見出し画像

大叩きを減らすと、ゴルフの景色が変わる

『失点を減らせば景色は変わる』

いいショットを増やすことも楽しい。
でも、スコアを静かに変えてくれるのは、大きなミスをひとつ減らすことかもしれません。


朝のコース、ティーグラウンドに立つとき

梅雨の晴れ間、朝イチのスタートホール。

空気はまだひんやりしていて、靴底から芝の湿り気が伝わってくる。遠くで鳥が鳴き、隣のホールからカートの走る低い音が聞こえる。

フェアウェイは朝露を含んで、光の角度によって銀色に輝いて見える。

そういう朝に、人は思う。

「今日は飛ばすぞ」
「今日こそバーディを取りたい」
「先週よりいいスコアを出したい」

その気持ちは、とても自然なものです。
ゴルフの楽しさそのものだと思います。

ただ、その「もっと」という気持ちが、スコアを崩す入り口になることもあります。


「もっと」を求めるほど、崩れていく

ドライバーをもう少し飛ばそうとして、力が入りすぎて左へ引っかける。

残り距離がギリギリなのにピンを狙って、グリーン奥へ外す。

バーディチャンスのパットを強く打ちすぎて、返しも外して3パットになる。

ゴルフあるあるです。

「もっといいショットを」と思えば思うほど、体に余計な力が入る。
そしてミスが続くと焦りが生まれて、また挽回しようとして力む。

その悪循環が、スコアを一気に崩していきます。


私が「引き算」を知らなかった頃

私もかつては、ずっと「加点思考」でゴルフをしていました。

バーディが取れれば喜んで、ボギーが続くと「どうにかしなければ」と焦る。いい球を打とうとするあまり、ティーショットでOBを打って、大叩きして帰ってくる。

そんなラウンドを何度も繰り返しました。

転機は、スコアカードにパット数をつけ始めたことです。

後で見返してみると、自分がどこで叩いているのかが少しずつ見えてきました。

ひどい時は50パット以上。
「ショットが悪い」と思っていたけれど、実はグリーン上でかなり失点していたのです。

そこからパットの練習時間を取るようにしました。

すると、1カ月もしないうちに100切りが普通になったのを今でも覚えています。

もちろん急にゴルフが簡単になったわけではありません。
ただ、自分が何で叩いているのかを知ったことで、やることがはっきりしたのです。


Tさんのラウンド、「やめた」判断の話

半年ほど前、生徒さんのTさんと一緒にコースへ出たときのことです。

6番ホール。右サイドにOBゾーンが迫るドッグレッグ。

Tさんはドライバーを構えながら、少し苦笑いして言いました。

「ここ、いつも右に打っちゃうんですよね」

そこで私は言いました。

「今日はやめてみましょう。無理にドライバーを持たず、得意なクラブで左へ運びましょう」

Tさんは少し迷ってから、スッとクラブを替えました。

打った球は、フェアウェイ左へ。
次のショットも無理をせず、グリーン近くまで運ぶ。
最後は2パットでボギー。

「先生、なんか変な感じですけど、気持ちよかったです」

Tさんがそう言いました。

いつも大叩きするホールで、ボギーで上がれた。
その静かな達成感が、ゴルフの景色を変える一歩になります。


『失点を減らせば景色は変わる』

この言葉は、守ってばかりのゴルフをしようという意味ではありません。

攻めることも大切です。
バーディを狙う気持ちも、ゴルフの醍醐味のひとつです。

ただ、スコアは足し算だけではなく、引き算でもできています。

バーディをひとつ取るより、ダブルボギーをひとつ減らす方が、18ホール全体の流れを落ち着かせてくれることがあります。

大叩きをひとつ防ぐだけで、気持ちにゆとりが生まれる。
次のホールへ、少し穏やかな顔で進める。

その積み重ねが、スコアにも表情にも出てきます。


今日から一つだけ試してみてください

スコアカードにパターの打数はカウントしましょう。

パットは簡単に見えるので、意外と練習を後回しにしがちです。
でも、多い日にはスコアの半分近くがパットになることもあります。

何で叩いているのかが見えると、改善する場所が見えてきます。

余裕が出てきたら、OBが右に多いのか、左に多いのか。
アプローチはショートが多いのか、オーバーが多いのか。

少しずつ記録してみるのもおすすめです。

「自分は何が得意で、何が苦手なのか」

それが見えてくるだけで、18ホールの歩き方は変わってきます。


ラウンドを終えて帰る道

ラウンドを終えて帰る頃、午後の光が斜めになり、コースに長い影をつくっていました。

Tさんが帰り際に、ぽつりと言いました。

「今日は大叩きしなかったですね」

その声は、いつもより少し穏やかでした。

バーディは一つもなかった。
でも、崩れなかった。

それだけで、ゴルフは十分に楽しい日になります。

ミスをゼロにするのは難しい。
でも、ミスを小さくすることはできます。

失点を減らすこと。
その小さな積み重ねが、いつかスコアの景色を変えてくれます。


あなたは最近のラウンドで、「やめておけばよかった」と思ったショットが一つありますか?


いいなと思ったら応援しよう!

トモティー|大人から始める、やさしいゴルフ⛳️ 応援ありがとうございます😊