三國清三シェフの「鶏の水炊き」で、何を作っても「おいしい」と言ってくれない夫にリベンジしてみた【レシピあり】
こんばんは! 主婦の友社TomoNote編集室の中野です。
何を作っても「おいしい」と言ってくれない夫をもつ、結婚5カ月目の兼業主婦でございます。
街を歩く人もすっかり厚着になり、あたたかいお鍋が恋しい季節になりました。 外の風も冷たいですが、我が家の食卓に吹く風も、あいかわらず冷たいまま……。
前回、三國清三シェフのレシピで作った「豚のしょうが焼き」。
あんなにジューシーに仕上がったのに、夫から返ってきた言葉は「俺のほうがもっとおいしく作れそう」でした。
▼前回の記事はこちら
後日、本当に夫はカリカリの豚のしょうが焼きを作ってくれたのですが、わたしはやっぱり、ジューシーなミクニ流豚のしょうが焼きのほうが好みだなぁと思ってしまいました……。(それでも、わたしは、夫の手料理に“おいしいね”って言いましたよ! その言葉がどれほど嬉しいものか、わたしは知っているので)
そこで今回は、夫に「おいしい」と言わせるリベンジ企画のリターンズです!
エントリーレシピは、食材の滋味をしっかり引き出すことがポイントとなる「鶏の水炊き」。
今回も『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』のレシピです。

鶏の水炊きは去年、夫と行った福岡で、とんでもなくおいしい鶏の水炊きに衝撃を受けてから、都内で食べログの点数が高いお店に食べに行ったり、お取り寄せもしてみたりもしたものの、福岡で食べたあの味を超えるどころか同等レベルの味にも出会えずにいました……。
これで、わたしがイチから作った鶏の水炊きで夫の「おいしい」をもぎ取れたなら、これまでの苦労も報われるはず。
まずは、夫に宣戦布告です。
「来週末は、鶏の水炊きを作ります! ミクニ流鶏の水炊きです!」
この気合の宣戦布告に対して、夫は「鶏の水炊きは、ハードル高いと思うよ」と一言。
もちろん、それは承知の上です。
「あなどることなかれ! ほかでもない、発売から3カ月で5万部突破した三國シェフのレシピですよ!」
理系男子の夫に、印籠のごとく数字を突きつけて黙らせました。
あとは、念には念を入れて、本書のお局担当編集・Mさんに、このレシピのポイントをいくつかレクチャーしてもらいました。
はたして、あたたかい水炊きで、あの夫から、あたたかい言葉をもらうことができるのでしょうか?

じっくりと食材の滋味を引き出す! ミクニ流「鶏の水炊き」
「食べてもらう相手がおいしいと思う料理を作ること」を追求した、ミクニ流「鶏の水炊き」を、料理初級のわたしでも本当においしく作れるのか。
先にお伝えしておきますと、テクニックは一切いりません。白菜を包丁でザク切りできるレベルであれば、全く問題ありません。
ただ、時間がかかります。作業時間はさほどかかりませんが、なにしろグツグツ煮込む時間が2時間は必要です。
<お局担当編集・Mさんの天の声>
圧力鍋を使ったら、煮込む時間はだいぶ短縮できると思うわ。
まず、材料はこちら!

ガラスポットに入ったものが昆布水、鶏手羽元が8本、野菜は、レタス、白菜、しょうが、絹ごし豆腐、ポン酢。(本書では長ねぎという文字がありますが、ねぎ嫌いのわたしは見なかったことに)
あらかじめ、レタスは食べやすくちぎり、白菜はザク切り、絹ごし豆腐はひと口大に切り、しょうがは薄切りにしておきます。
<お局担当編集・Mさんの天の声>
ちょっと待って! 「ポン酢」ですって!? 聞き捨てならないわね。
正しくは「ポン酢しょうゆ」よ。本書にもそう書いているでしょう?
いまは通称となりつつある「ポン酢」は、本来、柑橘果汁に酢を合わせただけのものを指すのよ。
みなさま、これご存知でしたか?
わたしは今回、Mさんに教えてもらうまで知らなかったのです。
たしかに、他のレシピ本でも、きちんと「ポン酢しょうゆ」と書かれていました……!(個人的に衝撃の事実だったので、Mさんの天の声として、書かせていただきました)
さらっと「昆布水」を材料に入れてしまったのですが、これは、前日の夜に切った昆布を水につけて、ひと晩おいたものなんです。
🍳ポイント1:「昆布水」を仕込む
グルタミン酸とイノシン酸の相乗効果で、うまみたっぷりの昆布のおだしをつくります。
<お局担当編集・Mさんの天の声>
昆布の表面にある白い粉は旨味成分だから、ふき取ってしまわないでね。
乾いたキッチンペーパーなどで軽くふく程度にとどめて。

事前にMさんに教えてもらっておいてよかったです。
これまでは白い粉が気になって、キッチンペーパーを濡らして、ゴシゴシこすってふき取ってしまっていました。
昆布4ℊに対して、お水を800mlを容器に入れて、冷蔵室でひと晩過ごしてもらいます。
▼ひと晩過ごすまえの昆布水

▼ひと晩過ごしたあとの昆布水

写真では、ガラスポッドに結露ができて分かりづらいかもしれませんが、お水に色味が出て昆布もひとまわり大きくなっています。
🍳ポイント2:手羽元にこんがりと焼き色をつける
だしが出やすい骨つきの手羽元を使います。
手羽元には、隠し包丁を入れる必要はありません。
そのまま中火に熱したフライパンに入れて、焼きつけます。こんがりと焼き色がついたら、ひっくり返します。
ひとり暮らしの頃から使っている、直径20㎝程度のフライパンを使ったため、転がりやすい手羽元が安定して、焼きつけやすかったです。

このように焼きつけることで鶏肉のくさみをとって、肉汁を閉じ込めます。
少しずつ確度を変えてひっくり返しながら、まんべんなく焼き色をつけます。

焦げないように注意しながら、こんがりと焼き色をつけました。
あたりは香ばしい香りでいっぱいに。
その香りに引き寄せられるように夫がキッチンに顔を出します。
「今日は水炊きって言ってなかった?」
鶏肉をいい具合に焼き色をつけられたことで自信を得たわたしは、調子に乗って答えました。
「そうだよ! ミクニ流の鶏の水炊きは、まず焼きつけるの。香ばしい風味が加わることで、黄金色のコク深いスープができるんだから。」
……レシピ通り中火を守り、フライパンから目を離さなければ、ここまでなにも難しいことはなかったのですけれど。
🍳ポイント3:フライパンに残った「旨味」を手放さない
さぁ、早くもクライマックスです。いよいよ土鍋の出番。
焼き色がついた手羽元を、まずは土鍋にうつします。

さて、ここからです。 手羽元を取り出した後のフライパンには、茶色い焼き跡や鶏肉の脂が残っています。 これは、汚れではありません。黄金色のコク深いスープのために不可欠な「旨味」なのです……!
ここで登場するのが、あらかじめ用意しておいた「昆布水」。
昆布を先に土鍋にうつしたあと、まだ熱いフライパンに、昆布水をジャーッ! と注ぎ入れて、菜箸でくるくるとフライパンの底を優しくこするように混ぜます。
これを一滴残らず、手羽元の待つ土鍋へ。

<お局担当編集・Mさんの天の声>
実はこの工程、フランス料理の技法「デグラッセ(煮溶かす)」を三國シェフが応用したものなのよ。

キラキラと輝く「黄金色」のスープになりました。
薄切りにしたしょうがを加えて、最初は強火に、沸騰したら弱火にして、土鍋の蓋をして1時間半コトコトと煮込みます。
ここからは、鶏肉から骨の髄まで旨味を引き出すための時間です。
この時間で鶏肉はホロホロになるまで柔らかくなり、濃厚な鶏のおだしがジワジワとスープに溶け込みます。
🍳ポイント4:野菜は最後に
白菜と絹ごし豆腐を加えたら、さらに30分煮込みます。

不器用なわたしは、絹ごし豆腐を入れる際に、その真っ白でヤワなボディを傷つけてしまいました。
傷つけた豆腐をかくすように、冷蔵室にちょうどあった、しめじを投入。
夫にも声をかけます。
「30分後にできあがります!」
はたして夫の反応はいかに……?
やっと、できあがりました!

レタスをしゃぶしゃぶしながら、ポン酢しょうゆでいただきます。
土鍋をじろじろと眺めながら「けっこう時間かかったね」という夫に、「滋味を引き出すために、じっくりと煮込んだからね」と切り返します。
いつも最初のひとくち目から七味をかけるなど、調味料を色々と入れる夫ですが、今回は珍しくなにも入れずにスープをすすります。
もくもくと鶏肉をかじる夫に、間髪をいれずに「どう? おいしい?」 と聞くと「やわらかい」とつぶやく夫。
「ポン酢しょうゆ入れていいんだからね」とポン酢しょうゆをすすめると、ポン酢しょうゆをいれて、鶏肉をおかわりする夫。
そんな夫の様子を観察しながら「七味や柚子胡椒いれる?」と聞くと、「いや、いい」と断られ、もくもくと食べ続けます。珍しいこともあるものだ。あんなに嬉々として調味料を次から次へといれる人なのに。
これは期待していいのか……?
「ねぇどうなの? おいしい?」
夫は器から目を離さずに
「鶏のだしをすごく感じるし、コク深さもある。けど」
いただきました、「コク深さ」!
これはきっと、鶏肉をこんがりと焼きつけたおかげ。
心の中で小さくガッツポーズしつつ。
……うん? けど?
「福岡のお店の味を知っちゃったからなぁ」
……とのことでした。
「#じゃあ、あんたが作ってみろよ」
そう言いたいところですが、いいんです!
わたしは学びました。
初回から、おいしいと言われなくたっていい。
「食べてもらう相手がおいしいと思う料理を作ること」
これが、本書で三國シェフがいちばん伝えたいことなのだそうです。
そして、それは「一流シェフがレストランで作る本格料理であっても、主婦が作る家庭料理であっても同じ」だとも書かれています。
レストランでは、同じ料理を同じレシピで毎回提供していると思っていませんか? レストランには多種多様なかたがいらっしゃいます。一流のシェフはそのかたがたをよく見て、その日のレシピをアレンジしているんです。
何度も作りながら、夫が「おいしい」と言いたくなるような味に近づけるように、このレシピをアレンジして育てていこうと思います。
「おいしい」もうれしいけれど、「我が家の鶏の水炊きがいちばん!」と、いつかそう言ってもらえたら。
ここからがスタート地点です!
最後にレシピを載せておきますので、ぜひ作ってみてください。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました🙇🏻♀️
