三國清三シェフの「豚のしょうが焼き」で、何を作っても「おいしい」と言ってくれない夫にリベンジしてみたら【レシピあり】
こんにちは! 主婦の友社TomoNote編集室の中野です。
先日、このような記事を書きました。
毎回記事を投稿する度にドキドキしているのですが、「スキ」をポチッとしてくださった方がいらっしゃって、嬉しかったです。
(夫は「俺が悪いみたいじゃない」と少し不満げでしたが…)
さて、今回は、そんな夫に「おいしい」と言わせるリベンジ企画の第2弾です!
前回「香ばしすぎる肉じゃが」を作ってしまった私が、僭越ながらミクニ流「豚のしょうが焼き」を徹底検証します。

なぜフレンチの巨匠が「家庭料理」を?
前回の「肉じゃが」同様、今回の「豚のしょうが焼き」もスーパーで買える食材で、特別なテクニックや道具を使わずに作ることができます。
フレンチの巨匠である三國清三シェフの「豚のしょうが焼き」ですから、オーブンを使ったり、凝ったソースを作ったりするのではないかと身構えますが、そこはいたって普通で、フライパン一つあればよさそう。あまり料理が得意ではない私としてはありがたいのですが、ここで疑問が。
そもそも、なぜ、フレンチの巨匠である三國清三シェフが「家庭料理」のレシピ本をつくったのか、気になりませんか?
フレンチと聞くと、私は「格式高い高級料理」というイメージがあります。
三國シェフは、そのフレンチの道を究め、日本人の料理人として初めてフランスのレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章するなど、その活躍は日本国内にとどまらず、まさに日本を代表するフレンチ・シェフです。
その三國シェフが「家庭料理」って意外でしたし、なぜ本を出そうと思われたんだろう? と不思議に思っていました。
実は、三國シェフには「家庭料理」の思い出がないそうです。
小学生の頃、おかずが何もない「ごはんだけが詰まったお弁当」を同級生に見られるのが恥ずかしくて、雪が積もった校庭でひとりで食べていたというエピソードが『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』には綴られています。
そして、その頃から「食べ物と食の重要さについて強い信念をもった」そうなのです。

三國シェフは20歳の時に、ジュネーブの駐スイス日本大使館つきのシェフに任命されます。
そこでは朝昼晩と大使一家の食事をすべて作っていたそうなのですが、誰にも「家庭料理」を教わったことがないにも関わらず、2年の年期が4年に増えるほど、おいしいと評判だったそう。
「家庭料理は食べる人がいつも同じ」です。だからこそ、三國シェフは「その人がおいしいと言ってくれることが何より大切です」と書かれていて、「食べてもらう相手がおいしいと思う料理を作ること」これが『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』でいちばん伝えたいことなのだそうです。
そして、それは「一流シェフがレストランで作る本格料理であっても、主婦が作る家庭料理であっても同じ」だと書かれています。

私は、この最後に綴られている「料理で家庭と家族の人生が温まることを願っています」 という三國シェフの言葉がとても好きです。
料理をつくる人、そして食べる人、お互いが想い合う。
それは、料理に限らないのかもしれません。初めは意識することが必要かもしれませんが、だんだんと習慣になっていって、私もそうやって温かい家庭をつくっていければと思っています。
ひと手間が活きる! ミクニ流「豚のしょうが焼き」
前置きが長くなってしまいました。
ここからは、「食べてもらう相手がおいしいと思う料理を作ること」を追求した、ミクニ流「豚のしょうが焼き」について検証していきます。
まず、材料はこちら!

器に入ったものがてんさい糖、そこから時計回りに、片栗粉、日本酒、しょうゆ、米酢、キャベツ、しょうが、そして、豚肩薄切り肉です。
あらかじめ、付け合わせのキャベツは千切りに、しょうがはすりおろしておきます。
そして、ここがポイントなのですが、何度も作ってきた「豚のしょうが焼き」の作り方を、頭の中から一度捨て去りましょう。
🍳ポイント1:豚肩薄切り肉に「米酢」と「片栗粉」を仕込む
豚肩薄切り肉を破れないよう丁寧に広げて、片面にまず米酢をはけで塗り、茶こしで片栗粉を薄く振りかけます。

お化粧の仕上がりが、丁寧なベースメイクの仕込みによって違ってくるように、このひと手間によって、豚のしょうが焼きの柔らかさが違ってきます。
どんなに味付けがおいしくても、パサついた豚のしょうが焼きだと、おいしさが半減してしまいますよね……。
私はこの経験が何度もあるので、これをクリアできるのは嬉しいです。
🍳ポイント2:しょうがを「巻いたお肉に閉じ込める」
ずばり、合わせておくタレには、しょうがをいれません。
おろしたしょうがは、直接お肉に塗り広げます。
これも、お肉を柔らかくするためなのだそう。

そして、お肉の端からクルクルと巻いていきます。

このようにお肉でしょうがを閉じ込めることで、しょうがの香りや風味を閉じ込めます。
これまでは、タレにしょうがを混ぜて炒めていたため、香りが飛んで、風味を感じづらくなってしまっていたのですが、このようにお肉を巻いて閉じ込めることで、噛んだ瞬間にしょうがの香りと肉汁が口の中であふれ出します。
あぁ、思い出すだけでよだれが……おっと、失礼しました。
🍳ポイント3:「油を引かず」に強火でこんがり焼く
フライパンに油は引きません。 お肉の脂だけでこんがり焼いていきます。
火を入れる前に、お肉の巻き終わりを下にしてフライパンに並べていきます。そして、火加減は、最後まで強火です。
前回「香ばしすぎる肉じゃが」を作ってしまった私には、最も緊張する時間です……。

お肉に焼き色がついたらひっくり返して、こんがり焼いていきます。

日本酒、てんさい糖、しょうゆを混ぜ合わせたものを回し入れ、強火のままいっきに焼きからめて、器に盛り付けます。
🍳ポイント4:肉の脂がしっかり溶け込んだタレ
お肉を取り出した後、フライパンには肉の旨味が溶け込んだ汁が残っています。 ここに水大さじ1を加え、中火にかけて煮溶かしていきます 。

キャラメルのような香ばしい色味になって、これが肉の脂がしっかりと溶け込んだタレになるのです。

スプーンですくって、お肉にトロリとかけていきます。
余談ですが、この写真、片手で傾けたフライパンからスプーンでタレをすくってかけながらスマートフォンで写真を撮っているのですが手がぷるぷる震えて、なかなか大変でした……。
前回の学び
前回「香ばしすぎる肉じゃが」に仕上げてしまったことで、得られた学びは「ミクニ流家庭料理の極意」に書かれていたこの言葉でした。
いい加減でなく「よい加減」で作るべし。
ーー料理は真剣勝負です
[略]指定の火力を守り、火にかけたら火加減を見る、フライパンや鍋の中からは目を離さず、調理時間を守る、など常に集中して行いましょう。
特に強火のときは、油断すると焦げるので要注意!
前回の私は、夫のエプロン姿をカメラロールにおさめることに夢中になった挙句、一時フライパンから目を離してしまいました。まさに「いい加減」だったのです……。
今回は火加減を守り、お肉やタレから目を離さず集中したことで、焦がすことなく仕上げることができました。
本当に私が作ったのかと疑わしくなるほど、柔らかくジューシーに豚のしょうが焼きを作れたので嬉しくなってしまいました……!
一切れ食べただけで、これはまた作ろうと決めました。カリッと焼いたトーストにたっぷりのキャベツと一緒にはさんで、柔らかくジューシーなお肉との食感のコントラストを楽しめる「豚のしょうが焼きサンド」もおいしそうです。
はたして、夫は「おいしい」と言ったのか?

さて、肝心の夫の反応ですが……
「今回は焦がさなかったよ!」とアピールも忘れずにして、夫の目の前にお皿を置きます。
ロール状の豚のしょうが焼きが珍しかったのか「これ、本当に豚のしょうが焼きなの?」と疑わしげな夫が一切れを半分かじります。
私が前のめりで「どう?おいしい?」 と聞くと「お肉がやわらかいね。これ、中にしょうが入れたの?すごいしょうがの香りがする」夫がゆっくりと答えます。
やったー! まさに三國シェフの狙い通り! 今回はきっちりレシピ通りに作ったので間違いありません。
悔しいのか、すぐに「おいしい」とは言わない夫に「おいしいよね?」と畳みかけます。
すると、夫が一言。
「でもなぁ…俺のほうがもっとおいしく作れそう」
……はい?
「豚のしょうが焼きはカリカリが好きなんだよなぁ」
……はぁ。
「#じゃあ、あんたが作ってみろよ」まさかのリターンズです。
悔しい……。私はおいしくできたと思ったのですが、今回も夫に「おいしい」と言ってもらえませんでした。
今度は表面だけカリカリになるくらい、しっかり焼き目をつけてみようと思います。
「ミクニ流家庭料理の極意」でも「二回目からは家庭の味に育てる」と書かれていますし、我が家の味に育てるべく模索していきます。
いつか絶対に……夫に「おいしい」と言わせてみせます……!
最後にレシピを載せておきますので、ぜひ作ってみてください。
感想をコメント欄で教えていただけたら、喜んでお返事させていただきます!

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました🙇🏻♀️
