切り替えられない日にも、できること
『失敗のあとに、いつもの自分へ戻れる人は強い』
分かっていても、すぐには戻れない。それが普通だと思います。
失敗そのものを帳消しにすることはできません。
それでも、その悔しさを抱えたまま一歩ずつ乗り越え、いつもの自分へ戻っていくことが大切なのだと思います。
練習場で、バンカーの悔しさを思い出す
夏の夜の練習場。
夕立のあとで、昼間よりも少しだけ空気が冷たく感じます。
隣の打席から聞こえる打球音も、ぽつん、ぽつんと間遠になり、頭上の蛍光灯がジジッと小さく鳴っている。
汗の残ったグリップを握り直すと、ひんやりとした感触が手のひらに戻ってきました。
その瞬間、日曜日のラウンドで打ったバンカーショットを思い出しました。
一打目は出せず、二打目でようやくグリーンへ。
次のホールのティーグラウンドに立っても、胸のあたりはまだざわついたままでした。
練習場では、あのバンカーの練習ができないのが悔しいと思いながら練習するしかない。
そう思うと素振りの音まで、いつもより硬く聞こえた気がします。
「切り替えなきゃ」と思うほど、切り替わらない
ミスをした直後は、頭では分かっているんですよね。
「もう終わったことだから」
「次の一打に集中しよう」
それでも、切り替えようと思えば思うほど、さっきの一打が頭の中で何度も再生されてしまいます。
ラウンドを終えて数日たってから、仲間とゴルフの話をしていると、また思い出すこともあります。
「あのミスを引きずって、そこから崩れたな」
一つのミスが、そのあとの二ホール、三ホールまで静かに影を落としてしまう。
経験を重ねても、簡単にはなくならない感覚だと思います。
私にも、戻れなかった日がある
正直に言うと、私自身も切り替えが得意な人間ではありません。
順調にプレーしているときに大きなミスが出ると、そこからズルズルと崩れてしまったことが何度もあります。
けれど、今はこう思います。
完璧に切り替えられる人なんて、きっとほとんどいません。
大切なのは、一度も崩れないことではなく、崩れたあとに戻ってこられることではないでしょうか。
Gさんのバンカーショット
以前担当していた60代の生徒、Gさんはバンカーが大の苦手でした。
あるラウンドレッスンで、三打続けてボールがアゴに当たり、元の場所付近まで戻ってきてしまったことがあります。
打つたびに、Gさんの表情がこわばっていくのが分かりました。
次のホールのティーグラウンドで、私はこう声をかけました。
「今のことは、無理に忘れなくても大丈夫です」
「次の一打だけ、いつもの速さで構えましょう」
Gさんは大きく息を吐き、いつものルーティンで二回素振りをしました。
そして打ったボールは、林の中へ。
決してナイスショットではありません。
それでも、Gさんの表情からは、バンカーで見せていた硬さが消えていました。
うまく打てたかどうかよりも、いつもの自分に戻ってこられたこと。
それが、あの日の大きな一歩だったと思っています。
今日の言葉が伝えたいこと
「失敗のあとに、いつもの自分へ戻れる人は強い」
これは、ミスをしない人になろうという言葉ではありません。
失敗したあとに、どれだけ早く「いつもの自分」へ戻ってこられるか。
その戻る力も、ゴルフの実力の一つだという意味です。
上手な人も、ミスをします。
ただ、ミスのあとに構える速さや、歩く速さ、考える速さを大きく変えず、次の一打へ向かうことが上手なのだと思います。
これは、誰でも少しずつ身につけられる力です。
今日から試せること
一日のスコアだけを見るのではなく、三ホールごとに小さな目標を作ってみてください。
「この三ホールは、ボギー以内で回る」
「三ホールで一度はパーオンを狙う」
「ミスをしても、次の一打はいつものルーティンで打つ」
最初の三ホールがうまくいかなくても、次の三ホールでは新しいゲームが始まります。
すべての目標を達成できなくても大丈夫です。
ラウンドの中に小さな区切りを作ることで、一つのミスを最後まで引きずりにくくなります。
明日のティーグラウンドで
明日、もしミスをしてしまっても、無理に忘れようとしなくて大丈夫です。
ただ、次の一打の前にひと呼吸。
芝の匂いや、風の音、グリップを握る手の感触に、少しだけ意識を向けてみてください。
うまく切り替えられなくても、いつもの速さで歩き、いつもの順番で構えてみる。
それだけで、目の前の景色が少しやさしく見えてくるかもしれません。
失敗しても、また戻ってくればいい。
戻ってこられる人は、強い人です。
追伸
バンカーが苦手な初心者さんに向けて、練習場でも取り組めるレッスン方法をInstagramに投稿しています。
「本当にこれで出せるようになるの?」と感じるような、少し変わった練習方法かもしれません。
それでも多くの方に試していただき、バンカーへの苦手意識が減ったという声もいただいています。
バンカーが怖いと感じている方は、参考にしてみてください。Instagramは、プロフィール欄のアイコンからご覧いただけます。
あなたが失敗を引きずらないために、心がけていることはありますか?

いいなと思ったら応援しよう!
応援ありがとうございます😊