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4人の終業式にやすきよ【島小③#11】/離島の小学校編Season3 11

2004年7月。
1学期の終業式を迎えようとしていた島に、思いがけないお客さんがやってきました。
島のみんなが驚き、そして少しだけ誇らしい気持ちになった、そんな夏休み前の出来事です。

1.連絡船で起きたサプライズ

週末は本土の自宅で過ごし、心も体も少しリフレッシュしました。
翌日は1学期の終業式です。
いつものように日曜日の午後、連絡船で島へ戻ることにしました。

荷物を置いて席に座り、出港を待っていると、出発直前になって船内が急に慌ただしくなります。

十人を超えるスタッフが次々と乗り込み、その後ろから現れたのは、西川きよしさんと石田靖さんでした。

どうやらテレビ番組のロケだったようです。
撮影機材を抱えたスタッフも同行し、船内ではさっそく撮影が始まりました。

一緒に島へ向かう中学校の先生は、お二人との軽快なやり取りに巻き込まれ、船内は終始和やかな雰囲気に包まれていました。

島へ着いてからも撮影は続きましたが、「放送までは内緒にしてくださいね」とスタッフの方からお願いされます。
今なら瞬く間に情報が広がってしまいそうですが、当時はまだそんな時代ではありません。

島の人たちも何も知らされていないまま、静かに撮影は進んでいきました。

2.終業式に現れた特別な来賓

翌朝はいよいよ終業式です。
前日の夜、西川きよしさんと石田靖さんが泊まられた旅館では、用務員さんがお手伝いに行かれていたそうで、朝からその時の楽しい話を聞かせてくださいました。

そして、そのお二人とスタッフのみなさんが、本当に学校へやって来たのです。
実は、学校には事前に正式な依頼があり、教頭先生も以前からそのことをご存じでした。
そう聞いて、ようやく思い当たりました。
停電の日に学校へかかってきた一本の電話。
ウミブドウを持ち帰ったとき、たまたま同じ連絡船に乗り合わせていたスタッフの方。
当時は何気なく過ぎていった出来事が、この日のための準備だったのです。

全校児童は4人だけ。
その後ろに用意したパイプ椅子へ、お二人が静かに腰を下ろします。
校長先生のお話や校歌、夏休みの生活についての話が終わると、せっかくの機会ということで、お二人から子どもたちへメッセージをいただくことになりました。

西川きよしさんは、ご自身の小学生時代を振り返りながら、「小さなことからコツコツと」というおなじみの言葉を交えて話してくださいました。
石田靖さんは、島の景色を眺めながら、ご自身のふるさとを思い出したことを子どもたちに語りかけてくださいました。

たった4人の終業式でしたが、その日の体育館には、いつもとは少し違う温かな空気が流れていました。

3.港のみんなで見送る

お二人は午前10時の連絡船で島を離れる予定でした。
港へ行くと、旅館の方や地域のみなさんも自然と集まり、紙テープを手に見送りの準備をしています。

船がゆっくり岸壁を離れると、何本もの紙テープが海風になびき、港には「また来てください」という声が響きました。

芸能人が島を訪れたことも大きな出来事でしたが、それ以上に印象に残ったのは、島のみんながいつものように温かく送り出していたことでした。

小さな島らしい、おだやかな別れの風景だったように思います。

4.夏休み前の楽しみ

学校のホームページにも終業式の様子を紹介したかったため、所属事務所の方に掲載の了承をいただきました。

番組は夏休みの終わり頃、関西地区で特別番組として放送される予定でした。

「あの終業式がテレビに映るらしい。」

そんな話題は、しばらく島のあちこちで聞かれました。
こうして1学期は終わり、子どもたちは夏休みへ入っていきます。

思いがけない出会いが加わったことで、この年の終業式は、島のみんなにとって少し特別な一日になりました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回に続く。👇

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。

そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。
3年目2004年度の、Season3のお話です。
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

離島の小学校編Season3👇

離島の小学校編Season1👇👇

離島の小学校編Season2👇👇👇


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