調子がいい日ほど、「いつも通り」を忘れない
『穏やかな日ほど、気を抜かない』
順調なときほど、いつもの手順を省きたくなるものです。
けれど、その小さな省略が流れを変えることがあります。
順調な朝、少しずつ緩んでいく確認
朝からスコアがまとまっている日は、コースの景色までいつもより明るく見えます。
芝を踏む足音も軽やかで、頬を抜ける風も心地いい。
ショットはまっすぐ飛び、パットも気持ちよくカップへ消えていく。
そんな流れの中で、ふといつもの手順を一つ飛ばしてしまう瞬間があります。
「今日は大丈夫」
いつもなら確かめるグリップの向きも、狙う方向も、なんとなくで済ませてしまう。
そして次の一打で、思いがけないミスが出る。
あの拍子抜けするような感覚、ありませんか。
「今日は大丈夫」という気の緩み
調子がいい日に確認を省いてしまうのは、決して怠けているからではないと思います。
うまくいっている安心感が、少しだけ丁寧さを緩めてしまう。
良い流れの中では、いつもの手順よりも、その場の勢いを信じたくなるものです。
とくにゴルフを始めたばかりの頃は、ナイスショットが続くと、「このままずっといけるかもしれない」と感じます。
その気持ちは、ゴルフの楽しさの一つです。
ただ、その安心感の隙をつくように、突然ミスが出ることがあります。
良かっただけに、余計にがっかりしてしまう。
その気持ちも、よく分かります。
私も、調子がいい日ほど油断します
正直に言うと、私自身も調子がいい日ほど気が緩みやすいゴルファーです。
不思議なことに、「今日は調子が悪いな」と感じている日のほうがスコアがまとまり、「今日は絶好調だ」と思った日のほうが、後半に崩れることがあります。
私も何度も繰り返してきました。
理由を考えてみると、調子が悪い日は、最初からミスが出ることを想定しています。
無理な場所を狙わず、構えを整え、いつもより丁寧に一打を選んでいる。
反対に、調子がいい日は勢いのままプレーしてしまい、狙いもが狭くなり小さなミスが致命的ミスになってしまう。
一度や二度なら問題がなくても、それが18ホール続くと、どこかで小さなズレが顔を出します。
長くゴルフに関わっていても、順調さが油断を連れてくる性質は、なかなか変わりません。
大切なのは、一度も油断しないことではなく、気づいたときに丁寧さを選び直すことなのだと思います。
好調だったHさんが崩れた理由
生徒さんのHさんに、前半から絶好調だったラウンドがありました。
ショットも安定し、パットもよく入る。
ところが後半に入ると、いつも欠かさなかったアドレス前の手順を、少しずつ省略するようになりました。
狙いを十分に決めないまま構え、いつもより強気に攻めていく。
やがてボールが曲がり始めると、今度は「どこを直せばいいのか」ばかりが気になり、後半だけでスコアを大きく崩してしまいました。
ラウンド後、Hさんは苦笑いしながら話してくれました。
「今日は大丈夫な気がしたんです。いつもならミスも考えて狙うのに、どんどん攻めてしまいました」
それ以来、Hさんは調子がいい日ほど、あえてアドレス前の手順を丁寧にするようになりました。
すぐにすべてが変わったわけではありません。
それでも、後半に大きく崩れるラウンドは少しずつ減っていったそうです。
今日の言葉の意味
『穏やかな日ほど、気を抜かない』という言葉には、そんな経験が重なっています。
順調な流れは、私たちに「もう大丈夫」という安心感を与えてくれます。
でもその安心感こそが、小さな油断を招く落とし穴になることがあります。
ひとつひとつの丁寧さを崩さないことが、実は順調な流れを長く保つための土台なんです。
今日から試せること
まずは、狙いを決めてからボールに近づいてみてください。
「あの木の右側」「フェアウェイの少し左」など、目標は大まかでも構いません。
狙いが決まらないまま構えるより、それだけで体の向きが整いやすくなります。
もう一つは、素振りの回数をそろえることです。
毎回一回にするのか、二回にするのか。
完璧なルーティンを作る必要はありません。
同じ順番を何度も繰り返しているうちに、考えなくても自然にできるようになります。
調子が悪い日だけではなく、調子がいい日にも続ける。
その小さな習慣が、良い流れを長く支えてくれます。
やさしい景色の先に
やさしい景色の先に
ラウンドの終わり、夕方の光がフェアウェイを柔らかく照らしています。
今日の良い流れは、偶然だけで生まれたものではなく、一打ずつ積み重ねた丁寧さが支えてくれたものかもしれません。
穏やかな日に、いつも通りを続ける。
その静かな一手間が、最後のホールまでゴルフを楽しくしてくれるのだと思います。
調子がいいと感じたとき、あなたが忘れずに続けたい「いつもの確認」は何ですか。

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