名前だけが先に届いた賞【な総島魚#11】/なるほど!総合的な学習(離島の小学校編)/おさかな天国編
メールの件名を見た瞬間、宿舎で思わず声が出た。
島の教室で積み重ねてきた学びが、教室の外で評価された瞬間だった。
本稿では、本編11で描いた出来事を手がかりに、外部評価が子どもたちの学びをどのように動かし、次の問いへとつながっていったのかを解説する。
今回の対応する本編(島総11)👇
本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)
本稿は、2002年度(平成14年度)、県内で唯一の離島にある小学校に赴任した1年目に行った「総合的な学習の時間」の実践記録をもとにしています。
※本文中の地名・学校名・人名などは、一部仮名を使用しています。
本シリーズは、同時に公開している「vol2 お魚天国青波島編/離島の総合的な学習の時間①(本編)」で描いた出来事をもとに、授業構成の意図や教師としての判断、その背景にあった迷いや選択,無料編では出しにくい補足の情報を整理する解説編です。
物語として描いた本編とあわせてお読みいただくことで、実践の全体像がより立体的に見えてくることを意図しています。
なるほど!総合的な学習マガジン(離島の小学校編)おさかな天国解説
1 評価される経験を、島の教室でも
前年、前任校で実践した和菓子プロジェクトが、同じコンクールで経済産業大臣賞に選ばれた。
そのときは、当日までどの賞かも分からず、初めての授賞式でひたすら緊張していた。
しかし、担任していた子どもたちが、自分たちの取り組みを社会的に評価され、大きな自信をつけていく姿を目の当たりにしたことは強く印象に残っている。
あの経験は、子どもたちにとっても、私にとっても特別なものであり、学びにおける外部評価のもつ重要性を実感させる出来事だった。
だから今年は、島の子どもたちにも、ぜひ同じような経験を味わわせたい。
そう思って取り組んできたのが、この総合的な学習の時間であった。
結果的に、大きな賞をいただけることになったが、決して最初から自信があったわけではない。
島という環境で、子どもたちと積み重ねてきた学びが、どこまで外に届くのかについては、最後まで確信をもてずにいた。
宿舎でメールの件名を開いたとき、その不安が一気にほどけたわけではない。
ただ、島の教室で続けてきた実践が、確かに教室の外に届いたという事実だけが、はっきりと残った。
ちなみに,経済産業大臣賞をいただけた「和菓子プロジェクト」の実践マガジンは,こちら👇
2 評価を支えた内容と表現
今回の総合的な学習の時間における授業のゴールは、ホームページを作成することだった。
この言葉だけを見ると、技術的な活動に重きが置かれた実践のように感じられるかもしれない。
しかし実際には、図鑑に何を載せるかというコンテンツを中心に、何度も話し合いを重ねてきた。
島の人と交流できるようアンケート調査を行い、家庭にデジカメを持ち帰らせる活動も行った。
漁で捕れる魚と、釣りで釣れる魚の違いに気づいたことをきっかけに、子どもたち主体で釣りに行く計画を立てたこともあった。
こうした制作過程での試行錯誤や苦労が積み重なっていたからこそ、入賞の知らせに触れたときの喜びは、私にとっても子どもたちにとっても大きなものだったのだと思う。
内定の知らせは、子どもたちや校内の教職員、これまで関わってきた人たちには伝えた。
その一方で、ぜひとも報告とお礼を伝えたい方がいた。
図鑑のイラストを描いてくださった作者の方である。
この方の温かみのあるイラストがあったからこそ、作品としての完成度が高まったと言っても過言ではない。
もちろん、審査では内容も十分に見てくださったはずである。
ただ、コンテンツとデザインの両方がそろってこそ、Webページとしての評価につながるという考え方は、大学院時代の修士論文で自ら導き出してきた結論でもあった。
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【完結】離島の小学校で行われた「魚の図鑑づくり」プロジェクトを通して、子どもたちが探究に出会い、学びを深めていく記録をまとめたシリーズです…
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