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魚のある日々と、夜の時間【島小②#14】/離島の小学校編Season2 14

出張続きで島を空けていた日々がひと区切りつき、前回は、島に腰を据えて過ごす時間を書きました。
慌ただしさの中でも、学校や子どもたちのいる日常に戻っていく感覚を、あらためて確かめていたように思います。

その流れのまま、島の時間はゆっくりと続いていました。
魚のある食卓や、夕方から夜へと流れていく人との時間。
今回は、そんな何気ない日々の話です。

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。
海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。

少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
また、島にはインターネット接続はなく、デジタルデバイドは広がっていくばかりでした。(※離島のデジタルデバイド編参照
そんな中でも,総合的な学習の時間で子どもたちに自信をもたせてやりたいと考え,取り組んできました。(※離島の総合的な学習の時間編①参照
そんな背景となるこの島での小学校編では、授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴っていきます。

いよいよ2年目2003年の、Season2(2年目)1学期末のお話です。

離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら ※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。


1.船が混む朝と、思いがけない頂き物

その朝の連絡船は、いつになく混み合っていました。
島を出かける人や自宅に戻る小中学校の教員に加えて、前日にあった市の教頭会で宿泊していた方々、さらに陸上の試合に向かう中学生たちが乗り込み、ほぼ満員の状態でした。

それはさておき、前日に調理員さんから「魚を持って帰って」と声をかけられていました。
アジやイワシ、せいぜいサバくらいを想像していたのですが、実物を見て少し驚きました。

用意されていたのはカツオとサバでした。
しかも、頭も内臓もすでに処理してあります。
サビキで釣るような小さな魚ではありません。

先生方みんなで分け合って持ち帰り、その日の食卓は昼がカツオのたたき、夜がサバの味噌煮と、魚づくしになりました。
島で暮らしていると、こういう思いがけない豊かさに出会うことがあります。


2.島に来る人たちと、不思議な夕方の光景

この頃、島には10人以上の若者が滞在していました。
どうやら旅館に泊まり込みで、しばらく島にいるようです。

夕方の便で島に戻ると、宿舎の近くで長靴を履いた女の子たちが、溝の周りを覗き込んでいました。
話を聞くと、大学生で、島の亀を調査研究に来ているとのことでした。

亀といってもウミガメではなく、淡水に生息する亀だそうです。
詳しいことは分かりませんが、島の日常の中に突然現れた研究の風景は、なかなか不思議な光景でした。

こうして島には、気づかないところで、さまざまな目的を持った人たちが訪れ、また去っていきます。
それもまた、この島の静かな日常の一部なのだと思いました。


3.荒れる天気と、キャンプの準備

7月に入ると、天気が一気に荒れました。
特に午後からは、久しぶりに雨と風が強くなりました。

午前中はまだ雨もそれほどではなかったので、子どもたちが楽しみにしている水泳を行いました。
ただ、気温が低かったため、早めに切り上げることになりました。

この日は、来週に予定しているキャンプのしおり作りを進めました。
気がつけば、もう残り1週間です。

昨年も担当していたので、今年は段取りや流れが分かっており、準備は比較的進めやすく感じました。
週末には子どもたち自身の準備も始まるでしょうし、今週中に渡しておきたいと思っていました。

特に1年生にとっては、初めてのキャンプです。
しおりを使って事前の指導も行い、少しずつイメージを持たせていく必要があります。


4.釣りの夕方と、思いもよらない打合せ

ある日の放課後、養護教諭の先生の友人が島を訪ねてきました。
1ヶ月ほど前にも来島しており、すっかり島が気に入った様子です。

今回は釣りが目的で、子どもたちも一緒に出かけることになったようでした。
放課後の水泳練習のあと、私も誘われましたが、あまり乗り気ではなく、散歩がてら19時過ぎに様子を見に行きました。

小ぶりではありますが、アジがぽつぽつと釣れ始めていました。
子どもたちは楽しそうに竿を出しています。

しばらく様子を見ていると、携帯電話が鳴りました。
教頭先生からで、PTA会長さんのところに来ないかという連絡でした。

来週のキャンプで、漁船による送迎をお願いしており、その具体的な時間の打合せをしているとのことでした。
伺うと、ビールを飲みながら、漁師の仕事の話など、さまざまな話を聞かせてもらいました。

こうして保護者とゆっくり話ができるのも、この地域ならではだとあらためて感じました。


5.時間が動き出し、キャンプが近づく

その後、PTA会長さんとの話を受けて、キャンプの出発時間を変更することになりました。
2日続けて中途半端な時間帯では仕事にならない、という率直な理由からです。

最終的に、出発時間を早めることにしました。
今朝、YMCAに連絡を入れ、その旨を伝えました。

宿泊予定の場所は空いており、早めに到着してもすぐに入所できるとのことでした。
時間に余裕ができそうなので、少し周辺を散策するのもいいかもしれません。

島の日常の中で、少しずつ準備が整い、時間が動き出しています。
次は、いよいよキャンプ本番です。

※ 次回に続く

離島の小学校編Season2(2年目2003年度)はこちら👇👇

離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)はこちら👇👇👇

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