リンドウ薫る、小春日和に
わたしたちが通った高校の文化祭は「竜胆祭」と言う。
高校の代名詞ともなっているもので、文化祭に並々ならぬ情熱をかける高校に通う者として、あまりに大きな意味を持つ言葉だ。
でも、わたしはリンドウの花をしっかりと見たことがない。どんな形か香りか、イメージさえもつかない。
そう、2つ上の学年にいたパートナーを、当時まったく知らなかったように。

10月は、初めて美術館をハシゴした。さらに、Xで気になっていた七宝焼きの個展を百貨店に見に行った。
初めて尽くしだが、芸術の秋が一気に花開いた9月とは違う点がある。
パートナーとふたりで、だ。
しかも見に行ったのは国立科学博物館 附属自然教育園と、東京都庭園美術館。個展は七宝焼き。
絵画はない。でも、感じ入るものは引けを取らない。


小春日和は、秋に使う言葉だと知った。
「春」はパートナーの名前にも入っている言葉。
高校から園芸科という進路を選んだパートナーと、感性を高めて一緒に過ごすようになって、草木にカメラを向けることも、Googleレンズに問うことも多くなった。


人生の軌跡は繋がっている。
バラバラだと自己嫌悪に近い感情に囚われていたわたしが、最近ようやく実感を伴って腹落ちしてきたことだ。
それを「運命」だと呼んで意味付けする気はない。
でも、散々後悔した高校生活を、軸がないと悩まされていたキャリアも、自分という人生をちゃんと積み上げてきたんだと、少しやわらかく受け止められた。
満足感や達成感をお裾分けしてもらいながら、どこか物悲しくもある秋の野を見ながら、わたしの言の葉も色づき、広がっていくのを感じた。
(772文字)
凛花さんの「月刊tote」への寄稿記事でした!
プロフィール
・花邑 灯火(はなむら ともしび)
適応障害から復職したベンチャー会社員&パラレルワーカー。アートや捉え方の視点などを発信中。

凛花さんのtote誌面にレイアウトいただくことを考えて、今回、関連記事の埋め込みを避けています。
庭園美術館などに行った日のレポートはこちらのnoteにまとめていますので、よかったらコチラもぜひ!
▽高校時代の後悔の一部については、こちらのnoteで触れています▽
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