春ドラマと、『人が変わる物語』【ふエ#36】/ ふりかえりエッセイ 36
今クールは、思わず続けて見たくなるドラマが多い気がしている。
その中でも、「これは書いておきたい」と感じた作品を、ネタバレにならない程度に少しだけ紹介してみることにする。
ドラマの伏線と、学びの伏線
以前にも書いたように、ドラマの脚本には「総合的な学習の時間」と通じるものがあると思っている。
物語の中で張られた伏線が、後半でどのように回収されていくのか。
登場人物がどんな出会いや失敗を経て変化していくのか。
そうした展開を予想しながら見ることは、自分自身の実践や子どもたちの学びを考える上でも、意外なヒントになることがある。
そんな視点で、今クール視聴しているドラマを少し紹介してみよう。
☆1位 『時すでにおスシ!?』(TBS系 火曜22時)
今クール、私の中では断然1位である。
何よりヒロインのキャストが抜群で、キュートさの中に優しさや温かさがあふれている。
主人公・待山みなとを演じるのは、永作博美さん。
子育てを終え、50歳という人生の節目で、久しぶりに「自分の時間」と向き合うことになる。
これまでずっと「誰かのため」に走り続けてきたみなとが、ひょんなことから飛び込んだのは、「3か月で鮨職人になれる」という鮨アカデミー。
そこでの出会いや経験を通して、少しずつ「自分のために生きる」という新しい一歩を踏み出していく物語である。
「新しいことを始めるのに、時すでに遅しなんてことはない」
そんなメッセージが全編に流れていて、夢も仕事も恋も友情も、まっすぐに向き合う大人たちの姿がとても心地よい。
春の新生活シーズンにもぴったりのドラマだと思っている。
☆2位 『サバ缶宇宙へ行く』(フジ系 月曜21時)
1位とどちらにするか悩んだ。
こちらは、高校生たちの探究学習を描いたドラマで、現在連載している自分自身の総合的な学習の実践記録とも重なる部分が多くある。
原案は、実話をもとにした書籍『さばの缶づめ、宇宙へいく』。
高校生たちが開発したサバ缶が、“宇宙日本食”としてJAXAに認証され、国際宇宙ステーションで実際に宇宙飛行士が食べたという驚きのプロジェクトである。
2022年の出版後には、高校英語の教科書にも掲載されたそうですが、私は今回ドラマ化されるまで知らなかった。
夢を持つことの大切さ。
自分から動き出す勇気。
人を信じる力。
そして挑戦が未来を切り拓いていくこと。
そうしたテーマが、とてもハートフルに描かれている。
「探究学習って、こういうことなんだよな」と感じさせられる場面も多く、毎回楽しみに見ている。
☆3位 『風薫る』(NHK 月〜金曜8時)
いわゆる今クールの朝の連ドラ。
朝ドラは昔からずっと録画して見続けているが、毎回見ているうちに、気づけば物語の世界に引き込まれている。
今回は、少し生きづらさを抱えた二人の女性による“ダブルヒロイン”という構成が特徴のようである。
舞台は明治という激動の時代。
まだ広く知られていなかった看護の世界に飛び込み、傷ついた人々を守るために奔走し、ときには権力や時代の壁とも向き合っていく。
「幸せに生きるとは何か」を問い続けるような物語で、毎朝楽しみにしている。
前作の『ばけばけ』より、私は今作の方が好きかもしれない。
4位以下は順不同で
○『月夜航路 答えは名作の中に』(日本テレビ系 水曜22時)
波瑠さんと麻生久美子さんによる文学ロードミステリー。
さまざまな伏線や謎が散りばめられていて、考察しながら見る楽しさがありる。
○『リボーン〜最後のヒーロー〜』(テレビ朝日系 火曜21時)
高橋一生さん主演のタイムスリップもの。
当時の社会情勢やビジネス感覚なども描かれていて、そのあたりも興味深く見ている。
○『GIFT』(TBS系 日曜21時)
今クールの日曜劇場。
車いすラグビーと学者という異色の組み合わせだが、これからさらに面白くなりそうな予感がある。
○『銀河の一票』(フジ系 月曜22時)
元政治家秘書とスナックのママが都知事選に挑むという、かなりユニークな設定。
黒木華さん、野呂佳代さん、松下洸平さんという組み合わせも絶妙で、新しいタイプの選挙エンターテインメントとして楽しんでいる。
○『豊臣兄弟』(NHK 日曜20時)
安定の戦国大河。
やはり大河ドラマはつい見てしまう。
△『田鎖ブラザーズ』(TBS系 金曜22時)
警察に勤める兄弟が、両親に関わる過去と向き合っていく物語。
今のところは惰性で見ている感じで、もしかすると途中離脱するかもしれない。
最近のTBS金曜10時枠は、個人的には少し合わない作品が続いている。
前回の『DREAM STAGE』も途中で離脱した。
他にも“離脱”したドラマはいろいろ
もちろん、他にも途中で見るのをやめたドラマはたくさんある。
だいたい第1話を見て、「これは自分には合わないかな」と感じたものは、そこで離脱している。
そうしないと、そもそも見る時間が足りない・・・(笑)
ただ、こうしてドラマを見ていると、「人が変わる瞬間」や「挑戦のプロセス」の描き方には、やはり学びの物語と通じるものがあるなと感じる。
だからこそ、単なる娯楽としてだけではなく、自分自身の実践や文章づくりの参考としても、毎クール楽しみにしているのかもしれない。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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