に考えさせ、学ばせることが重要であることを、まず押さえるようにしました。

ゆるキャラを作る意味を考え、何のために作るのか、作ることでどんなメリットがあるのかを整理すること。
その上で、形や色、模様、特徴、道具、設定(誕生日、好きなこと、特技等)などの視点をもとに、小グループで話し合い、意味づけを行うこと。
意見が限られないよう、まずはグループで検討し、その後に全体で共有する流れを想定しました。
ワークシートの活用や共有する際のホワイトボード利用も提案しました。

また、できあがった原案については、町の観光大使でもある恐竜画家のKさん(仮名)に送り、助言や修正を依頼してみてはどうかということ。
Kさんは、大阪の方ですが、地元書店とのつながりもあり、1年ほど前から観光大使を引き受けてくださっているそうです。
可能であれば、オンラインでの解説もお願いできればという構想も含めました。

キャラクターの名前については、特別に時間をとって考える価値があることも伝えました。


6.構想を、外の世界へつなぐ

資料を手にした6年担任は、これからの学びのイメージがつかめたようで、ほっとした表情を見せていました。
総合的な学習の時間が、少しずつ現実の動きとして見え始めていました。

8月22日、土曜日。
本来であれば夏休み中ですが、コロナ禍のためすでに2学期が始まっていましたが,町の夏休みイベントは実施されていました。

その日、道の駅の施設で、恐竜画家Kさんによるお絵かき教室が行われました。
本校からも2~3人参加していました。
今後の総合的な学習の時間への協力のお願いも兼ねて、私と事務長も会場を訪れました。

Kさんは、墨を使って、リアルで迫力のある恐竜を描いていきました。
町内外から参加した子どもたちは、そのダイナミックな描写に目を丸くして見入っていました。

Kさんによる「恐竜お絵かき講座」
(本来は本当に写実的な恐竜の絵なのですが,わざとデフォルメしています。)

会の終わりには、町内2校の小学校に向けて描かれた大きな恐竜の墨絵を描いていただきプレゼントとして受け取ることができました。
そして、6年生がゆるキャラづくりを進めていることについて話すと、快く承諾いただき、あらためてお願いすることができました。

学校ではまだコロナ症状は出ていませんでしたが、半日開催とした運動会に向けての準備は、着実に進んでいました。
学びと行事と感染対策が重なり合う中で、学校は次の局面へと進もうとしていました。

次回へ続く・・・👇👇

これまでの経過は「校長の挑戦 総合の力を信じて 第1章 マガジン」で👇👇👇


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