事件は湾岸署の会議室で起きていた【研#20】/研修で出会う探究の風景
2004年7月。
6月の公開授業と講演会から1か月が過ぎていた。
その間も、2005年の教室を考える会地方特別大会や小中合同キャンプなど慌ただしい日々が続いていたが、学校CMSプロジェクトも少しずつ動き始めていた。
そんな中、第2回学校CMS会議に参加するため、私は再び東京へ向かった。
1.久しぶりの和菓子屋さん
7月に入ると、蒸し暑い日が続いていた。
この日は3便で島を出た。
銀行へ寄り、実家へ顔を出し、その途中で久しぶりに和菓子屋さんにも立ち寄った。
前勤務校の子どもたちと一緒につくった饅頭は、その後も店頭で販売されていた。
お土産が必要な時には時々買いに来ていたので、ご主人とも顔なじみである。
「この前、テレビ見たよ。」
そう声をかけてくださった。
奥からは、かつて担任した子も顔を出した。
もう中学3年生になっていた。
「夏休み、島に遊びに行きたいな。」
そんな話をしながら近況を聞く。
担任した子どもたちと再会する時間は、いつも楽しい。
教室を離れても、どこかで成長を見られるのはうれしいものだった。
その夜は翌日のCMS会議の準備に追われた。
少し前から資料づくりを続けていたのだが、なかなかまとまらない。
修正しては直し、また修正する。
気がつけば時計は深夜を大きく回っていた。
とりあえず印刷が終わったのは27時だった。
2.東京へ
翌朝、空港から東京へ向かった。
目的は、第2回学校CMS会議への参加である。
会場は潮見にあるU社だった。
少し早めに着こうと思い、東京駅から京葉線に乗り換える。
潮見駅で降りると、富山の実践者のSさんとばったり出会った。
会場へ向かう途中で聞いたのは、建物にまつわる意外な話だった。
「ここ、踊る大捜査線の湾岸署になった建物なんですよ。」
そう言われて見上げると、たしかに見覚えがあるような気がした。
玄関には室井管理官が車でやって来ていた様子がなんとなく浮かんだ。
到着後はプレゼン資料の最終調整を行い,先日の来島の様子が放送されたNHKの番組DVDをH先生にお渡しした。
その後、社屋を案内していただいた。
階段を見た瞬間、確かに湾岸署の署長・副署長・課長が降りてきていたなと確信を持った。

3.学校CMS会議
会議は15時15分から始まった。
研究者、開発者、学校現場の教員。それぞれの立場から報告が行われる。
自分たちは学校Webサイトをどう活用していくのか。
保護者との関係はどう変わるのか。
学校全体で情報発信を行う仕組みはどうあるべきなのか。
議論は次々に広がっていった。
学会発表へ向けた整理も課題になっていたが、その中でH先生からデータ分析の方法について助言をいただいた。
研究としてまとめる視点を学べたことは大きかった。
また、メンバーの一人による保護者アンケートの結果も興味深かった。
学校ホームページを作るだけでは足りない。
実際に見てもらえているのか、どのように活用されているのか。
アクセス解析の必要性を強く感じた。
会議終了後はホテルへ移動し、そのまま懇親会となった。
話は尽きず、店を移りながら語り合う時間が続いた。
気がつけば日付も変わっていた。
最後はラーメンで締めようと探したものの見つからず、その日は素直にホテルへ戻った。
4.再び動き始める未来
翌朝も再び潮見のオフィスへ向かった。
この日はCMSのヒアリング結果や機能説明、デモンストレーションが中心だった。
実際の画面が動くのを見ると、不思議とわくわくした。
学校ホームページの更新が、もっと多くの先生方にとって身近なものになるかもしれない。
そんな可能性を感じていた。
RSS連携のデモでは、自分のサイトが表示された。
少し気恥ずかしかったが、それもまた面白かった。
昼過ぎに会議は終了した。
東京駅で昼食をとり、それぞれ帰路につく。
別れたあと、私は秋葉原へ向かった。
メモ用紙が印刷できるマウス、携帯電話と接続するためのUSB赤外線受信装置、そして3.5インチHDDを外付けで使うケース。
当時の秋葉原には、そうした「ちょっと面白いもの」があふれていた。
気がつけばあっという間に時間は過ぎていった。
本来は最終便の予定だったが、少し早い便へ変更して羽田を発つ。
夕方には地元へ戻り、その夜は再びメールを送り、Blogを書いた。
1ヶ月前には島で公開授業と講演会を行い、その後は地方大会、学校行事の小中合同キャンプ,そして今回東京でCMS会議。
慌ただしい日々だった。
けれど当時の自分には、それが特別なことだという感覚はあまりなかった。
面白そうな話があれば行ってみる。
会いたい人がいれば会いに行く。
けれど、その一つひとつが新しい刺激に満ちていて、毎日が本当に充実していた。
次回に続く・・・
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初めてこのページに来られた方へ
「研修で出会う探究の風景」は、教師としての学びの記録です。
教育公務員特例法には、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」と記されています。
教師にとって学びは、仕事の一部でもあります。
私自身、これまで校内研修や教育センターでの研修、研究大会、学会、そして自主研修など、さまざまな学びの場に関わってきました。
そこには毎回、出会いがあり、葛藤があり、ときに自分の教育観が静かに塗り替えられる瞬間がありました。
このシリーズでは、そうした研修の風景を綴っています。
現在進行中の連載とも時系列でつながる形で、掲載しています。
今回は勤務していた離島の小学校(へき地2級)3年目、2004年頃の記録です。
これまでの研修編はこちら👇👇
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