スコアに打ちのめされた帰り道、そっとクラブを拭いてみる
夕暮れの駐車場、ため息と芝の匂い
ラウンドを終えた夕方。
西日が車の窓に反射して、
駐車場のアスファルトまで少しやわらかい色に見える時間があります。
キャディバッグをトランクに積み込もうとして、ふと手が止まる。
スコアカードの「+4」や「36パット」の数字を見ると、
胸の奥がチリッと痛みます。
「あの3パットがなあ」
「朝イチのティーショット、力んだな」
そんな日は、クラブをバッグに放り込んで、
一刻も早く帰りたくなるものです。
私も、30年ゴルフをやってきて今でもそうです。
むしろ、逃げ出したくなる日のほうが多いかもしれません。
その悔しさは、ゴルフを愛している証拠
うまくいかなかった一日を、何度も頭の中でリプレイしてしまう。
「あの一打さえ違っていたら」と、自分を責めてしまう。
でも、それはあなたが弱いからではありません。
それだけ真剣に、その一打と向き合っていたということだからです。
悔しい。
情けない。
もう今日はゴルフのことを考えたくない。
そう感じるのは、とても自然です。
ゴルフを好きな人ほど、心は静かに傷つきます。
私は15年レッスンをしてきて、数千人のゴルファーを見てきました。
それでも、自分のラウンドとなると話は別です。
飛ばさないと届かない場面で、ついバンカー越えを狙って力が入る。
案の定ミスをして、帰りの車でため息をつく。
「教える立場なのに情けないな」と落ち込む日もあります。
だからこそ思うんです。
その悔しさは、あなたがゴルフを愛している証拠だと。
私も未完成のゴルファーのまま
以前、ある生徒さんがこう言いました。
「今日はもう散々でした。クラブも見たくないです」と。
その気持ち、痛いほどわかります。
私もバッグを開けるのも面倒なくらい、気持ちが沈む日があります。
でも、そんな日に限って、一本だけクラブを抜いてみる。
たとえば、一番悔しい思いをした7番アイアン。
汚れたフェースを、タオルでゆっくり拭いてみるんです。
すると不思議なことが起こります。
ミスした場面だけじゃなく、
うまく打てた一打や、風の気持ちよさまで思い出してくる。
「ああ、今日は全部ダメだったわけじゃなかったな」
そう思える瞬間が、ちゃんとあるんです。
後始末が、小さな上達のヒントをくれる
クラブを拭いていると、ふと気づくことがあります。
グリップの端がいつもより黒ずんでいる。
フェースの先のほうに、擦れた跡が目立つ。
それは、
「少し先に当たりやすかったのかもしれない」
「少し急いで振っていたのかもしれない」
そんな自分のクセの、小さなサインに見えることがあります。
全部を直そうとしなくていいんです。
ただ、「今日はこういう日だったな」と、そっと受け取るだけでいい。
それだけで、次のラウンドでは
「少し落ち着いて振ってみようかな」
「今日は近く立ちすぎないようにしようかな」
そんなふうに、やさしく次の一打を見直せるようになります。
重い心を変えるのは、技術の大改造ではありません。
こんな小さな気づきと行動の積み重ねなのだと思います。
無理に練習場へ寄らなくても、家に帰ってからの3分で十分です。
今日の言葉
『後始末は次のステップへの出発点』
私はこの言葉が、ゴルフにとてもよく似合うと思っています。
今日のラウンドを、ただ悔しい一日で終わらせるのではなく、
自分の手で静かに締めくくる。
クラブを拭くことは、道具を整えるだけではありません。
今日がんばった自分を、そっと労わること。
そして、クラブが教えてくれた小さなヒントを受け取ることでもあります。
うまくいかなかった日ほど、この時間がやさしく効きます。
終わらせることができると、人はまた始められる。
ゴルフも、きっと同じです。
今日からできる、3秒の習慣
次のラウンドや練習のあと、
バッグにしまう前に一本だけでいいので、グリップを3秒拭いてみてください。
今日いちばん悔しかったクラブでもいいし、
いちばん頑張ってくれたクラブでもいい。
ゴシゴシじゃなくて大丈夫です。
そっと3秒。
その間だけ、心の中で「おつかれさま」とつぶやいてみる。
できれば、そのあとでフェースをちらっと見て、
「今日はどのあたりに当たっていたかな」
と一度だけ見てみてください。
たったそれだけで、気持ちの終わり方が変わります。
そして不思議と、
次の一打への入り方まで少しやさしく、少し落ち着いたものになります。
完璧じゃないからこそ、ゴルフは美しい
ゴルフ場を出る頃には、
あんなに沈んでいた夕日が、明日への希望の色のようにも見えてきます。
完璧なショットが打てなくてもいい。
スコアがボロボロでもいいんです。
最後に道具を整え、
自分のクセに少し気づくことができれば、それは立派な完走です。
芝生の匂い、風の冷たさ、そして思い通りにいかないもどかしさ。
それがあるからこそ、たまに出る最高の一打が、あんなに愛おしい。
さあ、明日はどのクラブを磨きましょうか。
あなたがまた緑のフェアウェイで笑顔になれる日を、
同じ未完成のゴルファーとして、心から応援しています。⛳
あなたはラウンドのあと、どんなふうに一日を終えていますか?
自分なりの小さな習慣や、
「これは次につながったな」と感じた後始末があれば、
ぜひコメントで教えてください。
クラブの傷を見て気づいたことでも、
帰り道にいつもしていることでも大丈夫です。
あなたの言葉が、きっと誰かの次のステップになると思います。

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