重力探偵:少女#2 【重力制御シリーズ】
「人類は重力の制御に成功した。
それが何を解決したのか。
誰もよく分かっていない」
前回はこちら
「コーヒーくらいしかありませんが」
探偵は棚を漁っていた。
「いえ、お構いなく」
初老の神父は丁寧に断った。
隣に座った若い神父は無表情だった。
「本題に入りましょう」
「あぁ……はい」
探偵は対面に座った。
音声を再生する。
少女の声が響いた。
「一応、私の方でも調べたんですが」
若い神父が視線を上げる。
「古今東西の言語で相当するものは見当たりません。
共通語・部族語・方言も含めて。
どうやら文法らしきものは存在していそうです。
ただサンプルが少なく、これ以上の解析は」
初老の神父が微笑した。
「これ以外には?」
「部屋の物が浮くことがある、と。
これは母親の証言ですが」
その他、知り得た情報を全て伝えた。
「一通りわかりました」
若い神父が初めて口を開いた。
「後はこちらで対応します。
ご苦労さまでした」
「え? いや、あの、この件の依頼先は私ですから、引き続き」
「お言葉ですが。
重力探偵の業務範囲ではないとお見受けします」
「しかし……」
初老の神父が引き継いだ。
「以前に自己判断で動いた民間の方がいらっしゃって。
依頼人が亡くなったんですよ」
「……」
「バチカンからもそれ以降、対応は慎重を期すように、とお達しが出てまして」
自宅に戻った。
母親からメッセージが届いていた。
開けなかった。
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