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きっとあの人も。そして、わたしも【凛花さん 「アンシャンテ」シリーズ note感想文】

今回のnoteは、「あなたの渾身のnote、応援します!」企画にご応募いただいた、三條凛花さんのnote感想文です。

▽企画概要note【2/14で受付終了】▽

▽今回、感想を書かせていただいた、凛花さんのnote▽


前書き

「読みます企画」の概要noteにも書きましたが、この感想文の企画自体が凛花さんの丁寧な感想にインスパイアされて、わたしも始めてみたものでした。

「灯火物語杯」の母が、すのう杯の本田すのうさんであり、
今回の「渾身のnote、応援します」企画の母が、凛花さんということですね!(圧が凄い)

しかも、凛花さんはご自身が出しているエッセイ集『月刊tote』の掲載作品を呼びかける際に、モノカキングダムと一緒に灯火物語杯のお名前も出していただいて身に余る光栄でした!

ちなみに、凛花さんは10年間ブログを書き、商業出版も出されている方。さらに、わたしが苦手意識を抱えている収納分野です。もうわたしから見ると完全に別世界の方なんですが、個人的にこのnoteを読んだ衝撃がダントツでした!

前置きが長くなってしまったので、早速、一気に惹きこまれた『恋が叶うサロン・アンシャンテシリーズ』についての感想を書いていきたいと思います!

打ちひしがれる圧倒的技術!

こちらの作品はシリーズものなのですが、最後まであっという間に読み進めていた自分がいました。

わたしは、前々から小説は縦書きで読みたいと思っていたので、noteでの長編小説は合いにくいと思っていたのですね。
ただ、凛花さんのアンシャンテシリーズに出会い、わたしの中での勝手な思い込みだったのかもしれないと思い知られました。

まず、取り上げたいのが読みやすさです!もちろん、それは段落の区切りや言い回しなどわたし自身も意識していることではありますが、レベルが違うと痛感しました!

そして、次に挙げたいのが観察眼と描写です。

3年間履いた茶色のチェック模様のスカートは、今は真っ白なクロスの下に隠れて見えない。

『たがための羽化』より

この表現、美容室でかけるクロスに注目していないと発想自体が出てきません。さらに、自分にとって暗い思い出となった3年間に区切りをつけるために来たサロンアンシャンテ。正にその決意を表すシーンです。

無駄なものはない。直接的な表現はしていない。でも、確かにその決意や胸の内をしっかり伝えてくれる。そんなシビれる一文でした。

他には、こんな描写も。

変わりたい。
誰かと一緒に生きていきたい。
そう思いながら、もう一度予約状況を確認する。


「あ」

明日の夕方が、空いた。
すこし迷ったけれど、手のほうが先に動いていた。

『まいにち魔女』より

2週間先まで予約が埋まっている大人気サロンのアンシャンテ。「変わりたい」という強い想いとともにもう一度予約画面を見ると、ふとキャンセルが出て空きが出る。運命の啓示のようであり、「トクン」という鼓動が聞こえてくるような描写です。

そもそも、女子高生たちの噂から始まるシーン。「恋が叶うサロン」なんていかにもありそうな話です。そうした日常に溶け込んでいる描写がたくさん出てくる度に思わずうならされる作品でした。ありそうな話、素敵な話、共感する話。

うん、多分わたしはこの手触りを伴った世界観が相当スキなんだと思います!
とそんなカンジで、最初に触れておきたかったのは、この技術面の話でした!

”素材”を活かした再構築力

ちなみに、技術絡みの話で言うと、わたしも元ネタを詳しく知らないのですが、それぞれのお話はベースとなるお話があったことが容易に想像できます。凛花さんのあとがきにもある通り、「なんのはなしです課」のみなさんのお話から再構築されたお話と言うことがわかります。

上手く言語化できないのが情けないのですが、書き手としてわかるし、凄いし、何より楽しそうなのが伝わってきます。きっとそれぞれの登場人物は元ネタがあったり、ここの部分はそこから引っ張ってきたんだろうなと。同時に、それを別のお話としてしっかり組み上げている凄さ。

とにかく、自分がやりたくてもできないことを高いレベルで実現されている現実に、ただただ圧倒される作品です。

人生という名のプリズム

そして、このシリーズは、シリーズであることそのものに大きな意味を持たせてくれています。それは、続編や同じ世界線での話という意味だけではありません。

少し話は変わりますが、わたしは「視点」という考え方に、非常に重きを置いています。同じ物を見ても感じることは違う。そもそも、見ている視点が違う。

サイコロの裏面を見るように、異なる視点を1枚の絵画に落とし込んだのが、立体主義。つまり、「キュビスム」と呼ばれるピカソなどに代表される芸術運動です。

人生もまたプリズムのように、いくつもの面があり、いくつもの色を反射している。わかっていたはずでした。

凛花さんの作品に話を戻すと、『早贄の恋』に出てくる雛乃ちゃん。こういうコ、メッチャスキです!ですが、そんな彼女は「百舌鳥(モズ)の早贄」に例えられるような恋愛をし、かつ、彼女自身は幸福を感じられません。

ただ、面白いのは、別な話では雛乃は「勝ちヒロイン」の立場で描かれていることです。


そうしたシリーズものの良さを最大限に使った構成に膝を打ちつつ、それでもまだ油断していました。いや、むしろ、そうした展開に衝撃を受けていたのにも関わらず、想像できなかった自分が恥ずかしいです。

アンシャンテのオーナーLenaさん。多くの来店者に「魔法」を施す様に憧れます。人の良さを引き出すことは、わたし自身も目指すことです。
過去に苦労をされているかもしれないが、きっと今は充実した生活を送っているのだろうと勝手に想像していました。

ですが、どうでしょう。Lenaさんは、旦那さんから突然離婚届を差し出され…というのがシリーズ最終話となる『オリーブに満ちる月』です。

きっと、わたしも誰かに羨ましがられ、誰かを非難し、非難される

SNS全盛の今、人を見ればキラキラして見えることが多くないでしょうか。いえ、むしろ、そうした部分を特に抽出しているのだから当たり前かもしれません。

noteはどちらかというと、そうしたものに疲れている方が多く、しっかりと文脈や行間を読める方が多いので、わたしはnoteを活動の主軸とすることに決めました。

わたしは表立って人を非難することはあまりスキではありません。人を非難するよりも、自分が心地いいと思う空間を作るほうに注力するほうが自分も周りも幸せになると思っているからです。

わたし自身、ポジティブなキラキラをより増幅させることをモットーとしています。ですが、ふと思いました。人から見れば、わたしもLenaさんのように見られているかもしれない。

有料記事では仕事関係の過去の失敗などもアップしたりしています。今の苦悩や葛藤といったモヤモヤも書いたりもしています。ですが、本当に自分が悩んでいることはコーチングいただく相手にしか話していません。

傾聴や寄り添いを強みにしたいと思っているわたしの悩みは、パートナーにまだまだ本当に言いたいことを言えていなかったり、子どもたちの想いや言いたいことを汲めていないことです。

そんなわたしも、表には出さないですが、批判や否定的な感情を抱くこともあります。人間なので当たり前ですよね。先日の自主開催のコンテストでも主催者としての本音を書いたりもしました。

有料noteのCMみたいになってしまってすみません。わたしの文章としては珍しくドロドロしたものを書いたこともあり有料にさせていただいています。


そんな風にわたしにも色々な面があるわけでして。ということは、今まであまり意識していませんでしたが、いや、意識しないようにしていましたが、きっとどこかでわたしも憧れられたり、悪く言われたりしているのだと、改めてハッとさせられました。

そして、同時にわたしが心のなかでイケすかないと思っている、会社のアイツもときには、お願いする側であり、呆れられる側かもしれないということです。

もちろん、だからと言って、「人類みな兄弟」のスタンスに急に変わったりしませんし、ネガティブな想いをひたすらまき散らすこともしません。

ただ、まだまだ認知の歪みは自分の中にあるんだということも思い知りました。そして、これからも人の心に灯火を与えられる存在となり、同時に、人からも薪をくべてもらったり、火の勢いを強くしてもらっていきたいと思います。


今回、凛花さんの作品を読んで思ったのは、わたしもこんな風にシビれる小説が書きたいということ。そして、もう一つは同じ土俵で勝負しようとしてもまったく歯が立たないということでした。

自分が納得の行く作品に対して、嵐のような心の動きと熱を与えてくれた凛花さん。改めて、ありがとうございました。
灯火物語杯にエントリーいただいたところから始まったご縁、心から感謝しています。

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